ミニバラってどんな花?
赤やピンク、黄色にオレンジと色とりどりの美しい花を咲かせてくれるミニバラ。花びらも一重咲きから八重咲きまでさまざまです。季節によって剪定方法が違うことを知っていますか?正しく剪定することで、美しい花を咲かせてくれるミニバラの特徴や剪定方法を紹介します。
ミニバラの基本情報
科目 | バラ科 |
属名 | バラ属 |
学名 |
Rosa hybrida
|
英名 | Miniature rose |
原産地 | アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、アフリカ |
水やり | 水を好む |
ミニバラの特徴
ミニバラは、ブッシュローズという木立ち性で、チャイナ系オールドローズの性質を受け継いでいるバラです。ミニバラといってもパティオローズなど大型の品種もあり、色や花びらの形もさまざまな種類があります。どの種類も日当たりのよさと水を好む性質です。
ミニバラの名前の由来
ミニバラは、ミニサイズのバラで「ミニバラ」というわけではありません。「ロサ・キネンシス・ミニマ」という中国で発見されたミニチュアローズと、ポリアンサ系などのバラを交配させたものをいいます。「ミニマ」の「ミニ」からミニバラと呼ばれているのです。
ミニバラの仲間
ミニバラはピンクや赤、黄色や白の他にも変わった色をもつ仲間の花があります。花びらの形も一重咲きや八重咲きなど種類も豊富です。また、ハンキングに向いている花や、開花とともに花びらの色が変化していく種類まで、さまざまなミニバラの仲間を紹介します。
グリーン・アイス
グリーンアイスという名の通り、花の色が薄ピンクから緑色へと変化します。花つきもよく、咲いた後の花持ちもいい種類なので初心者向けの種類のミニバラです。枝がしなやかで、ハンキングなどの壁掛けにしても楽しめます。
テディ・ベア
とてもかわいらしいテディベアの名前の通り、濃茶色のようなオレンジ色が特徴の花です。早咲きで次々と開花するので見応えがあります。開花とともに色が変化していき、最後は赤みを帯びた色になるので、長く色が楽しめるのが人気です。
リトル・アーチスト
半八重咲きが特徴のリトルアーチストは花つきがいいのが人気で、房になりながら育ちます。花持ちは短いですが、四季咲き性という咲き方をするため、次々と咲くので気になりません。うどんこ病や黒星病に耐性があるので初心者にも育てやすい花です。
ミニバラの育て方
ミニバラは上級者用の花と言われるほど育てるのが難しい花です。水のやり方も季節ごとに違ったり、虫や病気の被害に遭ってしまったり、他の植物と比べると世話がかかります。しかし、ポイントをおさえれば大丈夫です。そんなミニバラの育て方を紹介します。
用土
ミニバラに適した土質は弱酸性です。雨ざらしにしておけば自然に弱酸性の土になります。また、ホームセンターに売っているバラ用の土を利用してもいいですが、赤玉土6と腐葉土4に堆肥を混ぜて自前で作ることも可能です。
水やり
ミニバラは水を好むためたっぷりと水やりをすることが大切です。いつどのくらいあげるのかも重要で、春は1日か2日に1回の水やりでいいですが、夏場は1日に数回、暑い昼間は水が沸騰してしまうのでやめてください。冬は土が乾いた暖かい昼間に水やりをします。
植え替え時期
ミニバラは毎年植え替えるのが基本です。12月から2月の落葉期に行うのですが、多少葉が残っていても構いません。古い土をできるだけ落とし植え替えます。ただ、春に購入したばかりのミニバラは根詰まりを防ぐため、根鉢を壊さず植え替えるのが重要です。
植え替え場所
ミニバラは日光を好みます。日光がいつでもよく当たる場所を選び、最低でも半日以上はミニバラに日光が当たっていることが重要です。日光の当たっている時間によって花つきを左右するので、たっぷりと日光に当ててあげるときれいなミニバラがたくさん咲きます。
肥料
ミニバラが咲いている間はいつでも液肥を途切れないように与えることが重要です。またミニバラは他の植物とは必要な栄養素が異なるので、バラ用の固形肥料も共に与えます。2月は寒肥として堆肥を、9月には化学肥料を適量与えることがきれいなミニバラを咲かせるポイントです。
ミニバラの剪定方法
ミニバラは日常管理の延長でこまめに剪定を行うことが重要です。切り戻しといって伸びすぎた枝を切ったり、樹形を整えたりする大切な役割があります。また、風通しをよくすることでミニバラの病気を防ぐなど欠かせない作業です。いつどんな剪定をするのか紹介します。
剪定時期(春の剪定)
春に行う剪定は「花がら切り」や「つぼみ摘み」ともいわれます。春先に咲き終わった花を含めて、5枚葉の1cmほど上の部分の茎を切り取るやり方です。こうすることで、次に咲いてくる花の成長を促すことができ、きれいな花を咲かせる手助けになります。
剪定時期(夏の剪定)
ミニバラの枝全体を約半分ほどに切りそろえます。枝の長さや高さを均一に切り戻し剪定することで、秋に開花を始めた時のタイミングがそろいやすく、見た目がよくなるのでおすすめです。ただ、品種により適期が違うので注意してください。
剪定時期(秋の剪定)
秋に行う剪定は花がらを切ることが目的です。寒くなってきたら早めに花がらを切ることで、冬の強剪定に備えます。花をつけた枝を半分ほどの長さで切り落とすことで、ミニバラ全体が早めに休眠できるため、冬までの体力回復に役立ちます。
剪定時期(冬の剪定)
冬に剪定を行う必要があるのはミニバラの樹形を整えるためです。やり方は樹をどのような形にしたいのかイメージして枝を選び、古い茎を根本から切り戻します。残した枝は半分ほど切り詰めます。ほぼ葉がない状態にすることで、春に枝を伸ばす栄養を蓄える役目もあります。
ミニバラの病気と害虫
病気との戦いといわれるほどミニバラは虫やカビの被害を受けやすい花です。カビが原因の病気は、梅雨時や雨天時に雨の水滴とともに菌がつくことで発生します。また、アブラムシやハダニが葉や茎を食べてしまうこともあります。ミニバラのさまざまな病気を紹介します。
うどんこ病
ミニバラの新芽や葉が白く粉を吹いたようになる病気が、うどんこ病です。原因は菌が新芽や葉についてしまうことで、春や秋に発生しやすいので注意してください。殺虫剤や殺菌剤を使うと駆除や予防ができるので、早めの対策が必要です。
チュウレンジハバチ
外から飛んでくる害虫のチュウレンジハバチは、初夏から秋にかけて発生します。茎の間に卵を産み付けるのが特徴で、そのため茎は割れてしまい、葉を幼虫が食べてしまうのです。防虫ネットを利用したり、殺虫剤を散布して駆除してください。
アブラムシ
アブラムシがミニバラについたまま放っておくと、花が枯れてしまいます。アブラムシがミニバラのつぼみや葉っぱの樹液を吸ってしまうのが原因です。春と秋に発生しやすいので、殺虫剤を早めに散布して予防を心がけてください。
ハダニ
ミニバラの葉があっという間に落ちてしまうのはハダニが原因です。ハダニが発生してしまうと新芽も伸びなくなります。ミニバラの成長期に乾燥が続いてしまうと、ハダニが発生しやすいので注意が必要です。ハダニは殺虫剤で駆除してください。
ミニバラの花言葉
ミニバラの花言葉は「果てしなき愛」「無意識の美」「特別の功績」です。バラは愛と美の象徴といわれ、古くから人々に親しまれています。ミニバラも気品漂うバラのイメージ通り、愛と美にまつわる素敵な花言葉がついています。
まとめ
色も種類も豊富でかわいらしいミニバラ。そんなミニバラの育て方や剪定方法について紹介しました。水やりや切り戻し剪定など手間のかかるミニバラですが、そのぶん美しく咲いてくれる喜びがあります。ぜひ魅力的なミニバラを育ててみてはいかがでしょうか。