クチナシに発生する害虫
クチナシによく発生する害虫としては、オオスカシバ、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、オンシツコナジラミなどがあげられます。なかでも大敵はオオスカシバの幼虫で、クチナシを育てたことのある人は高確率で遭遇していることでしょう。ここではそんな害虫の対処方法を説明していきます。
オオスカシバの成虫
成虫の飛来
クチナシを育てる際に切っても切れないのがオオスカシバとの関係です。蛾の仲間であるオオスカシバは体長が6cmほどあるため、飛来してくるとすぐにわかります。ホバリングして空中にとどまった状態で蜜を吸うのが特徴で、成虫自体に害はありません。しかし、6月~10月にかけてクチナシの葉に産卵するのが問題になります。
クチナシの監視
オオスカシバの幼虫はアカネ科の植物を好んで食べるため、必然的にクチナシに産卵することになります。オオスカシバの飛来を確認したら、毎日クチナシの周囲をチェックしてください。産卵から孵化までは1カ月ほどです。黒い砂粒のような糞が落ちていたら、数匹の幼虫が孵化していると考えられ、この状態から放置すると、あっという間に一株が軸だけにされてしまいます。
オオスカシバの幼虫
対策①捕殺
黒い砂粒のようだった糞は、幼虫の成長とともに次第に大きくなっていきます。葉色と同化して見つけられなかった幼虫も、ある程度成長すると見つけやすくなるため、葉の裏などを根気よく探して捕殺してください。糞の量にもよりますが、鉢植えでしたら上の画像のようなイモムシが4、5匹以上いるものと思っておいたほうがよいでしょう。
対策②薬剤使用
じっくり捕殺する時間がない場合は、薬剤を使いましょう。幼虫が小さいうちはオルトラン錠剤、糞が5mmぐらいの大きさになっていたらスミチオン乳剤を使いましょう。発生の初期にはアセフェート粒剤の散布も有効です。
そのほかの害虫対策
クチナシに病気をもたらす虫の発生原因としては、風通しの悪さや、加湿、または極度の乾燥などがあげられます。状態に適した対処法で、早く健康な状態に戻してあげましょう。また、周囲の環境を見直すことも大切です。
害虫 | 発生時期 | 薬剤 |
アブラムシ | 早春~晩春 | マラソン乳剤 |
カイガラムシ | 通年 | マシン油乳剤 |
ハダニ | 高温乾燥期 | カダンVスプレー |
オンシツコナジラミ | 春~秋 | アクテリック乳剤 |
ボタニ子
まとめ
一重咲き、八重咲き、二期咲きと、咲き方は違っても、クチナシの白い優しげな花とうっとりするような香りは共通です。また、常緑樹として1年中緑を絶やさないでくれるため、目隠し用の樹木としても活躍します。イモムシの苦手な方には敷居が高いかもしれませんが、花の香りは別格です。ぜひクチナシの栽培に挑戦してみてくださいね。
クチナシについては下記でも紹介しています。ぜひ一読してくださいね。