ジャガイモは種芋から栽培する
ジャガイモは種芋を畑に植えて育てます。植え付けの時期になるとホームセンターや園芸店で種芋が出回るのを見かけることでしょう。種芋はそのまま植えるのではなく、ある程度の大きさに切り分ける工程が必要で、それにはコツがあります。
ジャガイモの植え方
種芋を植える工程は「種芋の準備(切る・消毒する)」と「実際の植え付け」の大きく2つにわけられます。種芋を植え付ける時期により方法がわずかに異なることを覚えておきましょう。
植え方①種芋の切り方と消毒方法
種芋は植え付ける時期によって切り方が異なります。また、切り分けるときに種芋についている芽の数をなるべく均等になるようにすると、畑での苗の管理がしやすくなります。
春に植え付ける場合の切り方
春植えの場合、大きな種芋は50g前後に切り分けましょう。上で図解してあるように、どのジャガイモにも「ヘソ」があります。図解のようにこのヘソに対して縦向きに切り分けることがポイントです。皮は剥きません。
秋の植え付け・小さな種芋の場合の切り方
春植えの場合でも、1つの種芋の大きさが50g前後であった場合や、秋植えの場合は、図解してあるようにヘソを切るだけでほかに細かく切り分けません。
切り口の消毒の方法
植え付ける時期に問わず、種芋の切り口の消毒をおこないましょう。種芋を植え付けたときに細菌やカビが侵入することを防ぐ効果があります。消毒には草木灰を使用し、うっすらと切り口を灰がおおっているようにしましょう。切り口を乾燥させる方法もありますが、水分量の調整や乾燥時間を考えると草木灰をつけてすぐに植える方法がスムーズです。
植え方②土づくり
ジャガイモは土の中にできるので、育ちやすいように畑の土はやわらかく耕すのが収穫量アップのコツです。あらかじめ土のpHは弱酸性であることをチェックしておきましょう。畝幅は60~70cmとし、畝は深さ20cmほどまでしっかりと耕します。
植え方③植え付ける深さと間隔
植え付ける位置が深すぎると、根にストレスがかかり収穫量が落ちてしまうため、畝を深さ20cmまで耕した後、そこにやわらかな土をいれて10cmほどの深さにしましょう。ジャガイモの葉は茂るので、種芋は30cm間隔で植えます。種芋の向きは切り口が下です。
植え方④肥料
種芋を等間隔に畝の溝においたら、その種芋の横に堆肥、配合肥料(ジャガイモ用肥料)1つかみずつを施肥します。種芋に直接肥料が当たると肥料やけを起こしてしまうので、種芋と間隔をあけて肥料をいれましょう。
植え方⑤埋め戻し
ジャガイモの芽は固くてつまっている土からは出にくいので、ふんわりとそっと土をかぶせましょう。種芋を埋め戻す際にはクワの先端などで傷つけないように注意しておこないます。
畝を高くするのが種芋を腐らせないコツ
種芋を腐らせないコツは高い畝にすることです。畝を高くしておくと、周りの水が流れ込みにくくなり、畝に水がたまりにくくなります。雨が降ったあとなどは土がしまって畝が下がりやすいため、こまめに土寄せをし、常に周りの地面より高い畝をキープしましょう。
ボタニ子
植え方についてほかにも詳しく解説している記事はこちらです。
ジャガイモの植え方のコツ
コツ①晴れ続きのときにおこなう
種芋の植え付けは晴れ続きのときにおこない、土が乾燥している日を選びましょう。植え付ける日の前後に雨が降ると土が湿って水はけが悪くなり、植えた種芋が腐って芽がでなくなることがあるためです。
コツ③植え付け後の水やりは不要
ジャガイモは植え付け後の水やりが不要です。種芋がもっている水分だけで芽がでてきます。過度な水やりは種芋や根を腐らせる原因となるので、水はけがよく乾燥した畑になるように手入れしましょう。
コツ③市販の種芋を植える
植え付けには市販の種芋を使用します。市販の種芋はあらかじめ検査されているので健康なジャガイモが育ちやすく、畑に病気を持ち込むリスクも少なく済むでしょう。よくわからない種芋を使うと、そのジャガイモについているウイルスやカビによって病気にかかるリスクが高くなり、病原菌を畑全体に広めてしまう恐れがあります。
コツ④種芋の芽出しをする
畑に植え付けた種芋から確実に芽を出し、収穫量をアップさせる植え方のコツは事前に種芋の芽出しをすることです。種芋を植え付ける2~3週間前に種芋を購入し、適度に日の当たる風通しのよいところに種芋を並べておきます。種芋が健康であれば芽がでてきますので、これを切り分けて植え付けましょう。
ジャガイモは収穫の喜びが大きい野菜
小学生などの遠足でもジャガイモ掘りは人気のイベントでしょう。茎を引き抜いて、土からゴロゴロと出てくる瞬間は大人も子どもも楽しいですね。ジャガイモにはさまざまな品種があるのも魅力の一つです。植え方のコツをチェックして、ジャガイモ栽培に挑戦してみてはいかがですか。
出典:筆者作成