バラの香りの代表的な品種
7つの香りの分類別に、代表的な品種を見ていきましょう。一般的な咲きぶりのバラのほかにも、カップ咲きの品種やつるバラ種など、膨大な量の品種が開発されていることもバラの特徴です。色合いや香りも含めて、お気に入りの品種を見つけてください。
ダマスク・クラシック:ティファニー
華やかなピンク色の花をつける四季咲き品種です。まっすぐ伸びた花茎に、強香種の花をたくさん咲かせます。おおらかで明るい雰囲気と、ロマンチックな品種名で人気があります。
ダマスク・モダン:パパ・メイアン
黒バラの頂点といわれる品種です。バランスのよい花の形と、深みのある花色が魅力の四季咲き種で、強いダマスク・モダンの香りを放ちます。強健な性質ですが、やや花付きが悪いのがネックです。
ティー①:デュセス・ド・ブラバン
「桜鏡」という和名でも親しまれている、カップ咲きの品種です。上品で優雅な香りにふさわしい、愛らしい咲きぶりで人気があります。うつむくように咲く姿が奥ゆかしく、まとまりやすく枝の分岐も多いので、花壇での栽培に向いている品種です。
ティー②:ロイヤル・ハイネス
香りや花色と葉色とのバランス、樹形など、とにかくバランスのよい四季咲き種です。気品ただよう桜色の花びらはロイヤル・ハイネスの名にふさわしい美しさで、愛好家も多数存在しています。雨で傷みやすいのが難点です。
フルーティー①:エブリン
エブリンは半つるバラ種のイングリッシュ・ローズで、サーモンピンクの大輪の花がゴージャスな印象を与えます。ドレスのように幾重にも重なった花びらがチャーミングで、非常に人気のある強香種です。
フルーティー②:ドゥフトボルケ
花名は「香りの雲」という意味があります。赤みがかった銅色を含んだ独特の色味が特徴で、ボリュームのある重ねの花びらがゴージャスな雰囲気です。樹勢が強く強健な性質の、四季咲きの強香種です。
ブルー:ブルー・ムーン
ブルー・ノート特有のさわやかな強香と、大輪の花が人気の四季咲き種がブルー・ムーン。強健でトゲの少ない枝は扱いやすく、紫バラの中でも歴史的名花として名高い品種です。つるバラの品種もあります。
スパイシー:クロチルド・スーペール
薄い花びらが何枚も重なってはかなげな印象を与えるクロチルド・スーペールが、スパイシー・ノートの代表的な品種です。花付きも多く強健な性質ですが、雨に当たるとやや開花しづらくなります。
ミルラ:セント・セシリア
アプリコットがかったピンク色が淡い色合いで、うつむくように花を咲かせる姿が優雅な印象です。カップ咲きから始まり、咲き進むにつれロゼット咲きとなってゆきます。ミルラの香りが力強く、人気の高い品種です。病気にも強い性質を持ちます。
バラの香りの楽しみ方
季節や時間帯などにこだわると、より強くバラの香りを楽しめるようになります。ポイントについて、順番に見ていきましょう。ちなみにバラの香りは花びらの表面から立っているので、ゆっくりと顔を近づけて、静かに香りを匂うとよいですよ。
生花で楽しむ
香水やアロマキャンドルなどでもバラの香りは楽しめますが、やはり生花で楽しむのが1番です。ドライフラワーになるとまた香りが変わってくるので、乾燥させる過程で香りの変化を感じるのも素敵な楽しみ方ですね。
切り花よりも植えられているものを
同じ生花でも、切り花と土に植えられているものなら後者がおすすめです。水に挿すと香りが薄く、水っぽくなる傾向にあります。ローズガーデンや鉢植えなど、植栽された状態のものを匂うとより甘い香りを感じられるでしょう。
香りのハイシーズンは秋
バラは春がシーズンの花ですが、香りを楽しむならおすすめは秋です。気温や湿度が適度に低く、空気も澄んでいる時期なので、バラの繊細な香りもきちんと感じられます。
時間は早朝がおすすめ
さらに、時間帯は早朝が一番おすすめです。バラの香りは1日のあいだでも強さが変化していて、太陽の光に当たってから3時間くらいまでが、フレッシュで強い香りの持続時間となります。朝のお散歩がてらバラの香りを楽しんだら、ゴージャスな気持ちで1日が始められそうですね。
まとめ
甘くて上品なバラの香りについて、系統別の特徴や代表品種、そしてより香りを楽しむためのポイントについてご紹介しました。ひとくくりにバラといっても、カップ咲きか八重咲きか、つるバラか花茎がまっすぐ伸びるタイプかなど、その見た目は非常に多彩です。そこに香りの好みも加えたら、バラの楽しみ方は無限ですね。
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