たけのこの旬とは
たけのこが市場に出回る季節がやってくると、「春が来たな。」と感じる方も多いのではないでしょうか?食物繊維も豊富なたけのこを、上手に食べたいと思いませんか。まずは、たけのこの旬、食べられるシーズンをみていきましょう。
そもそも「たけのこ」とは
たけのこは、竹の若芽です。つまり、文字通り「竹の子」になります。まだやわらかい若芽のうちに取ってしまわないと、すぐに竹になってしまいます。芽が出る時期にいっせいに取ってしまわないと、竹林の所有者も、竹が増えすぎて困ってしまうというわけです。
たけのこの種類
たけのこにはいろいろな種類がありますが、食用たけのこで、最も食べられているのが、「孟宗竹」という種類です。孟宗竹が春に出荷されるので、春の食べ物と思われがちですが、他のシーズンに採れるたけのこもあります。
梅雨時期や秋も?たけのこの食べられる季節
食用たけのこは何月に収穫され、どんな種類があるのでしょうか。簡単に説明したのが、下の表です。
名称 | 収穫時期 | 主な産地 | 特徴 |
孟宗竹 | 春 | 全国(九州産のものが多い) | 太く、やわらかい。 |
四方竹 | 秋 | 高知 | 細く、にがみがある。 |
根曲がり竹(姫竹) | 5・6月 | 東北・北海道・山陰地方 | アスパラガスに似ている。アクが少ない。 |
大名たけのこ | 5・6月 | 九州南部 | 昔は大名しか食べられなかった高級品。 |
真竹 | 5・6月 | 全国 | 黒い斑点がある。皮がつるんとしている。 |
淡竹(はちく) | 4・5月(孟宗竹の後) | 全国 | 先が緑色。市場にはあまり出ていない。 |
たけのこ収穫の時期
4、5月頃がたけのこの主な収穫時期ですが、淡竹など、孟宗竹の収穫シーズン後に採れるたけのこもあります。また、秋が収穫期の四方竹もあります。収穫量は少ないですが、春の収穫シーズン後も、たけのこを取りに出かけられそうですね。
旬は列島横断?
竹は温かい環境で育ちます。そのため、たけのこの旬も、南から北上していきます。日本一収穫が早いといわれる「さつまたけのこ」は、10月頃に出荷されるそうです。九州地方のたけのこの収穫は、だいたい11月くらいから始まります。京都では2月、静岡で4、5月です。
「たけのこ」といえば京都
たけのこから京料理を連想する方もいるのではないでしょうか。現在では収穫量こそ多くありませんが、京都は、日本の孟宗竹の発祥の地と言われています。孟宗竹は中国の江南地方発祥といわれていますが、そこから京都の現在の長岡京市にやってきました。
たけのこの保存方法
「筍」と書くたけのこですが、掘ったまま置いておいては、すぐに食べられなくなってしまう「旬」が大事な食材です。いつまでに食べればいいのでしょうか。
基本は「すぐゆでる」
あく抜きの必要のない種類もありますが、基本的にたけのこは、すぐに穂先を切り落とし、外側の皮を取って、あくを抜く必要があります。あく抜きには、米ぬかと赤唐辛子を用います。米ぬかがないときは、無洗米でない、洗う前の生米や米のとぎ汁で代用できます。
たけのこのあく抜きに必要なもの
- 米ぬか(ないときは、洗う前の生米や米のとぎ汁でも代用できる)
- 鷹の爪
- たけのこがすっぽり入るくらいの大きな鍋と水
外側の皮を2、3枚取った後、縦に切れ込みを入れるとよいでしょう。鍋に上の材料を入れ、落し蓋をして、たっぽりのお湯で、最初は強火で、その後は吹きこぼれないように火を弱め、竹串が通るくらいまでゆでます。
旬を味わうなら
たけのこの旬の味を楽しむには、冷蔵庫に入れるだけではなくて、必ず新鮮な水に入れて保管する必要があります。あく抜きして、ぬかを洗い落としたら、たっぷりの水に入れ、密閉容器に移しましょう。水は毎日替えてあげます。保存状態にもよりますが、この状態で、いつまでも持ちません。一週間以内には食べきるようにしましょう。
長期保存も可能
たけのこをいっぱいもらってしまったり、買ってしまったりして、どうしても食べきれない、というときもあるでしょう。そんなときは、手間をかければ長期保存も可能です。いろいろな方法がありますが、塩を使った方法を紹介します。たけのこの水分を十分に切り、塩で完全にくるみ、密閉容器に入れます。直射日光のあたらない場所で保存します。うまくすれば、一年間もつ方法です。
ボタニ子
ひと手間かければ、たけのこがいつまでも食べられるなんて、うれしいな。
食べる前には、しっかり塩分を抜こうね。
旬のたけのこの美味しい食べ方①
適度な歯ごたえがあるたけのこは、ゆでても、焼いても、煮ても美味しいですね。他の季節でも食べられるたけのこですが、やはり春には季節感を出す食材としてうってつけです。いろいろな料理がありますが、その一部をご紹介します。
たけのこご飯
色どり鮮やかなたけのこご飯
たけのこご飯の材料(米2合分 )
- だし汁 大さじ1
- しょうゆ 大さじ2
- みりん 大さじ1
- たけのこ 100gくらい
- 鶏肉 100gくらい
- にんじん 3,4cm(お好みで)
- ゴボウかしめじ にんじんに合わせる
- 油揚げ 2分の1枚くらい
- こんにゃく 適量(なくてもよい)
具だくさんたけのこご飯の作り方
- ゴボウはささがけする。
- 油揚げは熱湯をかける。
- こんにゃくがあれば、下茹でをし、水気を切る。
- 具材はすべて食べやすい均等な大きさに切る。
- 2合分のお米を洗って炊飯器へ
- 調味料を入れる
- 2合分の目盛りの位置まで水を足す
- 具材をお米の上に均等において、炊飯する。
油揚げといっしょに
冷めてもおいしい煮物料理
たけのこと油揚げの煮物の材料
- たけのこ 好きなだけ
- 油揚げ たけのこと同じくらい
- みりん 適量
- しょうゆ 適量(みりんと同じくらい)
- 砂糖 適量(みりんと同じくらい)
- 塩 少々(なくてもよい)
たけのこと油揚げの煮物の作り方
- たけのこを食べたい分だけ、食べやすい大きさに切る。
- 油揚げを、たけのこと同じくらいの分量で、少し大きめに切る。
- 1,2を鍋に入れる
- みりん、しょうゆを鍋の上から2周くらい回しかける。
- 砂糖をみりんやしょうゆと同じくらいの分量入れる。
- お好みで塩を少々入れる。
- 材料がかぶるくらいの水を入れて、落し蓋をする。
- 煮汁がなくなるまで煮る。
旬のたけのこの美味しい食べ方②
ここでは、四方竹の食べ方をご紹介します。他のたけのこよりもアクのまわりやすい四方竹は、長い間、産地以外での消費が難しいものでした。その分、産地で美味しい郷土料理の具材になったのかもしれません。少し苦味があり、孟宗竹とは違う食感が楽しめます。
四方竹の土佐煮
秋に採れるたけのこ、四方竹の土佐煮の紹介です。土佐煮とは、かつお節のうまみをきかせた煮物のことです。かつお節を炒って、煮物の最後にふりかけます。
たけのこの土佐煮の材料
- たけのこ 150gくらい
- かつお節 1カップくらい
- こんにゃく 70gくらい
- 砂糖 大さじ2
- みりん 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
- お酒 大さじ1
- 水 1カップくらい
たけのこの土佐煮の作り方
- たけのこを食べたい分だけ、食べやすい大きさに切る。
- こんにゃくは下茹でする。
- 調味料を合わせる。
- 1,2,3と水を鍋に入れ、落し蓋をして弱火から中火で煮る。
- 別の鍋でかつお節を炒る(焦がさないように)。
- 煮汁が少なくなった4に5を入れ、混ぜる。
旬のたけのこの美味しい食べ方③
根曲がり竹の美味しい食べ方の紹介をします。根曲がり竹は笹の若芽で、竹ではありません。それでも、竹の育ちにくい、東北や北海道などの寒い地域で育ち、たけのことして調理できるのですから、ありがたい食材です。他にも、雪の多い信越や山陰地方でも採られ、親しまれています。
姫竹のたけのこ汁
根曲がり竹は山陰地方では「姫竹」とも呼ばれています。根曲がり竹(姫竹)のたけのこ汁の紹介です。信越地方の郷土料理です。
姫竹のたけのこ汁の材料
- 根曲がり竹(姫竹) 好きなだけ
- さば缶 一つ
- かつお節や昆布などのだし 適量
- 味噌 適量
- お好みの味噌汁の具材(なくてもよい)
姫竹のたけのこ汁の作り方
- 姫竹に縦に切り込みを入れ、皮を取る。(姫竹はあく抜き不要です。)
- 1を硬いところを切り落としながら、1センチ幅ほどに切る。
- 姫竹をゆでる。
- 味噌汁のだしをとる。
- 姫竹とさば缶以外の具を入れるのなら、切る。
- とっただし汁に、ゆでた姫竹とさば缶、他の具を入れる。
- 具が柔らかくなったら、火を止め、味噌を入れる。
ボタニ子
レシピは家庭によって、いろいろあるみたいだよ。
まとめ
いかがでしたか。保存方法とたけのこの旬を知っておくと、たけのこ料理をもっと楽しむことができそうです。美味しいたけのこが、何月でも食べられるようになるかもしれません。
出典:写真AC