イングリッシュローズとは?
デビッド・オースティンが作出
1961年にイギリスのデビッド・オースティンが育苗した「コンスタンス・スプライ」というバラが発売されました。これがイングリッシュローズの誕生です。オールドローズとモダンローズを交配して作り出されたバラは、オールドローズの優しい美しさと香りの良さに、モダンローズの四季咲き性と豊富な色彩を併せ持つ、優れた特性を持っています。このデビッド・オースティンが作り出すバラの種類をイングリッシュローズと呼び、今に至るまで世界中のバラ愛好家から高い人気を集めているのです。
花が美しい
イングリッシュローズの最大の魅力は、オールドローズの系統を引き継ぐ綺麗な花姿です。咲き始めは少女のような初々しさで、幾重にも重なった花びらが咲き開くとともに豪華さを増していきます。優しくて柔らかい花の雰囲気は、見る人を惹きつけてやみませんね。
芳醇な香り
花の美しさとともに、種類豊富で濃厚な香りもイングリッシュローズの特徴の一つです。オールドローズのクラシックな香りを受け継いだ種類、ミルラ系、ムスク系、ティーローズ系などの豊かな香りの種類、またフルーツ系のさわやかな香りの種類と、それぞれ素晴らしい香りがあります。
育てやすい
イングリッシュローズは生育もよく、地植えはもちろん、鉢植えにも向いています。背丈も120~150cmほどの高さなので、花壇の前方に植えても、ほかの植物の邪魔になることもなくうまく調和します。また、つるバラのようにどんどん伸びていく種類もあるので、アーチやフェンスで見栄え良く咲かせることもできますよ。深く剪定しても翌年の春にはたくさん新芽を出してぐんぐん伸びるので、剪定で失敗することもありません。
病気に強い
バラがよくかかる病気に、黒点病やうどんこ病があるのですが、イングリッシュローズはそのどちらにも耐病性があるので安心です。できるだけ無農薬で育てたい、という方にもおすすめですね。しかも毎年品種改良されて、病気に強い性質を強化した新しいバラが次々と発売されています。
白色のイングリッシュローズおすすめ品種
クレア・オースティン
最高品種の白バラ
クレア・オースティンは綺麗なカップ咲きで、丸みのある花びらが重なり合い美しい円形に咲きます。香りも濃厚で、甘い中にスパイシーさがあるミルラ系の香りです。蕾は淡いレモン色で、開くにつれて純白に変化します。デビッド・オースティンがこのバラを白バラの最高品種と称え、自分の娘の名前をつけたのもうなずけますね。樹高は1.5~2.5mまで伸びるので、つるバラとしても人気の高いバラです。
トランク・ウィリティー
美しい純白のバラ
トランク・ウィリティは美しいロゼット咲きで、花びらが幾重にも綺麗に並ぶのが特徴です。つぼみはクリーム色ですが、咲き開くと真っ白になり、イングリッシュローズの中でも特に美しい花の代表格とされています。香りはそんなに強くはありませんが、ほのかにリンゴのような甘酸っぱい香りがします。オールドローズのような柔らかい葉で、とげも少なめです。樹高は1.25mであまり高くならないので、花壇の前方に植えても大丈夫ですよ。
ウィリアム・アンド・キャサリン
ウィリアム王子の結婚を祝したバラ
ウィリアム・アンド・キャサリンは典型的なカップ咲きで、中央に細かい花びらが重なって丸みを帯びるオールドローズの花の特徴をそのまま引き継いでいます。花は気品のある純白で、小さめの葉も美しいバラです。香りはほのかなミルラ系、樹高は1.25mでコンパクトにまとまります。このバラはイギリスのウィリアム王子とキャサリン妃の結婚をお祝いして、お二人の名前が命名されました。まさにウィリアム・アンド・キャサリンは王室の気高さが漂う白バラですね。
黄色のイングリッシュローズおすすめ品種
グラハム・トーマス
殿堂入りの最も有名なバラ
グラハム・トーマスは2000年にバラの殿堂入りをするほど有名なイングリッシュローズで、誰もが育ててみたいと憧れる人気の高いバラです。咲き始めはオレンジ色のような濃いイエローで、咲き開くにつれ柔らかい色合いに変化します。花の形は綺麗なカップ咲き、濃厚なティー系の香りがして、まさに英国らしいバラです。樹高は1.25~3.5mまで伸びて、つるバラとしても利用できます。
ゴールデン・セレブレーション
大輪で華やかさがあるバラ
ゴールデン・セレブレーションの花の色は金色のような濃い黄色で、大輪の花が華やかな雰囲気をかもしだします。まさにゴールデン・セレブレーション(金色のお祝い)という名前がぴったりのバラですね。美しいカップ咲きで、香りはティー系から徐々にシトラスのようなフルーティーな香りに変化します。樹高は1.25~3m、枝が細くて花がうつむきがちになるので、つるバラにしてアーチなどで下から眺めるのにも適したバラです。
ザ・ピルグリム
黄色の濃淡が美しいバラ
ザ・ピルグリムは細かい花びらが綺麗に重なり合うロゼット咲きで、とても優しい雰囲気があるバラです。花の色は中心は濃い黄色ですが、外側はだんだん淡く白っぽいレモン色に変化して、グラデーションの美しさを楽しむこともできます。ピルグリムは巡礼者の意味があって、チョーサーが書いた「カンタベリー物語」にも巡礼者が登場します。イギリスの国民的抒情詩に名前が由来しているということですね。ティー系とミルラ系が混ざり合ういい香りで、1.5~3mまで伸びるのでつるバラにもなります。
アプリコット色のイングリッシュローズおすすめ品種
グレイス
最も優美な花姿のバラ
グレイスの花びらは先端が少しとがった形で、最初はカップ咲きですが開くにつれてロゼット咲きになります。綺麗な咲き方で、多くのイングリッシュローズの中でも特に花びらの美しさが際立ったバラと言えます。まさにグレイス(優美)という名前がぴったりではないでしょうか。病気にも強くてよく返り咲きするので育てやすいバラです。1mほどの低い位置でコンパクトにまとまる性質なので、花壇の前方に植えることもできますよ。
レディ・オブ・シャーロット
初心者におすすめのバラ
レディ・オブ・シャーロットは病気にも強くて育てやすいので、バラは初めてという初心者の方にもおすすめです。咲き始めは濃いオレンジ色のカップ咲きで、開くとともに花びらの色が柔らかいアプリコット色に変わっていきます。そして花びらの裏側は綺麗な金色がかった黄色になるので、光が当たって花びらが透けるとグラデーションが美しい花色です。香りはティー系の中にスパイシーな香りがして、樹高は1.25mと低めにまとまります。
スウィート・ジュリエット
純粋な愛を感じさせるバラ
スウィート・ジュリエットはその名前から、誰もが「ロミオとジュリエット」の物語を連想するのではないでしょうか。まさにその通り、スウィート・ジュリエットは愛にあふれた純粋な女性のイメージがぴったりなバラです。やわらかなアプリコットピンクの花色は初々しく、綺麗なロゼット咲きの花が何度も返り咲きします。香りは最初はレモンのようなフルーティー系で、徐々にティー系の香りに変わっていきます。1.2mほどの高さでコンパクトにまとまるので、庭の前方や鉢植え向きです。
<コンスタンス・スプライ>