ガガンボとは
ガガンボは双翅目ガガンボ科に属する昆虫で、日本国内でも多くの種類が確認されています。大きな蚊のような見た目ですが、ガガンボによる虫刺されの害はありません。大きさの割には体がもろく、寿命も10日くらいと短いため、どちらかと言えば弱い昆虫の部類に属します。
ガガンボの別名
ガガンボはその見た目や生態などから、地方により「大蚊」「カトンボ」「アシナガトンボ」「カゲロウ」「ショウジハリ」などの別名で呼ばれています。また英語では、その見た目から「clane fly」や「Daddy longーlegs(あしながおじさん)」となどと呼ばれています。
ガガンボは世界中にいる
ガガンボは日本国内だけでなく世界中に生息しており、その種類数は15000種類以上とも言われています。日本に生息する種類だけでも700種類以上と言われており、「キリウジガガンボ」や「ミカドガガンボ」「ベッコウガガンボ」などといった種類がよく見かけられます。
ガガンボの生態
分類上は蚊に近い存在であるものの、ガガンボの生態は蚊と同じ部分もあれば異なる部分もあります。主な活動時期が夏である点は蚊に近いのですが、成虫は花の蜜を主食とし人の血を吸うことがない点は異なります。見た目の大きさも、蚊と全く違うところも明確です。
活動時期
ガガンボの活動時期は種類にもよりますが、蚊と同じように春先から夏にかけての暖かい季節です。オスはメスよりも早く卵から孵化して幼虫から成虫になり、メスを待ちます。生まれて交尾をして死ぬまで、ほんの短い時間のはかない命なのです。
産卵場所
ガガンボの主な産卵場所は、水中や草むらなどが挙げられます。ガガンボのメスは水中や湿地、あるいは林の中の湿ったコケ類などに産卵管を差し込んで卵を産みます。見た目が似ている蚊の幼虫は少量でも水が必要なのに対し、ガガンボの幼虫は土の中でも生きられるのが大きな違いです。
ガガンボは害虫なのか?
ガガンボは見た目が蚊と似ているものの、蚊のような虫刺されによる被害はまずありません。したがって一般家庭ではほぼ無害です。しかし、ガガンボの幼虫が稲を食い荒らす点や、24時間稼働している工場では異物混入の原因となる点が害虫として扱われている理由です。
ガガンボは人を刺す?
中には「ガガンボに刺された」と訴える人もいますが、ガガンボとは全く別の人を刺す習性にある昆虫と勘違いしている可能性があります。例えば、アメバチやジカバチなどの仲間などは飛び方や見た目がガガンボと似ているため、それらに刺されると「ガガンボが刺した」と勘違いするケースなどが考えられます。ガガンボによる虫刺されはないと覚えておきましょう。
ボタニ子
ガガンボの駆除方法
ガガンボの駆除方法は多くあります。ここでは、具体体にどのような駆除方法があるのかを見ていきましょう。
薬剤の利用
薬剤を利用してガガンボを駆除する場合、成虫と幼虫で生態や棲む環境が異なるため、駆除に使う薬剤も異なります。成虫にはスプレー剤、幼虫には粒剤や液剤をそれぞれ用いるのが一般的です。
成虫の駆除
一般的な家庭が成虫を駆除する場合であれば、ドラッグストアなどで販売しているハエ・蚊用の殺虫剤で駆除できます。また、網戸などに吹きかける忌避スプレーや、窓や玄関などに吊り下げ虫の侵入を防ぐタイプの薬剤なども有効です。
幼虫の駆除
稲や畑などを荒らす幼虫の場合でしたら、ダイアジノン剤が効果的です。適用害虫の記載には、ネキリムシ類やコガネムシ類の幼虫などが記載されていますが、キリウジガガンボの幼虫にも効果的であると言う論文報告もあります。
薬剤を利用しない方法
ガガンボが家などに入ってきた場合は、新聞紙やスリッパなどを使い叩き落すだけで駆除できます。直接手で駆除するのが嫌だという人は、ガガンボが入ってこないようにしましょう。遮光カーテンの利用や、玄関など扉の開け閉めをするのが多い場所の明かりをつけないことでも防げます。
電気殺虫器
ガガンボの光に寄って来る習性を利用して電気殺虫器で駆除する方法もあります。一般家庭の場合は、玄関から少し離れた場所に置くと、家にガガンボが侵入する前に駆除することも可能です。また、ガガンボだけでなく、同じ習性を持つ他の虫も駆除できるメリットもあります。
水回りの掃除
ガガンボは水の多い場所にも発生します。したがって、一般家庭ではお風呂などの排水溝をきれいに掃除しておくのも効果的です。家回りの側溝をきれいに掃除する場合は、市販のボウフラ駆除剤を併せて使うのもおすすめです。また、側溝などの掃除は蚊の発生も防げるため、一石二鳥の効果と言えます。
ボタニ子
水中や水辺を好む害虫は多くいるよ。排水溝や側溝は、定期的に点検しておくのがよさそうだね。
まとめ
ガガンボは血を吸うといった蚊のような害を人に与えませんが、その大きさと蚊に似ている見た目などから、一般的には不快な害虫として扱われます。実は寿命が短く、もろくはかない虫であることも特徴です。駆除をするときはガガンボの生態を把握し、適切な駆除を行うように心掛けましょう。
人には攻撃してこないんだね。見た目のせいで、ガガンボは損をしているような気がするね。