コナガとほかの害虫との見分け方
キャベツや白菜などのアブラナ科の野菜には、コナガ以外にもさまざまな害虫がつきます。特にモンシロチョウの幼虫であるアオムシなどは有名です。コナガの幼虫も緑色のため、ちょっとみただけではわからないことも多いでしょう。コナガの幼虫の見分け方をご紹介します。
ほかの幼虫との見分け方
コナガの幼虫とほかの害虫の幼虫を、見分ける特徴はいくつかあります。1つ目は、ほかの害虫の幼虫より小さく10mm程しかないことです。そして、2つ目はさわると素早く後ずさりをすることで、3つ目は葉から簡単に落ちるだけでなく、同時に白い糸を吐く習性があげられます。大きさは時期によって見分けがつかないことがありますが、2つ目と3つ目の行動はコナガの幼虫特有の行動のため、発見したらすぐに駆除しましょう。
コナガの防除方法
コナガの幼虫を発見したら、すぐにその場で駆除することが大切です。しかし、一番大切なことはまず卵を産み付けられないように防除することでしょう。続いてはコナガのおすすめの防除方法をご紹介します。
コナガの無農薬防除方法①シルバーマルチ
シルバーマルチには、コナガを忌避させる効果があります。実際にシルバーマルチを使用して育てたウネでは、コナガの産卵数が目に見えて低かったという報告もあるくらいです。シルバーマルチの欠点は、作物が成長するにつれて忌避効果が薄れてしまうことでしょう。光の反射面の広さが効果に直結するため、育てる作物によって向き、不向きのある防除方法です。
コナガの無農薬防除方法②防虫ネット
防虫ネットの中でも目の細かいものを選んで、作物全体がネットにつかないように張るようにします。もし葉の一部がネットについていると、すき間からコナガの成虫に産卵される可能性があるためです。ほかの害虫も防除できるため、作物の食害を大幅に減らせます。
防虫ネットでよくある失敗
防虫ネットでよくある失敗が、ネットの目が大きすぎて中に入られてしまうことです。コナガは小さい虫なので、中に入られることがないように、ネットの目は0.4mm以下のものを選ぶようにしましょう。このほかにもサイズがあっていなかったり、おさえが弱くて風に飛ばされたりすることもあるので、しっかりチェックしたうえで設置するようにします。
コナガの無農薬防除方法③散水
コナガの弱点の1つに、水滴でも溺死するくらい水が苦手という点があります。雨が降るだけでも雨粒の衝撃で葉から落下し、水たまりに落ちて死んでしまいます。この弱点を利用して、定期的に15分ほど散水するだけで、コナガの幼虫を簡単に減らせます。朝や日中に散水すると、葉がむれて腐ることもあるため、夜に散水するのがおすすめです。
コナガの無農薬防除方法④フェロモントラップ
コナガのオスが、メスの性フェロモンに引き寄せられる習性を利用して考え出されたものが、このフェロモントラップです。フェロモントラップのメリットは、簡単にできて効果が約3か月と長く続くこと、さらに作物に影響がなく、コナガの殺虫剤への抵抗性が発達しにくい点があげられます。
フェロモントラップのデメリット
メリットがある一方でデメリットもあり、オスしか捕まえられないうえに、広い場所では数を用意する必要がある点です。コナガは風下にいても、せいぜい5mまでしかフェロモンを感じ取れません。そのため駆除効果を求めるならば、いくつものトラップを用意する必要があります。
出典:写真AC