ホースラディッシュとは
ホースラディッシュを知っていますか?名前は聞いたことがないかもしれませんが、じつはとてもチューブ入りのわさびに使われている、親しまれている野菜です。栄養素や効果・効能も要チェックですよ。まずは、ホースラディッシュの基本情報や特徴からみていきましょう。
基本情報
科名 | アブラナ科 |
属名 | セイヨウワサビ属 |
原産地 | 東ヨーロッパ |
別名 | ワサビダイコン(山葵大根)、レホール |
英名 | horseradish |
和名は西洋わさび
和名もいくつか存在し、原産地がヨーロッパであるため「西洋わさび」とよばれたり、畑でとれるため「山わさび」とよばれたりします。ほかにも、ワサビダイコン(山葵大根)、ウマワサビ(馬山葵)などとしても知られていますよ。また外国語由来で、フランス語(raifort)からきた「レホール」、英名(horseradish)を訳した「ウマダイコン(馬大根)」などがあげられます。
本わさびとはちがう種類
「西洋わさび」という和名をもつホースラディッシュですが、日本原産の本わさびとは種類がちがい、根のサイズも本わさびほど太くありません。本わさびは水田で栽培され、ホースラディッシュは畑で栽培されるというちがいもあります。また、本わさびは管理が難しいのに比べ、ホースラディッシュは繁殖力がつよくて比較的かんたんに大量収穫できます。
特徴
根の部分は白色
わさびの根は緑色ですが、ホースラディッシュは白色なのが特徴です。また、葉は先端がとがった緑色で、60cmほどになります。とても繁殖力がつよく、育てやすいのも特徴のひとつです。
すりおろすと辛味成分を発する
ホースラディッシュはそのまま食べてもあまり辛さは感じません。すりおろすことで、酵素の作用によって辛味や香りの成分があらわれるのです。また、辛味成分は揮発性のため、すりおろしてから時間がたつにつれてうすれていきます。
チューブ入りわさびの原料
チューブ入りの練りわさびや粉わさびには、ホースラディッシュの根の部分を乾燥させて、粉末状にしたものがよくつかわれています。本わさびは、すりおろすとすぐに辛味や香りがとんでいってしまい、栽培にも手間と時間がかかって収穫量もあまり多くありません。ホースラディッシュは栽培も加工もしやすいため、チューブ入りわさびとして大量に販売できるようになったのです。
北海道でも生産されている
ホースラディッシュの原産地は、フィンランドを代表としたヨーロッパです。現在の主要な生産地はアメリカのイリノイ州で、世界全体の80%を占めています。日本での主な生産地は北海道で、長野県や埼玉県でも生産されてきました。しかし、日本全体をとおしても生産量は少なく、国産のホースラディッシュはあまり出回っていません。日本で加工されるホースラディッシュは、中国から輸入されたものがほとんどです。
栄養素
ホースラディッシュに多くふくまれる栄養素には、炭水化物やたんぱく質、食物繊維などがあげられます。ビタミンやミネラルのなかでは、ビタミンCや葉酸がとくに多いです。カロリーや糖質は本わさびより低いので、ヘルシーといえます。
効果・効能
ホースラディッシュの効果・効能で重要なのは、辛味成分のアリルイソチオシアネートです。アリルイソチオシアネートには抗菌作用があり、食中毒を予防できるといわれています。ホースラディッシュのおいしさの最大の特徴ともいえる辛味成分に、食中毒を予防する効果まで期待できるなんてうれしいですね。
出典:写真AC