ナツハゼ(夏櫨)の育て方
観賞用にも食用にもなるナツハゼですが、暑さ・寒さに強いため、基本的な育て方がわかれば初心者でも栽培することができる植物です。そこでここからは、ナツハゼの基本的な育て方をポイント別に解説していきます。
育て方①植え付け時期
ナツハゼの植え付けのタイミングは、年に2回あります。初心者でも失敗が少ないのは、9月~12月です。水はけのよい土で育てるナツハゼは、夏になると最低1日1回の水やりが必要です。その代わり夏以外はほとんど水やりの必要がないので、水やりの管理が必要ない秋に植え付けをすると失敗が少ないです。ただしナツハゼは夏に紅葉の見頃となるので、紅葉を楽しみたいのであれば3月の植え付けがおすすめです。
育て方②植え付けのやり方
ナツハゼは酸性の土を好む植物です。しかもナツハゼは細い根を地表近くに広げて根付くため、植え付けをする際には水はけのよい土を使うのがポイントです。また植え付け穴の深さは、根の2倍の長さを目安にします。植え付け穴が深すぎると根がが広がりにくくなるため、生育スピードや実の付き方が悪くなる原因となります。
育て方③水やり
ナツハゼは水はけのよい土地を好むため、通常は水やりをしないのが育て方の基本です。特に日照時間の短い半日かげに植え付けた場合、こまめに水やりをすると根腐れを起こしてしまうこともあります。ただし土が乾燥しやすい夏は、朝または夕方にたっぷりと水やりをする必要があります。水やりが足りず土が乾燥してしまうと、実の付き方が悪くなります。そのためナツハゼの水やりは、春・秋・冬は控えめに、夏は毎日行うのがポイントです。
育て方④肥料のタイプ
ナツハゼの肥料は、体力回復のための肥料と冬越えのための肥料(「寒肥え/かんごえ」とよびます)の2つがあります。ナツハゼは肥料に関係なく育つ植物ですので、どちらの目的で肥料を使うにしても、即効性のある肥料は向いていません。そのためナツハゼの肥料は、基本的に暖効性の肥料を使います。なお暖効性の肥料でも、成分の強い肥料はナツハゼに負担がかかります。ナツハゼにストレスをかけないためにも、暖効性の有機肥料を使うのがおすすめです。
育て方⑤肥料を入れる時期
質のよい実を多く収穫したい場合は、開花時期を過ぎた6月に体力回復のための肥料を入れます。開花を終えたナツハゼは栄養が不足した状態になっているため、このタイミングで肥料を入れると体力が回復し、たくさんの実をつけるようになります。なお寒肥え肥料を入れる場合は、12月~1月を目安に入れるようにします。
育て方⑥開花時期
ナツハゼの花は、5月上旬~6月下旬にかけて開花時期を迎えます。もちろん生育環境や気温によっても違いがあるため、九州・沖縄地域では早ければ4月下旬ごろから開花することもあります。なおナツハゼは気温が高くなる夏に紅葉が始まるので、気温が低い地域でも6月中旬~6月下旬には開花します。
育て方⑥実の収穫時期
ナツハゼの実は、紅葉が終わり気温が下がり始めた10月中旬~11月初旬に収穫時期を迎えます。収穫のタイミングは、外皮が黒褐色に変色した時点を目安にします。なお収穫時期を迎えたナツハゼの実は鳥の大好物ですので、完熟した状態のまま放置しておくと鳥に食べられてしまうことがあります。ブルーベリーほどの被害はありませんが、鳥害が全くないわけでもありませんので、放置せずに早めに収穫するようにしましょう。
ナツハゼ(夏櫨)の増やし方
ナツハゼは生命力の強い植物なので、基本の増やし方を理解すれば初心者でも簡単に増やすことができます。そこで今回は、初めてでも失敗が少ないナツハゼの増やし方を紹介します。
増やし方の基本は挿し木
ナツハゼの増やし方には、種からの増やし方と挿し木からの増やし方の2タイプあります。ただしナツハゼの発芽率はあまりよくないので、種から苗まで育てるにはかなりの栽培知識・技術・経験が必要です。そのかわりナツハゼは生命力が強いので、挿し木からの増やし方であれば、種から育てるよりも成功率が高くなります。
挿し木のやり方
ナツハゼの挿し木は、本枝から剪定して作ります。ただし剪定のタイミングは夏前とします。夏に剪定をすると、剪定した枝からは翌年に花が咲きません。そのため挿し木のために剪定をする場合は、花が枯れてから夏に入るまでに行います。剪定した挿し木は、30分ほど水あげをしてから植え付けをします。なお挿し木の葉は、先端についた2~3枚以外はすべて摘み取るようにしましょう。
まとめ
ナツハゼは観賞用・果実の収穫用として楽しめる植物です。手間をかけずにいろいろな楽しみ方ができるので、初心者にもおすすめです。ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
- 1
- 2