ハブランサスの育て方
ハブランサスは常緑の多年草植物で、病気・害虫にもほとんどかかりません。そのため、一度植え付けて葉がつけば、その後何年も枯れることなく育てることができます。球根を植え付けてから開花するまでの、上手な育て方や管理のコツとして、水やり、肥料、植え替え、切り戻しの4点について詳しくご紹介します。
水やりの仕方
植え付け後しばらくは、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりをしましょう。乾燥しすぎると枯れることがありますので、水切れに注意してください。冬場の水やりは控えめに行います。庭植えの場合は、根が張れば基本的に水やりの必要はありません。夏場に雨が降らない日が続くようであれば、水やりをする程度で十分です。
肥料の与え方
球根を植え付ける際に、元肥として緩効性化成肥料を混ぜ合わせておきますが、追肥を与える必要はほとんどありません。与える必要があれば、庭植えで育てる場合は、秋頃に一度、化成肥料を置き肥します。鉢植えで育てる場合は、春と秋の年二回化成肥料を株元に置き肥します。
植え替えのタイミング
植え替えに適した時期は、3~4月頃です。ハブランサスの植え替え頻度はかなり少なく、3~5年は植えっぱなしのほうがよく育ちます。球根が混み合い、花があまり咲かなくなったと感じたら植え替えをします。目安としては、庭植えの場合は5年に1度、鉢植えの場合は3年に1度の頻度で行います。
切り戻しをする方法
花がら摘みを兼ねた切り戻しが必須!
切り戻しとは、植物の伸びすぎた部分を短く切り、大きさや形を整えることです。葉や茎に関しては、大幅な切り戻しは必要ありません。ハブランサスの花は、1年に何度か咲く時期がきますが、朝咲いた花はその日のうちにしおれてしまいます。種を採取する予定がなければ、咲き終わった花はなるべく早く、花がら摘みを兼ねた切り戻しをしましょう。花が咲いた時は、こまめに切り戻しを行うことで、株の負担を減らすことができ、花つきがよくなります。
育て方の注意点
ハブランサスは常緑ですが、冬の寒さが厳しくなる地域では、寒さに弱い品種は地上部が枯れることがあり、地上部が枯れて葉が落ちると、休眠状態になります。休眠した時の対応策は、庭植えで育てている場合は、球根を掘り上げて春まで室内で保存し、鉢植えで育てている場合は、室内に取り込み、水やりをせずに管理します。休眠を予防する方法は、寒冷地では寒さに強い品種を植え付けることや、事前に株元にマルチングなどをして防寒対策をしておくこと、早めに球根を掘り上げて保存をしておくことが挙げられます。
ハブランサスの増やし方
ハブランサスは自然分球で毎年増えていくこともあるほど、増やしやすい植物です。ハブランサスの増やし方には、分球で増やす方法と、種まきをして増やす方法の2種類があります。種まきをして増やす方法は、種の保存ができないことや、種が発芽するまでの管理が難しいこと、発芽してから花が咲くまで2~3年はかかることから、あまり主流ではありません。ここでは、分球と種まきのそれぞれの増やし方について詳しくご説明します。
分球での増やし方
分球での増やし方に適した時期は3~4月頃で、植え替えを兼ねて行います。植え替えは3~5年に一度の頻度で行ってください。葉が落ちないため、掘り上げの時期を見極めるのは難しいですが、葉をつけたまま掘り上げます。球根の親球の横に、新しく小さい子球がくっついていれば、親球と子球を切り離して増やします。根についた古い土をていねいに落としてから、それぞれ植え付けましょう。
種まきでの増やし方
ハブランサスの種の採取方法
ハブランサスは、咲き終わった花から種を採取することができます。花が咲き終わった後も、切り戻しせずにしばらく花をつけたままにしておくと、莢(さや)が茶色に変色してくるのが分かります。莢の中から黒い種が見えてきたら、種を採取します。採取するタイミングが早いと、種が完全に成熟できておらず、発芽しない可能性があります。また、採取した種は乾燥すると発芽しにくくなるため、種を保存することはできません。種を採取したら、すぐに種まきをしましょう。
種まきの手順と注意点
種を採取したら、すぐに土の上に種まきをします。ハブランサスの種は軽くて薄いため、風で吹き飛ばないように、まいた種の上から、土をごく薄くかぶせるようにしてください。ハブランサスの種の発芽温度は15℃です。15℃よりも低い気温では発芽しないため、種まきは気温が15℃以上の時期におこないます。種まきをしてから発芽するまで2~3週間ほどかかります。株が大きく成長するまでは、日当たりのよい場所で水切れに注意して管理をしましょう。特に発芽するまでの間は、慎重に管理してください。花が咲く大きさの球根に成長するまで、2~3年ほどかかります。
まとめ
ハブランサスの育て方について詳しくご紹介しました。日当たりのよい場所に植えれば手間をほとんどかけずに花を咲かせられる育てやすさと、「優美」の意味を持つ花の美しさから園芸として人気の植物です。地域によっては寒さ対策が必要な品種もあるので、育てる地域の環境にあわせて対策をして、育ててみてはいかかでしょうか。
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出典:写真AC