コナジラミの発生要因
知らないうちに発生している、葉っぱにつく白い虫はどこからやってくるのでしょうか。発生要因を知ることは対策のヒントになりますので、紹介していきます。
周辺植物から
コナジラミは冬季になると、温室やビニールハウスから外に出て周辺植物に寄生して越冬します。そのため、畑の周辺に路地のナス科・ウリ科の野菜やノボロギク、オオアレチノギク、セイタカアワダチソウなどの雑草がある場合は、コナジラミの温床となり春の侵入被害を引き起こしてしまいます。このような植物が周辺にあるときは、定植までに除去するとよいです。
購入苗から
外から購入した苗や自分で育てた苗にすでに幼虫が寄生していることがあります。温室やビニールハウスで定植するときは、害虫がついていないクリーン苗を購入したり、他の植物がない場所で育てた苗を使ったりと、苗からコナジラミを持ち込まないようにする必要があります。
コナジラミの駆除方法
駆除方法①:気門封鎖剤の使用
ハウス内でのコナジラミは年10回以上の発生にもなるため、効果的な農薬が少なく防除が困難になります。そこで、コナジラミの呼吸器官である気門を塞いで窒息させる方法が効果的です。画像の気門封鎖剤はデンプンが原料になった資材で、天敵を殺すことなく散布が可能です。ガーデニングでは、牛乳の膜で駆除することもできます。水と牛乳を1:1の割合で混ぜて吹き付けてください。
駆除方法②:農薬の使用
コナジラミの駆除には農薬を活用することで効果的に防除できますが、世代交代が早く農薬への抵抗性をもつ種が現れるため多用はおすすめできません。ここでは、ガーデニングにおいて最もコナジラミから守るべき対象である、定植してすぐの苗に使える農薬について紹介をします。
おすすめ農薬①:オルトラン粒剤
オルトラン粒剤はトマトや白菜などの野菜類だけでなく、菊や鑑賞植物にも幅広く利用できる農薬です。上からばらまいても効果がありますが、より効果を出すためには苗のまわりに穴をつくって埋め込むとよいです。オルトラン粒剤はコナジラミ以外の害虫駆除にも使用できますが、オンシツコナジラミにしか適用がないため、トマトやキュウリではシルバーリーフコナジラミの発生に注意しましょう。
おすすめ農薬②:モスピラン粒剤
モスピラン粒剤は殺虫作用が他の農薬と異なるため抵抗性をもった種がうまれにくいです。また、ミツバチや天敵にも影響が少ないことも特徴です。苗の定植前に育苗株の底に定置しておくことで、シルバーリーフコナジラミを含んだコナジラミ類の駆除ができます。
駆除方法③:天敵資材の使用
コナジラミに農薬抵抗性がつくことを気にせず対策するときは天敵資材がおすすめです。コナジラミの天敵には、カメムシの仲間のカスミカメ類や寄生蜂であるツヤコバチ類、吸血性のカブリダニ類などがおり、これらの力を借りることで農薬に頼らずコナジラミの数を抑えられます。ここでは、コナジラミの天敵のなかで製剤化されたものを紹介します。
天敵資材①:オンシツツヤコバチ
オンシツツヤコバチはツヤコバチ科に属する寄生蜂でオンシツコナジラミ、タバココナジラミへの高い寄生率が期待できます。エンストリップやツヤトップという商品名で販売されており、資材を開封して吊り下げておくだけ寄生蜂を放つことができます。コナジラミの密度が高いと効果がでにくいので、発生初期に使用するとよいです。
天敵資材②:スワルスキーカブリダニ
スワルスキーカブリダニはカブリダニ科に属するダニで、卵や幼虫を捕食します。コナジラミの他にも、アザミウマやミカンハダニなどの天敵でもあるため汎用性が高いのですが、トマトやミニトマトでは花粉を餌にして増えにくいため、効果が一時的という弱点もあります。とはいっても、葉っぱにふりかけるだけという簡単な使い方の天敵資材ですので、ガーデニングのコナジラミ対策におすすめです。
天敵資材③:糸状菌
カビの仲間である糸状菌もコナジラミの天敵で、幼虫から成虫の体内で増殖して駆除します。死体から感染するため持続性が高く、トマト類でもコナジラミ対策に期待できます。ただ、ミツバチに影響があるため巣箱の位置に注意して使用してください。
ボタ爺
まとめ
コナジラミは一度発生してしまうと簡単には駆除できない厄介な害虫です。そのため、ハウスに入れないことと、初期の発生で食い止めることが非常に重要です。現在ハウスの中で白い小さい虫が飛ぶ姿を確認した場合はそのシーズンでの完全駆除は諦めて、次の年に持ち込まないように対策を徹底しましょう。
化学農薬や生物農薬を活用するのもよいが、防虫ネットやマルチを使用した予防法も大事じゃぞ。下のリンクで詳しく解説しておるぞ。