食用だけじゃない!薬用・ハーブとしてのゴボウの利用方法を紹介

食用だけじゃない!薬用・ハーブとしてのゴボウの利用方法を紹介

きんぴらやかき揚げで人気のゴボウは和食の定番野菜ですが、西洋ではバードックというハーブ、漢方では生薬として薬用の用途もあります。そんなゴボウの健康のための効果、豊富な食物繊維の作用、香ばしいゴボウ茶のレシピなど健康的な使い方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ゴボウとは
  2. 2.ゴボウの効果・栄養
  3. 3.ゴボウのハーブとしての利用法
  4. 4.ゴボウのおすすめ商品
  5. 5.ゴボウの選び方と保存方法
  6. 6.まとめ

ゴボウとは

基本情報

Photo by yoppy

和名 ゴボウ(牛蒡)
別名 アクジツ(悪実)
ウマブキ・ウマフブキ(馬蕗、旨蕗)
学名 Arctium lappa
英名 Burdock
Edible burdock
Greater burdock
Beggar's buttons
生薬名 ゴボウシ(牛蒡子)
科名 キク科 Asteraceae
属名 ゴボウ属 Arctium
形態 多年草

名前の由来

ゴボウ(牛蒡)の牛の字は「大きい」を、蒡は「丸い葉が両側に広がる菜」を表すといわれ、あわせて「大きな葉が広がる野菜」を意味します。別名のアクジツ(悪実)はゴボウのトゲの多い果実が「格好の悪い実」であることに由来します。

植物としての特徴

ゴボウは日本に自生しませんが、食用として多くの品種が栽培されています。大きく長根種と短根種に分類され、根の長さは50~100cmほどです。春に種をまくと翌年の6~7月にアザミに似た赤紫色の花を咲かせます。ゴボウは連作を嫌うので2~3年後にしか栽培できません。

食用としての歴史

ゴボウが一般的に食用として使われはじめたのは江戸時代~明治にかけてです。根や葉を天ぷらやきんぴらなどに調理して食用とするほか、若ゴボウとして若いゴボウの葉、茎、根を食します。ゴボウの根を食用とするのは日本と韓国のみで、ほかの国ではハーブまたは雑草として扱います。

ゴボウの効果・栄養

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ゴボウの根や若ゴボウは日本では食用とされますが、西洋では根はハーブとして、漢方では種子が生薬として利用されています。ゴボウは健康に対してさまざまな作用や効果を持つ植物です。ここではゴボウの生薬やハーブとしての健康への働きを見ていきましょう。

ハーブとしての効果

ゴボウがハーブとして使われる欧米では、根をもっとも重要な薬用部位・バードックと呼びます。バードックは伝統的に浄血薬として使われ、タンポポ酒などに配合されます。消化不良に効果があると人気のハーブです。根には劣りますが、葉にも同じような作用が期待できます。

生薬としての効果

成熟したゴボウの果実はゴボウシ(牛蒡子)と呼ばれ、生薬として解毒、消炎などの作用が認められます。この生薬は喉の痛みや皮膚疾患などに用いられます。

ゴボウ | 薬草データベース
熊本大学薬学部薬草園

漢方処方での使用

ゴボウシ(牛蒡子)は駆風解毒湯(クフウゲドクトウ)、柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)などの漢方薬に処方され、炎症をやわらげる、血行をよくするなどの作用が期待できます。

民間薬としての効果

民間療法ではゴボウを根の乾燥させ煎じ、食欲増進、発汗、利尿作用をうながすために用います。また乾燥した果実には利尿作用や解毒作用が認められるとして民間療法でも古くから利用されてきました。

生での使用方法

民間療法では、ゴボウの生の葉や根を用いることもあります。生の葉の汁は腫れものや関節の痛みに、生の根から絞りとった汁は喉や胃が痛むときに使われます。

根の栄養成分

ゴボウを水にさらすと褐色になります。その色はポリフェノールであるクロロゲン酸という成分によるものです。クロロゲン酸はコーヒーにも含まれ、抗酸化作用が認められています。またゴボウは水溶性の食物繊維が豊富で、この食物繊維の主体がイヌリンとセルロースいう成分です。イヌリンやセルロースには、血糖値の上昇を抑える働きがあります。

葉の栄養成分

若ゴボウは食物繊維や鉄分、カルシウムなどが豊富で、葉の部分に毛細血管を強化する効果が期待できます。若いゴボウの葉や茎は初春に関西を中心にでまわり、葉や軸はシャキシャキとして独特の香りがあります。

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ゴボウのハーブとしての利用法

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