テーブルビートとはどんな野菜?
テーブルビートとは主に根っこの部分を食用とし、根菜に分類される野菜です。テーブルビートはウクライナの伝統料理のボルシチをはじめ、真っ赤な色合いを生かした料理で活躍します。その色と豊富な栄養素から日本では「飲む血液」とも呼ばれ、スーパーフードとして人気がでました。赤色のレッドビートの印象が強いテーブルビートですが、ほかにもオレンジや白、黄色があります。
ボタニ子
ビートともビーツとも呼ばれています。美容や健康への意識が高い人を中心に薬用として人気です。
ボタ爺
ビートには料理に使われるテーブルビーツと、砂糖の原料として栽培される甜菜(てんさい)の2種類があるぞ!
ボタニ子
食卓用のビートという意味合いでテーブルビートと名前がつき分類されているというわけね!
テーブルビートの味
テーブルビートは、泥臭さの中に甘味がある特徴的な味です。同じヒユ科のほうれん草の味を濃く甘くした味に例えられます。葉の部分も食用として利用可能です。根の甘味を最大限に引き出すには、じっくりとオーブンで加熱するなど時間をかけて火を通すことがポイントです。テーブルビートの甘さや色を生かしてデザートも作ることもできるため、料理の幅がグンと広がる野菜です。
テーブルビートの旬の時期
テーブルビートは、早い地域では6月ごろから出回り始め、長ければ2月ごろまで楽しめます。旬は6~7月、11~12月といわれます。野菜は寒さにあたると糖度が増すため、寒くなってからのテーブルビートにはより一層甘味を感じられるでしょう。出始めのころは葉の部分も含めてサラダやピクルスなど野菜のフレッシュな状態を生かした料理がおすすめです。秋以降はじっくりと火を通し、甘さを存分に引き出す料理が向いています。
テーブルビートの栄養
テーブルビートの旨味や甘味のもとは、ベタインという成分です。その名前がビートに由来していることからも、多くの効果効能が期待できる野菜といえます。脂肪代謝や肝機能をよくする働きがあるとされ、酒の席が続いたときや揚げ物などの油が多い料理と一緒に食べると効果を発揮するといわれます。
テーブルビートの葉の食べ方
テーブルビートは葉の部分も食べられます。根の部分よりはクセが少なく下ごしらえも不要なため、扱いやすいのが特徴です。葉付きのものを手に入れたら、ぜひ葉っぱごと食べてみましょう。
食べ方①サラダ
成長途中の小さなテーブルビートの葉は、生食でおいしく食べられます。柔らかい葉は、サラダで使うのがおすすめです。大きく育った葉は、軸や葉に分けて使いましょう。やわらかい葉の部分は、生食可能です。
ボタニ子
湯がいてお浸しや、火を通す炒め物にも向いていますよ。
食べ方②料理のアクセント
葉の部分は、アクセントとしていつもの料理に加えることで食材全体に色づき、食卓に映えます。市販のパスタソースに加えるだけでも、見た目も栄養価もワンランク上の料理に仕上がります。
ビーツの葉のカルボナーラ
材料(2人分)
- ビーツの葉:2~3枚
- 白菜:1枚
- パスタの麺:200g
- 市販のカルボナーラソース:1袋
作り方
- パスタの麺を袋に書いてある通りの時間で茹でる
- ビーツの葉と白菜を食べやすい大きさに切り、オリーブオイルで炒める
- 野菜にしんなりと火が通ったら、市販のカルボナーラソースを加えて温まる程度に加熱する
- 茹でたパスタを器に盛り、ソースをかけて完成
テーブルビートの根の食べ方
テーブルビートといえば、赤い根の部分を使う料理がポピュラーです。美しい色合いを活かし、料理に用いましょう。
食べ方①生食
生食の場合は薄切りで!
テーブルビートの根の部分をサラダなど生で食べる場合には、厚めに皮を剥いてから薄くスライスするか、すりおろして使いましょう。薄切りにしたテーブルビートを軽く塩もみしたり、酢につけたりすると泥臭さが軽減されます。またテーブルビートは生の状態よりも下茹でをすることで食べやすくなるため、下ごしらえの方法も覚えておきましょう。
下ごしらえの方法
- テーブルビートを根の部分から葉を1~2cm残した状態で切る。葉っぱがついていないものは、そのままの状態でOK
- 鍋にテーブルビートを入れて、被るくらいまで水を注ぐ
- そのまま鍋を火にかけ、沸騰してから30~40分でテーブルビートを取り出して下ごしらえ完了
食べ方②煮込み料理
テーブルビートを使った煮込み料理には、ボルシチや色鮮やかなスープなどがあります。じっくりと時間をかけて煮込むと甘さが引き出され、硬い根の部分も柔らかく食べやすくなります。スープの中に溶け出た栄養も一緒に食べられるのも利点です。煮込む時間がない場合には、圧力鍋を使ってチャレンジしてみましょう。
食べ方③焼き料理
ハーブと一緒にテーブルビートをホイルに包んでオーブンで焼いたり、にんじんと一緒にきんぴらにしたりと、焼き料理でもビーツは大活躍です。いつもの料理にテーブルビートを加えることで栄養と食卓のバリエーションを豊かにします。火が通りにくいため、ほかの野菜も使う場合には、最初の段階で火にかけましょう。使う油にはオリーブオイルがよくあいます。
食べ方④蒸し料理
テーブルビートを蒸してバーニャカウダソースで食べるのもおすすめです。また、テーブルビートと一緒にジャガイモを蒸して潰すと、ピンク色のかわいらしいマッシュポテトができあがります。蒸すと少し時間はかかりますが、旨味をギュッと閉じ込められるため、旬な時期のテーブルビートをおいしく味わいたいときにぴったりの調理方法です。
食べ方⑤揚げ料理
テーブルビートを薄くスライスして揚げると、大人だけでなく子供も喜ぶ栄養満点のおやつビートチップスになります。素揚げのほか、天ぷらでも美味しく食べられますよ。
テーブルビートの缶詰や粉末もある
生のテーブルビートが手に入らない場合には、缶詰や粉末タイプもあります。テーブルビートの水煮缶は下茹でせずに料理に使え、時間がないときに便利です。粉末タイプはふりかけて普段の料理の栄養を高めるほか、デザートを作る際の着色料のかわりに使えます。
ボタニ子
自然由来の赤色だから、安心安全な着色料だね。
ビーツ水煮
テーブルビート
参考価格: 1,380円
ビーツの水煮は、あらかじめカットされているため、手軽に使いやすいのが魅力です。テーブルビートを使うのが不安な方は、少しずつ使える水煮パックを使ってみるのもよいでしょう。
テーブルビートの保存方法
テーブルビートを保存する場合、軽く洗った後に葉っぱの部分を切り落として根の表面を軽く乾かします。新聞紙やラップに包み、冷暗所または冷蔵庫で保存しましょう。洗ってスライスし、ドライチップス状で保存するとさらに長く保ちます。また、ピクルスのような酢漬けにしておくと、保存しながらいつでも食べられて便利です。
テーブルビートで食卓に彩を!
テーブルビートは一見すると扱いにくい野菜に感じられがちですが、ワンランク上の料理を叶えてくれるスーパーフードです。一般的な青果店やスーパーマーケットでは見つけにくいかもしれませんが、見つけたときは健康的な食生活の味方につけましょう。食卓が色鮮やかに変わるだけでなく、栄養価も上がり一石二鳥ですよ。
出典:筆者撮影