チガヤの特徴や生態
チガヤとは?
チガヤの基本情報
- 学名:Imperata cylindrica Beauv.
- 英名:Cogongrass
- 科名:イネ科 (単子葉 多年草)
- 別名:チバナ・ツバナ
- 生薬名:ボウコン(茅根)
- 漢字表記:一文字で茅(ちがや)、または茅萱。千茅ともいう。
チガヤの分布
北は北海道から南は沖縄まで日本全土に分布
チガヤは琉球列島を含む日本全土のみならず、アジア大陸中部以西、アフリカ、オーストラリアなどに広く分布しており、外来種として北アメリカにも帰化しています。道端や空き地、堤防や河川敷のような日当たりと水はけのよい場所で、綿毛に覆われた花穂をつけて群生しているので、名前を知らずともきっと一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
「外来種って何ですか?」
もとはその地域に存在しなかったのに、人為的に他の地域から入ってきた植物(生き物含む)のことだよ。帰化(植物・生物)というのは、外来種が勝手に野外で生育するようになった状態を指すよ。
チガヤの生態
チガヤの成長サイクル
春 (season) |
桜のつぼみが膨らむ頃になると地下茎のふしぶしから一斉に芽を吹きます。 |
春の 終わり |
茎は30〜80cmほどの高さになり、先端に円柱状で銀白色の花穂をつけます。種子が熟すと、種子の根もとにある無数の白い綿毛によって風に運ばれます。 |
初夏 | 葉が生育を始めます。 |
晩秋 | 地上部が枯れ始めます。 |
冬 | 地上部は枯れ、地下茎は休眠状態に入ります。 |
チガヤの繁殖方法
チガヤの繁殖方法としてはタンポポのように種子を綿毛で飛ばす種子由来の繁殖と、地下茎での繁殖の二通りがあり、チガヤの大きな特徴となっています。圧倒的な猛威をふるうのは風に乗る綿毛ではなく、地下茎の方です。
チガヤの防除が困難な理由
理由①再生能力の高い地下茎
地下茎での根絶は困難
チガヤの地下茎は一見するとただの根っこに見えるのですが、複数の休眠芽を持つ根茎です。その根茎が地表近くを横へ横へと広範囲に這って伸びるので、地上部を刈取ってもその刈取った株元からたやすく再生します。また刈取った株周りの休眠芽からも多数の新しい芽が発生するので、刈り込み前よりも数や量が増えたように見えるのが特徴です。
理由②アレロパシーの分泌
他植物の成長を阻害する物質を分泌
チガヤが「難防除雑草」と呼ばれるほどに厄介な理由、地下茎による繁殖力はもちろんですが実はもうひとつ、地下茎から他の植物の生育を妨げる物質アレロパシーを分泌する*という生態が挙げられます。少量だから……とうっかり除草を怠ると他の雑草をも駆逐し、「庭がチガヤのひとり勝ち状態」なんて光景を見る羽目になるかもしれないのです。*アレロパシーを出す植物としてはナガミヒナゲシやセイタカアワダチソウも知られています。
地下茎で増えるその他の雑草たち
根茎による繁殖力の強さがチガヤの特徴とも言えますが、雑草といわれる植物の中には地下茎で繁殖するという特徴を持つものが意外と少なくありません。みなさんも「ヤブカラシ」や「ドクダミ」「スギナ」などいくつかの雑草がすぐに頭に浮かぶのではないでしょうか。
雑草の生態に合わせた防除を
地下茎で増える雑草を刈取って駆除する場合、一部でも根が残っているとたやすく再生するという特徴を持っているので、時間と体力が有り余ってでもいない限り、駆除方法としてはおすすめできません。ではどうすれば駆除できるのか? 効果的な防除・駆除方法を次にご紹介します。
チガヤの防除方法①除草剤
おすすめの除草剤(サンフーロン液剤)
大成農材 除草剤 原液タイプ サンフーロン 5L
参考価格: 5,880円
除草剤の使用にはなんとなく不安があるという人にもおすすめなのが、「土に落ちた成分はすぐに薬効を失い、微生物により自然物に分解される」という特徴を持つグリホサート系除草剤のサンフーロンです。薬効成分を葉や茎から吸収し、根まで枯らすので防除困難な雑草にも効果があります。土壌に成分が残らないということは、散布後日を置かずに作物の植え付けが可能となるので大変便利です。
サンフーロンをおすすめする理由
「グリホサート」という成分はアメリカの化学メーカーが開発したもので、耳馴染みがある有名な除草剤「ラウンドアップ」に使用されていたものですが「特許」で保護される期間が経過したため、同成分(もしくは類似成分)のジェネリック品としていくつかの除草剤が安価に販売されています。このサンフーロンもそのひとつです。
サンフーロンの使い方(動画の紹介)
チガヤへの使用方法と注意点
- 散布時期 5月~8月
- 希釈倍率 50倍
- 雨が1日降りそうにない(無風の)天気が良い日に散布
- 通常2~14日で効果が発現し、効果完成までさらに日数を要す
- 5ℓの水に100㎖のサンフーロンを入れ散布液をつくる
- 散布液をジョウロ(または噴霧器等)に入れ、チガヤの葉や茎にまんべんなくかかるよう散布する
- 日を置いて複数回散布することでより効果を発揮する
事前に準備するもの
- 除草剤(ここではサンフーロン)
- 噴霧器 なければジョウロでも可
- 計量カップ
- 帽子 マスク 花粉症用メガネ ゴム手袋など肌を防護するもの
出典:写真AC