らっきょうの栽培②肥料
らっきょうは用土の種類に関係なくよく育ちますが、肥料は用土のタイプにあわせて選ぶのがポイントです。らっきょうは肥料の吸収力が強い植物で、粘土質の用土の場合は肥料がなくても十分に育ちます。ただし、砂質の用土や気温が高い地域では、乾燥防止や肥料の効果を持続させるために、植え付け前の用土に肥料を混ぜておくのがおすすめです。
定期的な追肥は必要
植え付けから収穫まで約1年かかるらっきょうは、定期的に追肥を行うことが栽培方法の基本です。追肥のタイミングはらっきょうの生育状況を見ながら判断します。「植え付けから1か月後」「茎が長く伸びてきた頃」「収穫する球が土の中で大きく成長する時期」の3回が追肥を行う目安です。
追肥と土寄せはセットで行う
質のよいらっきょうを育てるための栽培方法で忘れていけないのが、追肥後の土寄せです。土の中で種球が分球し、分球した球が大きく成長することで質のよいらっきょうができます。しかし、土の表面に球が出てしまうと球は緑色に変色するため質が落ちてしまうのです。そのため、追肥に合わせて土寄せをすると、変色防止につながり質のよいらっきょうに育ちます。
らっきょうの栽培③種
らっきょうは「種球」を使って植え付けます。種球はできるだけ大きく、実の弾力がしっかりとしているものを選びます。球が分球しやすくなるため、収穫量が増えるでしょう。なお、植え付ける前に種球を消毒しておくと、病気の予防に効果があります。
らっきょうの栽培④植え付け
らっきょうの植え付け時期は、8月下旬~9月中旬です。種類や気温によって植え付け時期がずれる場合もありますが、初心者でも栽培しやすい「らくだ」などの種類は、秋の初めごろがらっきょうの植え付け時期と覚えておきましょう。
らっきょうの植え付け溝の目安
らっきょうを植え付ける前に植え付け用の溝を掘りますが、溝の深さは10cmを目安にするのが植え付けのポイントです。注意すべきは浅すぎる溝です。溝が浅すぎると種球が分かれやすくなってしまい、粒が小さな球しか収穫できなくなります。また球の色も白色から緑色に変色してしまうため、収穫したときの見た目が悪くなります。
植え付けの間隔
らっきょうの栽培で初心者にありがちな失敗が、植え付けの間隔のミスです。肥料の吸収率が高いらっきょうは、土に根が張ると勢いよく成長していきます。そのため、種球は10~15cm間隔で植え付けるのが、らっきょうの栽培方法の基本です。なお、目安となる間隔より狭くなると日当たりが悪くなるため、収穫した球は小さく収穫量も少なくなります。
らっきょうの栽培⑤水やり
水やりのタイミングは、用土のタイプによって判断します。らっきょうは通気性のよい柔らかな土を好みますし、水を多く含んだ土では病気が発生しやすくなります。そのため、粘土質の用土の場合は、あまり水やりをしない方がよく成長するでしょう。乾燥しやすい砂質の用土の場合は、植え付けの際にたっぷりと水やりをし、土の栄養が根から吸収されやすいようにします。ただし、砂質の用土でも水やりのし過ぎは病気の発生につながるため、適度な水やりを心がけます。
らっきょうの栽培⑥病気
地植えで栽培するらっきょうの場合、水やりのし過ぎや水分を多く含む粘土質の用土では根腐れが起こりやすくなります。ただし適度な水やりを意識し、常に通気性のよい土の状態をキープしていれば、らっきょうの病気は防げるでしょう。
らっきょうの栽培で注意すべき主な病気
らっきょうの栽培で注意すべき主な病気はうどんこ病、さび病、灰色かび病、軟腐病です。うどんこ病、さび病、灰色かび病はかび菌の繁殖によっておこる病気で、消毒薬などを使えば比較的簡単に治せます。ただし軟腐病は病原菌が土に繁殖するため、軟腐病にかかった土でらっきょうを栽培するとらっきょうはほぼ全滅します。水やりのしすぎや粘土質の土で起こりやすいため、通気性のよい土を心がけることが予防に効果的です。