木苺（キイチゴ）とは？ラズベリーなどベリー系の違い・見分け方を解説

ラズベリーは大きさが直径10～20mmで、表面には産毛が見られます。実の色は赤・黒・紫とさまざま。熟すと実は花からポロっと外れ、実の中が空洞なのが特徴です。年に1度（6～7月）実をつける一季なりのものと、年に2度（6～7月・10～11月）実をつける二季なりのものがあります。

ブラックベリーは、実の大きさがラズベリーより大きく直径20～40mmで、うぶ毛はありません。成長の過程で、色は緑→赤→黒と変化します。実は茎にしっかりくっついており、収穫時は根元からカットしなければなりません。ラズベリーと同様に一季なり（6～8月）と二季なり（10月頃）があります。

クサイチゴは、5～6月にラズベリーに似た赤い実を付けます。大きさはラズベリーよりもやや小さめで、コロンとした丸い形が特徴です。ほとんどの野いちごは、夏に旬を迎えます。

ヘビイチゴは5～6月に丸っこい実をつけます。他の木苺と違い、果汁の詰まった小さな袋の集まりではありません。つるんとした1つの実です。葉は三つ葉で楕円形、縁は大きくギザギザしています。

ラズベリーは、一季なりは1度（4～5月）、二季なりは2度（4月～5月・8月～9月）花を咲かせます。花は小さく可憐で、色は白やピンク色、花びらの先端が少し尖っているのが特徴です。バラ科なので茎には細かな棘がみられます。葉は丸みを帯びた形です。

ブラックベリーは一季なりは1度（5～6月）、二季なりは2度（5～6月・9月頃）花を咲かせます。愛らしい淡紅色で、少し縮れたような花びらが特徴です。ラズベリーと同様で、茎には細かな棘が見られます。葉はやや尖っていて、縁のギザギザがはっきりしています。

クサイチゴは4～5月に直径4cmほどの白い花を咲かせます。茎には細かな棘があり、葉はたまご型で縁はゆるくギザギザしているのが特徴です。ラズベリーやイチゴの花に似ていますが、大きさや葉の形で見分けることができます。

ヘビイチゴは、野いちごの中で唯一黄色い花を咲かせるため、他の野いちごと見分けがすぐにつきます。直径1.5cmほどで、開花は4～5月です。葉は三つ葉で楕円形で、縁は大きくギザギザしています。

ラズベリーは果汁が多く、さわやかな甘酸っぱさが特徴です。品種が非常に多く、最近では甘さの強いものもみられます。実は柔らかく生食向きです。基本はブラックベリーに比べて酸味が強く、ジャムやソースに加工することで、持ち前の酸味をさらに生かすことができます。

ブラックベリーはラズベリーより酸味が少なく、濃厚なコクのある甘さが特徴です。早くに収穫してしまうと、酸味がかなり強いので注意しましょう。黒い実を触ってポロっと外れる頃が食べ頃です。実はラズベリーよりも大粒で、濃厚なコクのある甘い果汁がいっぱい詰まっています。

クサイチゴは酸味が少なく、甘さは控えめでりんごの様な味わいです。種のプチプチした食感が楽しめます。他の種類の野いちごも多少違いはありますが、ほんのりした甘さが特徴です。ヘビイチゴは別名毒イチゴと呼ばれますが、毒はありません。食べても大丈夫ですが、味はなく美味しくありません。

野山や草原で時折見かけるコロンとかわいい木苺。数えきれないほどの種類がある木苺ですが、実・花・味など特徴はさまざまです。その違いや見分け方を知っていると、野山を歩く楽しさがグンと増します。小さな実に出会ったら、ゆっくり観察し、ぜひ名前を調べてみて下さいね。