チガヤとは?その生態と駆除方法を紹介!難防除雑草に有効な除草剤は?

チガヤとは?その生態と駆除方法を紹介!難防除雑草に有効な除草剤は?

根絶が難しいとされる雑草のひとつに「チガヤ」があります。日本では「万葉集」などにも詠まれ古くよりなじみのある植物ですが、現代ではその旺盛な繁殖力ゆえに嫌われ者となることが多いようです。この記事ではチガヤの生態や特徴をはじめ、効果的な駆除方法などをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.チガヤの特徴や生態
  2. 2.チガヤの防除が困難な理由
  3. 3.チガヤの防除方法①除草剤
  4. 4.チガヤの防除方法②防草シート
  5. 5.食用としてのチガヤ
  6. 6.漢方としてのチガヤ
  7. 7.チガヤと古典
  8. 8.チガヤの花言葉
  9. 9.まとめ

チガヤの特徴や生態

チガヤとは?

チガヤの基本情報

  • 学名:Imperata cylindrica Beauv.
  • 英名:Cogongrass
  • 科名:イネ科 (単子葉 多年草)
  • 別名:チバナ・ツバナ
  • 生薬名:ボウコン(茅根)
  • 漢字表記:一文字で茅(ちがや)、または茅萱。千茅ともいう。

チガヤの分布

北は北海道から南は沖縄まで日本全土に分布

チガヤは琉球列島を含む日本全土のみならず、アジア大陸中部以西、アフリカ、オーストラリアなどに広く分布しており、外来種として北アメリカにも帰化しています。道端や空き地、堤防や河川敷のような日当たりと水はけのよい場所で、綿毛に覆われた花穂をつけて群生しているので、名前を知らずともきっと一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

「外来種って何ですか?」

もとはその地域に存在しなかったのに、人為的に他の地域から入ってきた植物(生き物含む)のことだよ。帰化(植物・生物)というのは、外来種が勝手に野外で生育するようになった状態を指すよ。

チガヤの生態

チガヤの成長サイクル


(season)
桜のつぼみが膨らむ頃になると地下茎のふしぶしから一斉に芽を吹きます。
春の
終わり
茎は30〜80cmほどの高さになり、先端に円柱状で銀白色の花穂をつけます。種子が熟すと、種子の根もとにある無数の白い綿毛によって風に運ばれます。
初夏 葉が生育を始めます。
晩秋 地上部が枯れ始めます。
地上部は枯れ、地下茎は休眠状態に入ります。

チガヤの繁殖方法

チガヤの繁殖方法としてはタンポポのように種子を綿毛で飛ばす種子由来の繁殖と、地下茎での繁殖の二通りがあり、チガヤの大きな特徴となっています。圧倒的な猛威をふるうのは風に乗る綿毛ではなく、地下茎の方です。

チガヤの防除が困難な理由

理由①再生能力の高い地下茎

地下茎での根絶は困難

チガヤの地下茎は一見するとただの根っこに見えるのですが、複数の休眠芽を持つ根茎です。その根茎が地表近くを横へ横へと広範囲に這って伸びるので、地上部を刈取ってもその刈取った株元からたやすく再生します。また刈取った株周りの休眠芽からも多数の新しい芽が発生するので、刈り込み前よりも数や量が増えたように見えるのが特徴です。

理由②アレロパシーの分泌

他植物の成長を阻害する物質を分泌

チガヤが「難防除雑草」と呼ばれるほどに厄介な理由、地下茎による繁殖力はもちろんですが実はもうひとつ、地下茎から他の植物の生育を妨げる物質アレロパシーを分泌する*という生態が挙げられます。少量だから……とうっかり除草を怠ると他の雑草をも駆逐し、「庭がチガヤのひとり勝ち状態」なんて光景を見る羽目になるかもしれないのです。*アレロパシーを出す植物としてはナガミヒナゲシやセイタカアワダチソウも知られています。

地下茎で増えるその他の雑草たち

根茎による繁殖力の強さがチガヤの特徴とも言えますが、雑草といわれる植物の中には地下茎で繁殖するという特徴を持つものが意外と少なくありません。みなさんも「ヤブカラシ」や「ドクダミ」「スギナ」などいくつかの雑草がすぐに頭に浮かぶのではないでしょうか。

雑草の生態に合わせた防除を

地下茎で増える雑草を刈取って駆除する場合、一部でも根が残っているとたやすく再生するという特徴を持っているので、時間と体力が有り余ってでもいない限り、駆除方法としてはおすすめできません。ではどうすれば駆除できるのか? 効果的な防除・駆除方法を次にご紹介します。

チガヤの防除方法①除草剤

おすすめの除草剤(サンフーロン液剤)

土壌に成分が残らないグリホサート成分

除草剤の使用にはなんとなく不安があるという人にもおすすめなのが、「土に落ちた成分はすぐに薬効を失い、微生物により自然物に分解される」という特徴を持つグリホサート系除草剤のサンフーロンです。薬効成分を葉や茎から吸収し、根まで枯らすので防除困難な雑草にも効果があります。土壌に成分が残らないということは、散布後日を置かずに作物の植え付けが可能となるので大変便利です。

サンフーロンをおすすめする理由

「グリホサート」という成分はアメリカの化学メーカーが開発したもので、耳馴染みがある有名な除草剤「ラウンドアップ」に使用されていたものですが「特許」で保護される期間が経過したため、同成分(もしくは類似成分)のジェネリック品としていくつかの除草剤が安価に販売されています。このサンフーロンもそのひとつです。

サンフーロンの使い方(動画の紹介)

チガヤへの使用方法と注意点

  • 散布時期 5月~8月
  • 希釈倍率 50倍
  • 雨が1日降りそうにない(無風の)天気が良い日に散布
  • 通常2~14日で効果が発現し、効果完成までさらに日数を要す
【使用方法】
  1. 5ℓの水に100㎖のサンフーロンを入れ散布液をつくる
  2. 散布液をジョウロ(または噴霧器等)に入れ、チガヤの葉や茎にまんべんなくかかるよう散布する
  3. 日を置いて複数回散布することでより効果を発揮する

事前に準備するもの

  • 除草剤(ここではサンフーロン)
  • 噴霧器 なければジョウロでも可
  • 計量カップ
  • 帽子 マスク 花粉症用メガネ ゴム手袋など肌を防護するもの
サンフーロンHP チガヤ除草

チガヤの防除方法②防草シート

手っ取り早いのは防草シート

薬剤は極力使用したくないという場合はやはり防草シートを使うのが一番手っ取り早い方法です。ただし、チガヤのような強靭な雑草に対して織物素材や密度の低い不織布素材のシートを使うと芽が突き抜けることがあるので極力避け、繊維密度の高い製品を使うようにしましょう。

防草シートの正しい敷き方(動画の紹介)

防草シートを敷く前の注意点

シートを敷く前には必ずチガヤやその他の雑草を地下茎まですべて刈取ってからにします。※チガヤは長さ1cm・幅数ミリの根茎があれば再生します。シートはできるだけ5月の連休中か、遅くとも5月中には敷き終えるようにしましょう。近所にチガヤの群生地がある場合、チガヤの綿毛が飛来しますが、シーズン前にあらかじめ防草シートを敷くことで、飛来してきた綿毛(種)の発芽を抑えることができます。

食用としてのチガヤ

チガヤを食べることってできる?

チガヤはサトウキビの近縁種なので、地面近くでまだ葉鞘に包まれている若い花穂を噛むとほのかに甘味のある汁が出てきます。穂が葉鞘から完全に出る前の、すべすべの生まれたての赤子のような花穂を剥いて口に含んでみてはいかがでしょうか。(甘味は、ほのかなものです。)

食用には適さない

チガヤは若い穂の他に、根茎の新芽にも甘味があるといいます。しかし、食用として製品化されていないのをみると、手間暇かけて製品化するほどの魅力はないということなのでしょうね。ハーブとして親しまれているレモングラスのように、葉に爽やかな香りでもあればチガヤも違う活路を見いだせたと思いますが、こと「食べる」点では適さないようです。

ちまきの「ち」はチガヤの「チ」?

私たちが食べる「ちまき(糀)」といえば笹の葉でくるまれた和菓子をイメージしますが、平安時代にまで遡ると、笹ではなくチガヤの葉を巻いて食べるのが普通だったんです。なぜチガヤを用いたかというと、その時代におけるチガヤが「神聖」なもの、または「霊力」を持っているものと見なされていたからなんですね。

漢字に関しても現在の「粽」ではなく「茅巻き」の文字を当てていました。「茅巻き」の「ち」、一文字だけがかろうじて残った現代の「ちまき」は、それぞれの土地で様々な植物の葉で包まれ、時代とともに変化してきたようです。

漢方としてのチガヤ

食べることに関しては今までも、そしてこれからも大きな期待は持てそうにないチガヤですが、漢方では「利尿・止血・消炎」といった効能があります。薬用とする部分は根茎で、地上部が褐色に変わる晩秋に根茎を掘り上げ、細かいヒゲ根を取り除いたうえで陰干しにし、よく乾燥させて用います。

民間療法としてのチガヤ

漢方と同じように民間療法でも「利尿・むくみ・消炎」を目的として使用されます。

乾燥させた根茎10gを600㏄の水で火にかける
30分ほど時間をかけて約半量になるまで煮出す
煎じたものを一日3回に分けて飲むようにする

「食べることはできない」とはいえ、ここまで利用価値があるのなら十分ですよね。

チガヤの利用方法

さて、ここまで「駆除」だ「防除」だのとチガヤにとって風当たりの強い話をしてきましたが、万葉の昔から共にあった植物なのでこれからも末永く、良好な関係を築いていきたいものです。チガヤの生態を生かした様々な活用方法がすでに実現化されているので、ご紹介します。

土留としての利用

そのひとつが「土留」としての活用方法です。チガヤの地下茎をしっかり張り巡らし土を掴むという特徴を生かし、あぜ道や護岸のような傾斜した土地の土留として威力を発揮してもらおうというものです。実際に、今から30年以上も前に台風による被害で決壊してしまった小貝川(流域:栃木県、茨城県)の土手には、その後チガヤが植えられ今では見事に群生しています。

チガヤと古典

歌人にも愛されたチガヤ

2019年4月1日、平成に変わる新元号「令和」発表時に話題となった奈良時代の書物『万葉集』ですが、チガヤはじつに26首も詠まれているというから驚きます。他に『新古今和歌集』『日本書紀』『枕草子』『源氏物語』などの古典にも「茅(ちがや)」「浅茅(ちがや)」「茅花(つばな)」と名を変えて登場しています。日本人とチガヤがどれだけ密接に関わってきたのかをあらためて先達に教えられているような思いがします。

チガヤの花言葉

チガヤの花言葉は「子供の守護神」または「守護神」です。チガヤに花言葉なんて一見不釣り合いなようにも感じますが、これはチガヤのイメージにピッタリですね。生育環境次第では1m近くなるうえに綿毛で覆われた花穂をてっぺんに携えているのですから、これはもうどこからどう見ても子供の守護神だと言えるのではないでしょうか。「子供の守護神」、頼もしい限りです。

まとめ

チガヤの生態や効果的な防除・駆除方法、そしてチガヤと人との関わりについてご紹介しました。そのつき合いは意外に古く、密接だったことがおわかりいただけたと思います。もし今度の休日に河川敷を散歩することがあれば、風に揺れるチガヤの白い穂や、風に乗る綿毛を探してみてはいかがでしょうか?

cyokirator
ライター

cyokirator

時折思うんです。じつはこちらが植物に育てられているんじゃないかって……。

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