日野菜とは
日野菜はカブの一種であり、滋賀県日野町が産地の伝統野菜です。まずは、日野菜の部位別特徴や産地・歴史などを詳しく見ていきましょう。
基本情報
別名 | 緋の菜・あかな・えびな |
分類 | アブラナ科アブラナ属 |
原産地 | 滋賀県日野町 |
旬の時期 | 10月~12月 |
日野菜は、アブラナ科アブラナ属に属するカブの一種で冬が旬の野菜です。滋賀県日野町が原産地ですが、現在は京都や三重などでも幅広く栽培されています。特徴の一つである赤紫色の根・茎・葉脈を色鮮やかに出すためには土質や気候などが大きく関係しており、日野町は栽培条件に適した土地と原種により高品質な日野菜を守り続けている地域です。
日野菜の特徴
次に日野菜の部位別特徴を見ていきます。唯一無二の見た目を持つ日野菜をより詳しく見てみると、新しい発見があるでしょう。
葉・茎
茎や葉の表と葉脈は赤紫色、葉の裏側は緑色のコントラストが特徴です。霜など寒さにあたることで色がより鮮やかな赤紫に変化します。
根
日野菜はカブの一種ですが見た目は細長く根は長さ20~25cm、太さ2.5~3cm程に成長します。土の上から出た部分は赤紫色、土の中は白色です。
花
直径1cm弱の小さな黄色い花です。花弁は4枚あり3月頃に密集して花を咲かせます。
日野菜の歴史
室町時代
室町時代に、今の日野町近辺を治めていた蒲生貞秀がたまたま自生していた日野菜を発見しました。漬物にすると見た目も美しく大変おいしかったため、公家や天皇に献上したところ大変喜ばれ、その後近江商人が広めたことで今では全国で食べられています。
明治~大正時代
明治~大正時代には、滋賀の商人親子が日野菜の改良と変種が出ないような工夫をし、地元住民に良好の原種を配ったことから、その地域で盛んに品質のよい日野菜が育てられるようになりました。
日野菜の栄養素
根は消化酵素である「アミラーゼ」が含まれており、胃もたれや胸やけを抑え消化吸収を助けます。葉には、免疫力向上・粘膜や皮膚の防御などの働きがある「ベータカロテン」、風邪予防や疲労回復効果がある「ビタミンC」、ビタミンB2、B6、Kなど栄養豊富です。赤紫部分は「アントシアニン」で、目の働きをよくする効果があります。
ボタニ子
次のページでは、日野菜の育て方を詳しく説明するよ!
出典:写真AC