らっきょうの栽培⑦害虫
めんどうな栽培方法を必要としないらっきょうですが、気を付けなければいけない害虫もいます。農作物の栽培方法では必ず注意が必要なアブラムシやハダニもいますが、らっきょうの場合はヨトウムシやアザミウマが発生することもあります。またこれらの害虫が発生したらっきょうは病気にかかっていることも多いため、害虫が見つかった場合は駆除だけでなく病気の対策も必要です。
らっきょう栽培ではネダニに注意
ネダニは、らっきょうやネギ、にんにくなどによくみられる害虫です。成虫でも体長は1mmに満たないのですが、根に寄生して植物の栄養を吸収するため、土の中で種球を成長させるらっきょうにとってはやっかいな存在です。さらに植え付け後にネダニが発生しても栽培中は駆除することができません。植え付け前に種球を消毒することで予防します。
らっきょうの栽培⑧栽培暦
人気があるらっきょうの品種「らくだ」は植え付けから1年後に収穫時期を迎えるため、栽培暦も1年単位で考えます。植え付けの時期・タイミングは気候によってややずれがありますが、らくだの栽培暦を考えるときには追肥のタイミングを意識するのがポイントです。栽培暦に加えておきたい追肥のタイミングは3回あり、1回目は10月、2回目は11月、3回目は2月下旬です。なお収穫のタイミングも2回あり、4月はエシャレット、6月~7月はらっきょうが採れます。
2年堀の栽培暦
らっきょうの栽培方法には、植え付けから2年後に収穫をする「2年堀」があります。収穫まで2年かけることによって、小粒ですが質のよいらっきょうができます。そのかわり土の中で2年間成長させなければいけないため、収穫暦も2年単位で考えなければいけません。植え付けの時期や追肥の時期は1年堀と同じですが、収穫時期は梅雨時期を避けた方がよいため5月下旬~6月中旬として考えます。
花らっきょうの栽培暦は3年
らっきょうの中でも最高ランクに位置する花らっきょうは、植え付けから収穫までなんと3年かけます。花らっきょうの栽培暦は3年単位で考えるのが基本です。2年堀よりもさらに1年多く栽培するため非常に質の高いらっきょうができますが、栽培期間が3年におよびぶため、栽培暦を意識しながら計画的に育てなくてはいけません。
らっきょうの栽培⑨収穫時期と収穫方法
らっきょうの栽培方法には1年堀、2年堀、3年堀の3タイプありますが、一般的な栽培方法は1年堀と2年堀です。質の高いらっきょうを作りたいのであれば2年かけて栽培する2年堀がおすすめですが、らっきょうとエシャレットの2種類を収穫したい場合は1年堀で栽培し収穫の時期をずらします。なお、らっきょうの収穫時期は5月~7月が目安ですが、エシャレットの場合は4月が収穫時期の目安です。
葉が枯れたタイミングが収穫時期
植え付けから1年後に収穫する1年堀の場合、収穫のタイミングを判断する材料となるのが葉の枯れ具合です。気温が30℃を超えるとらっきょうは球の成長をストップさせ休眠に入ります。1年堀の場合は休眠に入る前に収穫するのがポイントです。なお、葉先が枯れ始めると間もなく休眠に入るため、葉先の状態を確認しながら収穫の時期を見極めましょう。
らっきょうの栽培⑩収穫後の処理
土の中から種球を掘り出した瞬間から、らっきょうは変色を始めます。特に直射日光を浴びると急速に緑色に変色し、腐りやすくなります。らっきょうを収穫したら、土がついた状態のまま表面だけを乾かし、乾いたらすぐに日陰に移動して保管するようにしましょう。
収穫直後のらっきょうは天ぷらがおすすめ
収穫したばかりの新鮮ならっきょうは、風味も食感もよく、甘酢漬け以外の調理法で食べるのがおすすめです。4月頃に収穫するエシャレットは生のままで食べるのが美味しいですし、らっきょうも収穫した直後であればてんぷらにして食べると甘酢漬けとは違う楽しみ方ができます。
まとめ
通気性のよい土を意識するだけで、手間もかからず初心者でも収穫に成功できるらっきょうは、ベランダのプランターでも栽培可能です。こまめな水やりや面倒な追肥がなくても成長・収穫までできます。初心者でも収穫の楽しみを味わえる農作物を探している人におすすめの植物です。