スズメバチの天敵
攻撃性が高く危険な毒針を持っているスズメバチですが、そんなスズメバチを捕獲・捕食する天敵もいます。
天敵①人間
古くからハチを飼育する技術を持っている人間は、スズメバチのような危険なハチを駆除する術を持っています。しかも人間は蜂の巣の活用法まで知っているため、スズメバチにとっては天敵です。
天敵②野鳥
スズメバチの天敵には野鳥も含まれます。野鳥のなかでもタカの仲間であるハチクマは、スズメバチを好んで食べます。ハチクマの体全体には、びっしりと体毛が生えており、スズメバチの毒針攻撃をかわせます。さらに蜂の巣ごとヒナに食べさせ子育てするため、スズメバチには恐ろしい存在といえるでしょう。
天敵③ニワトリ
家畜として飼われていたニワトリが半野生化することはがあります。飼育されていない野生のニワトリは、昆虫を主食としています。昆虫のなかにはスズメバチも含まれており、野生のニワトリはスズメバチも食べてしまうのです。
天敵④クマ
クマはスズメバチを食べる動物の代表です。クマの体は厚い皮膚と硬い毛におおわれているため、スズメバチの毒針が刺さりません。さらにはちみつがたっぷりと蓄えられた蜂の巣だけでなく、蜂の巣の中にいる幼虫や成虫もすべて食べるため、動物では最強クラスの天敵です。
天敵⑤アブ
実はアブも、スズメバチの天敵です。しかもアブには、成虫を食べるタイプと、幼虫やさなぎを食べるタイプがあります。なかでもムシヒキアブ・ベッコウアブはこれらのタイプの代表種で、スズメバチにとっては手ごわい天敵です。
天敵⑥大型昆虫
スズメバチの天敵は、大きさがほとんど変わらない昆虫にもいます。大型に分類される昆虫にはスズメバチを食べる種類がおり、クモやオニヤンマ、オオカマキリなどが代表的です。
駆除目的に有効利用できる天敵は?
凶暴なスズメバチには、意外に天敵が多いことがわかりました。さすがに天敵とはいえクマを自宅で飼育することは難しいですが、飼育可能な動物や昆虫はいます。実際にこれらの天敵を、駆除目的に有効利用できるのでしょうか?
ニワトリは難しい
ニワトリはスズメバチの天敵ですが、飼育されているニワトリには栄養満点のエサが常にあるため、危険なスズメバチをわざわざ捕食することはありません。スズメバチの駆除目的に庭でニワトリを飼育しても、その効果はあまり期待できないでしょう。
大型昆虫なら期待できる
スズメバチよりも体が大きい大型昆虫のなかには、スズメバチを捕食する昆虫もいます。これらの昆虫の多くは人間に危害を加えないため、安全にスズメバチを駆除するのに適しているでしょう。ただしこの方法は、スズメバチの天敵となる昆虫が生息できる環境を整えられるかがポイントです。
オニヤンマとスズメバチは天敵同士
オニヤンマ(大型種のトンボ)はスズメバチを捕食する昆虫ですが、スズメバチもオニヤンマを食べます。そのため「オニヤンマ=スズメバチの天敵」「スズメバチ=オニヤンマの天敵」の関係にあります。
スズメバチを自分で駆除する方法
スズメバチは、駆除業者に依頼せず自分で駆除できます。ただしスズメバチは危険な毒針と強い攻撃性があるため、駆除作業をするにはスズメバチの生態を理解することも重要です。
駆除に適した時間
毒針で攻撃してくる働きバチは、日中巣から離れて活動します。駆除作業をするには働きバチのいない日中のほうが楽ですが、帰ってきた働きバチが巣がないことに気がつくと、巣があった周辺を執拗に飛び回り危険です。そのため駆除するときには、働きバチが帰ってくる夕方がよいでしょう。
巣の出入口をふさぐ
巨大なスズメバチの巣には、無数の幼虫と働きバチがいます。外いるスズメバチだけを駆除しても、根本的な解決にはなりません。そのため巣から外に出ないように、出入口をふさいでから駆除剤を散布します。なお戻りバチ対策として、出入口に粘着版を貼るのもおすすめです。
巣が大きくなる前に駆除
スズメバチは9月~10月にかけて、個体数・巣の大きさともにピークを迎えます。ただしほとんどのスズメバチは冬越しができないため、女王バチが活動を始めたばかりの頃は数も少なく巣も小さいです。自分で駆除する場合は、巣が大きくなる前に作業をするのがポイントです。
まとめ
自分の体より大きな動物に対しても積極的に攻撃するスズメバチですが、生態や天敵について理解しておくと、駆除や対策方法が見えてきます。ただしスズメバチの毒針攻撃は非常に危険です。より安全に駆除するには、専門家のアドバイスにしたがうのもよい方法といえます。
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