朴の木(ホオノキ)とは?朴葉でも知られる葉をもつ樹木について解説!

朴の木(ホオノキ)とは?朴葉でも知られる葉をもつ樹木について解説!

野山や公園で、大きな葉をもつ木を見つけたことはありませんか。手のひらよりも大きな葉を持つ朴の木は、花も実も雄大で、感動を覚える人も多いでしょう。本記事では秘密がたくさんつまった朴の木の葉や花、実、似た樹木との見分け方、さらに朴葉を使った料理をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.朴の木の特徴
  2. 2.朴の木の自生地はどこ?
  3. 3.朴の木と栃の木の葉の違い
  4. 4.朴の木の葉を使った料理
  5. 5.まとめ

朴の木の特徴

Photo by Dakiny

大きな葉

朴の木の一番の特徴は、大きな葉です。葉の長さは、おおよそ30~40cmもあります。日本原産の広葉樹の中では、最大級の大きさです。葉の表面は緑色、裏面は表面より白っぽい緑色をしています。朴の木は落葉樹のため、秋になるとたくさんの大きな葉が下に落ちます。野山や公園で、お面になるくらい大きな枯れ葉を見たことはないでしょうか。この葉が、朴の木の葉です。

朴の木の花

朴の木は、5~6月頃に白い花を咲かせます。朴の木は、葉も大きいですが花も大きく特徴的で、大きさは15~20cmもあります。花びらは6~9枚あり、中央には雄しべや雌しべがあります。朴の木の花は「両性花」といい、ひとつの花に雄しべと雌しべが存在します。開花1日目は雌しべが熟し、2日目は雄しべが熟します。おもしろいですね。これは、自家受粉を避けるための工夫です。朴の木の花は、咲き始めは白色ですが、しだいにクリーム色を帯びてきます。

朴の木の花言葉

朴の木の花言葉は「誠意ある友情」です。素敵な花言葉ですね。朴の木という名前は、その大きな葉を使って食べ物を包んだことから、「包(ホウ)」の転化が由来とも言われています。この花言葉は、朴の大きな葉のように、友を思いやり、大切に思う気持ちから生まれたのかもしれませんね。朴の木はモクレン科の樹木ですが、モクレン科の花言葉には「自然への愛」「持続性」という意味があります。朴の木、モクレン科ともに、あたたかい花言葉ですね。

朴の木の大きな実

朴の木の実は大きく、とても目立つ赤色をしています。とげとげでドリアンのような、特徴のある形状をしていますが、この実はたくさんの袋(たいか)が集まってできています。秋になると、このひとつひとつの袋から、橙色や赤色の種子が現れます。実はしだいに重くなって下に落ちるので、朴の木が生えている地面の上では、熟した実と種子を見ることができます。

朴の木の樹皮の秘密

朴の木の樹皮は、厚くなめらかで、灰色をしています。樹皮を乾燥させたものは、昔から「厚朴(こうぼく)」という漢方薬として使われています。便秘や下痢、消化不良などに対する整腸作用や、かぜ、咳や痰などに効果があるとされています。樹皮の他に、朴の木の実を用いる場合もあります。中国産の樹皮から作った厚朴と区別するために、日本産の厚朴を「和厚朴(わこうぼく)」と呼ぶこともあります。

朴の木の自生地はどこ?

朴の木の自生地は、北海道、本州、四国、九州と幅広いため、日本各地の山地で見ることができます。また、公園に植えられていることもあります。大きな葉っぱが目印となるため、見つけやすい樹木のひとつです。日本以外にも、中国、朝鮮半島に自生地があります。朴の木には、「アレロパシー」という、他の植物の成長を妨げる物質を出す作用があるため、自生地では雑草が少なく、枯れ葉が堆積していることが多いです。

朴の木と栃の木の葉の違い

朴の木の葉

朴の木は大きな葉が同じ場所から何枚も出ているように見えますが、よく確かめて見ると、微妙に葉の付いている場所が違います。「偽輪生(ぎりんせい)」といいます。輪のように葉がつく場合を「輪生(りんせい)」といいますが、朴の木は微妙に場所が同じではないのです。落葉する時は、一枚一枚の葉がばらばらに落ちます。

栃の木の葉

朴の木と似た葉を持つ樹木に、栃の木があります。朴の木のような大きな葉が、手のひらを広げたようについています。一見、朴の木と同じように見えますが、栃の木の場合は掌状複葉(しょうじょうふくよう)といい、手のひらを広げたような葉が全て、同じ場所についています。落葉する時は、同じ場所から出ている葉がついている状態で、手のひらのような形のまま、まとめて落ちます。大きな葉の木を見かけた際には、朴の木か、栃の木か、ぜひ確かめてみてください。

朴の木の葉を使った料理

朴葉味噌

朴の木の大きな葉は「朴葉(ほおば)」とも呼ばれ、食べ物を盛るための器として利用されてきました。朴葉には香りがあり、殺菌作用もあります。岐阜県飛騨地方には、朴葉の上に味噌や薬味、椎茸、肉などをのせて、焼いて食べる「朴葉味噌」という伝統料理があります。朴葉は火に強いため、食材をのせて焼くことができるのです。

朴葉巻き

長野県木曽地方には「朴葉巻き」と呼ばれる郷土菓子があります。朴葉巻きは、月遅れの6月の端午の節句の際に、各家庭で作られてきた、昔ながらのお菓子です。柏の葉ではなく、朴葉に包みます。朴葉巻きは、朴葉がとれる期間限定のお菓子です。お土産屋さんや道の駅で見ることができます。

まとめ

朴の木は、大きな葉や花、実など、さまざまな特徴をもつ樹木です。ぜひ、野山へお出かけの際には、大きな葉を目印に、朴の木を探してみてください。朴の木の大きな葉が重なりあう地面の上は、良い日陰になっており、きっと、木漏れ日から射す日の光に癒されることでしょう。季節限定の朴葉を使った料理も楽しんでください。

森川
ライター

森川

畑で野菜を育てたり、草花や木々に触れたりして、四季を感じることが好きです。自然豊かな場所に癒されます。

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