王侯貴族の名を冠したバラは注目の的
バラは古くから品種改良が進められ、園芸品種が数多く生まれてきた植物です。広く販売される園芸品種には、さまざまな名前がつけられています。名前の由来や意味は品種によって異なり、実在する人物の名前がつけられることも多いです。特に日本の皇室、世界の王族や貴族など、特別な地位や立場にある人物の名前がつけられたバラは、バラ愛好家だけではなく、プロのバラ育種家からも注目されています。
王族や著名人のバラが注目される理由
皇室や王侯貴族のように、特別な地位や立場にいる人物の名前がつけられるバラは、ただでさえ人々の記憶に残ります。また、生誕や戴冠などの祝いごとのために特別に選抜・育種される品種もあり、自然に注目度が増します。注目されるぶん、見た目も品質も最高クラスのものが求められるのです。
皇室や王族の名前がつけられたバラは「外れなし」といわれるほど、優秀な品種がそろっているんですよ。
皇室や王侯貴族の名前を冠したバラには、育てやすくて人気がある品種も多いんだ。だから初心者にもおすすめなんだよ。
皇室の名前を冠したバラ5選
皇室のバラ①プリンセスミチコ
【バラ苗】 プリンセスミチコ 大苗
参考価格: 2,675円
プリンセスミチコは1966年に作出されました。ほのかな香り、鮮やかなオレンジの花色、半八重咲きの花形を特徴としています。種類は「フロリバンダ」という中輪花を房咲きに咲かせるバラです。樹高1.2m、開花時期になると7cmほどの大きさになる花を咲かせます。丈夫で育てやすく、初心者にもおすすめの品種です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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由来となった人物の歴史
プリンセスミチコは、当時は皇太子妃であった美智子上皇后陛下に捧げられたバラです。美智子上皇后陛下は1934年に実業家の正田英三郎氏の長女として生まれ、1959年に当時の皇太子であった上皇陛下に嫁がれました。民間出身の女性が皇太子妃となったのは明治時代以降初めてのことで、当時は大変な話題となりました。
皇室のバラ②エンプレス・ミチコ
エンプレス・ミチコ(大苗)7号鉢植え
参考価格: 6,974円
エンプレス・ミチコは1992年に作出されました。バラの種類はハイブリッドティー系です。淡いアプリコットピンクの花色に、端正な半剣弁高芯(はんけんべんこうしん)咲きの花形を特徴としています。樹高1.1mで花の大きさは7cm~8cmの中大輪、香りは弱めですが、花つきがよくコンパクトに育つ品種です。上品な雰囲気で人気が高い品種でもあります。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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由来となった人物の歴史
エンプレス・ミチコは、プリンセスミチコと同じく美智子上皇后陛下に捧げられたバラです。「エンプレス(Empress)」は英語で「女帝」または「皇后」を意味します。プリンセスミチコを作出したイギリスの育種会社ディクソンが、美智子上皇后陛下が1989年に立后されたことを祝い、エンプレス・ミチコを捧げました。
皇室のバラ③マサコ(エグランタイン)
バラ 苗 エグランタイン
参考価格: 32,780円
マサコはイギリスのローズブランドであるイングリッシュローズのひとつで、英語名を「エグランタイン」といいます。1994年に作出されました。繊細なオールドローズ香に、花色は透明感のあるソフトピンクで大きさは10cm、ロゼット咲きの優雅な花と、直立型でよく茂る樹形を特徴としています。樹高は150cm~180cmと高めですが、耐寒性と耐病性が高く、初心者にもおすすめの品種です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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由来となった人物の歴史
マサコの名前は、1993年に執り行われた当時の皇太子殿下と雅子妃殿下、つまり現在の天皇陛下と雅子皇后陛下の御成婚にちなんだものです。雅子皇后陛下は美智子上皇后陛下と同じく民間出身の女性で、成婚前は外務省職員でした。英語名のエグランタインは「セーブ・ザ・チルドレン基金」を設立したエグランタイン・ジェブ氏にちなんで名づけられました。
皇室のバラ④ロイヤル・プリンセス
ロイヤル・プリンセス(大苗)
参考価格: 5,874円
ロイヤル・プリンセスは、2002年に作出されました。種類はハイブリッドティーですが、花びらが多く重なる花形のため、オールドローズのようなおおらかな雰囲気があります。やわらかなクリームホワイトの花色とフルーティーな強い香りが特徴で、開花時期になると12cmの大きさにもなる、見事な大輪花を咲かせます。樹形は1.3m~1.5mとやや高めです。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ロイヤル・プリンセスは強健で育てやすい優秀な品種です。第8回ぎふ国際ローズコンテスト銅賞も受賞しました。
花つきは少ないけど大輪だから一輪でもボリュームがあるんだ。3本~5本を切り花にしても、十分見応えがあるよ。
由来となった人物の歴史
ロイヤル・プリンセスはフランスのバラ育種会社メイアン社が作出し、敬宮(としのみや)愛子内親王殿下に捧げられたバラです。愛子内親王殿下は2001年に天皇陛下と雅子皇后陛下の第一子として誕生されました。
皇室のバラ⑤プリンセス・チチブ
プリンセス・チチブ(大苗)
参考価格: 5,874円
プリンセス・チチブは1971年に作出されました。種類はフロリバンダですが、花の大きさは7.5cm~10cm、樹高は0.9m~1.4mとやや大きめの品種です。中心部は淡いオレンジ、縁は紫がかったローズピンクという複雑な花色を特徴としています。特に秋は深みが増して、より美しい色を見せます。生育旺盛で耐病性があるため、初心者にも育てやすく、おすすめの品種です。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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通販サイトではプリンセス・チチブの春花と秋花の画像を同時に掲載し、花色の違いを見せている場合があります。
由来となった人物の歴史
プリンセス・チチブはイギリスの育種会社ハークネスが故秩父宮勢津子(ちちぶのみやせつこ)妃殿下に捧げたバラです。勢津子妃殿下は、父は旧会津藩主・松平容保の息子、母は旧佐賀藩主・鍋島直大の娘という名門に生まれ、のちに昭和天皇の弟・秩父宮雍仁(やすひと)親王殿下の妃となりました。
ボタニ子
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出典:写真AC