クチナシとは
春の沈丁花、秋の金木犀に並び、三大香木のひとつである梔子(クチナシ)は、夏に甘い香りを漂わせる白い花です。花には一重咲きと八重咲があり、矮性種や大型種など特徴もさまざまです。葉脈のはっきりとした葉にはつやつやとした光沢があり、実は染料として使われています。
クチナシの基本情報
学名 | Gardenia jasminoides |
和名:別名 | 梔子:ガーデニア |
分類 | アカネ科クチナシ属:常緑低木 |
分布 | 東アジア、インドシナ半島、日本(東海以西~沖縄) |
樹高 | 50cm~2m |
花径:花色 | 5cm~8cm:白 |
開花時期 | 6月~7月 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | やや弱い(東北南部まで) |
クチナシの花色はクリームがかった白で、花のない期間は常緑の葉を保ちます。樹高は大きいものでは2mになりますが、矮性の品種もあるので鉢植えでの栽培も可能です。常緑樹ですが、ミルキーな甘い香りが好まれ、海外では恋人に贈る花とされている一面もあります。
クチナシの名前の由来
ボタ爺
クチナシの名前の由来にはふたつの説があるんじゃよ。
- クチナシの種が成熟してもその鞘が弾けないことから、あき口がない→口無し
- クチナシの実の先端が鳥のくちばしのように見え、果実部が梨のように見えることから→口梨
ボタニ子
うーん。どちらも納得させられる説ね。
クチナシの種類
クチナシには、一重咲き、八重咲き、二期咲きといった咲き方の違いのほか、芳香の強いものと弱いもの、実が付くものと付かないものと、特徴もさまざまです。樹高も50cm~2mと幅があるため、用途にあった品種を選びたいものですね。
一重咲き(一期咲き)
原種である一重咲きのクチナシですが、庭植えには華やかさが好まれるため、近年では見かける機会は少なくなりました。一重咲きの品種としては矮性で鉢植え向きの「ミナリクチナシ」が一般的です。一般的に一重咲きは八重咲よりも強い香りを放つとされています。
一重咲き(二期咲き)
一重咲きには春と秋の二期咲きの品種である「マルバクチナシ」があり、花と葉の両方が丸みを帯びたかわいらしいフォルムが人気です。特徴として春の花の後には実が付きますが、秋の花後には実が付きません。樹高は50cmほどと小ぶりです。鉢植えで楽しんでみてはいかがでしょうか。
八重咲き
園芸品種である八重咲きの花は種類も豊富です。実は付きませんが、香りが強くガーデニアの別名をもつ「オオヤエクチナシ」、中国原産でグランドカバーや鉢植えにも向く、小ぶりの「コクチナシ」、葉が小さくて細い、鉢植え向きの「ヒメクチナシ」などが一般的に流通しています。
品種名 | 咲き方 | 特徴 |
ミナリクチナシ | 一重咲き | 強い芳香あり、若木から実が付く |
マルバクチナシ | 一重咲き | 二期咲き、春花の後のみ実が付く |
オオヤエクチナシ | 八重咲き | 強い芳香あり、実は付かない |
コクチナシ | 八重咲き | 上品な香り、実は付かない |
ヒメクチナシ | 八重咲き | 芳香あり、実が付く |
ボタニ子
次のページではクチナシの育て方を説明します。
出典:写真AC