スズメバチとは?
庭木や家の軒先などに巨大な蜂の巣をつくるスズメバチは、人間にとって非常に危険な存在です。日本国内で生息するスズメバチはスズメバチ属・クロスズメバチ属・ホオナガスズメバチ属に分かれ、全部で16種類もあります。種類によって特徴は異なりますが、共通する特徴もあります。
凶暴な性格
スズメバチの多くは、攻撃性が高いのが特徴です。自分よりも体が大きな動物に対しても、集団で攻撃してきます。特に巣に近づく存在に対して強い攻撃性を発揮するため、大型動物でもうかつに巣に近づくと激しい攻撃を受けます。
スズメバチの大きさ
日本国内けで16種類が生息するスズメバチは、一般的に体が大きいのが特徴です。なかでも「世界最大のハチ」といわれるオオスズメバチは別格です。なおオオスズメバチの大きさは働きバチでも27mm~40mmあり、女王バチになると大きさは40mm~45mmもあります。
毒を持っている
スズメバチが危険といわれるのは、強力な毒を持っているからです。攻撃的な性格のため、敵と認識すると毒針を使って攻撃してきます。毒針を使うのは、働きバチであるメスです。ちなみに女王バチは毒針を持っていてもほとんど使うことはなく、オスは生殖バチで毒針を持っていません。
女王バチを中心にした社会
スズメバチの社会は、女王バチがすべての中心です。蜂の巣の大きさにかかわらず、巣にはたくさんの幼虫と働きバチが住んでいます。彼らは、すべて1匹の女王バチから生まれてきます。
4月~5月に活動開始
スズメバチの巣にはたくさんの働きバチがいますが、基本的に冬越ししません。翌年の女王バチは孵化すると優先的にエサが与えられるため、冬眠して冬越しします。新女王バチが冬眠から覚め働きバチの出産・育児がひと段落するのが4月~5月で、この頃からスズメバチは活動を始めます。
スズメバチの生態
スズメバチの生態は、ミツバチとほぼ同じです。女王バチを中心に生態系を構成されています。スズメバチの社会は、1匹の女王バチによってつくられていきます。その足跡を辿ってみましょう。
女王バチ1匹だけで巣づくり
スズメバチの蜂の巣づくりは、女王バチ1匹だけで行います。冬眠から覚めた女王バチは、産卵と育児をするために巣づくりから始めます。たった1匹のため、つくり始めたばかりの巣はそれほど大きくありません。
働きバチの誕生
女王バチは、巣づくりと並行して働きバチの産卵を行います。孵化した後の育児も当面は女王バチ1匹で行うため、この時期の女王バチは巣づくり・産卵・育児と大忙しです。
巣が大きく成長
幼虫の世話や狩りを担当する働きバチの数が増えてくると、巣の大きさも数に比例して大きくなります。働きバチは7月頃から孵化をはじめ、9月~10月に個体数のピークを迎えます。そのため個体数のピークとなる9月~10月は、蜂の巣が最も大きい時期になります。
翌年の女王バチを出産
働きバチの個体数がピークを迎える少し前に、翌年の女王バチは生まれます。孵化した新女王バチは優先的にエサが与えられるため、冬越しが可能です。なお現役女王バチは、新たな女王バチの成長を待たずに死んでしまいます。
新女王バチのみが冬越しする
冬越しができるのは、翌年の女王バチのみです。現役の女王バチや働きバチたちは、冬を越さずに寿命を迎えます。オスは交尾が成功するとすぐに死んでしまいます。一般的に新たな女王バチ以外は冬越ししません。