リプサリスの管理のポイント
リプサリスは水やりをあまり必要とせず、肥料を与えなくても十分に育ちます。そのため、毎日手入れしなくても、丈夫に育ってくれる観葉植物です。リプサリスは、放任で育てても問題ないため、家だけでなく、店や飲食店のインテリアとしても利用されています。
水やり
リプサリスはサボテン科の植物のため、水やりをあまり必要としません。成長期にあたる4月〜5月と9月〜10月にかけては、土の表面が乾燥してから水やりをします。夏は用土が蒸れるのを防ぐために、早朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをするのがポイントです。冬は休眠期に入り水をあまり吸わなくなるため、水やりを控えめにしてやや乾燥気味に管理してください。
肥料
リプサリスは比較的丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、株を大きくしたい場合や、成長が滞っている場合には4月〜5月と9月〜10月にかけて液体肥料を施してください。また、植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こして枯れる原因となるので注意しましょう。
剪定
リプサリスの剪定は、3月〜11月の間ならばいつ行っても構いません。4月〜6月は、成長期にあたり株がこんもりと成長するため、適度に切り戻し剪定を行いながら育てるのがポイントです。また、梅雨に入る前に剪定をすませておくと、風通しがよくなり病気や害虫被害の予防になります。
冬越し
リプサリスの耐寒温度は5℃のため、冬は寒さをしのげる室内で冬越しさせましょう。寒さに当てると株が枯れて、葉がポロポロと落ちてきます。黄色く変色した茎から落葉する場合が多いため、葉がポロポロと落ちて床を汚してしまう前に、黄色い部分を切り取っておいても構いません。
害虫・病気対策
アブラムシ
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。リプサリスの栄養分を吸汁しながら成長するため、発見が遅れるとリプサリスが枯れる可能性があるので注意しましょう。数が少ない間はガムテープなどに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布して駆除してください。
すす病
すす病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分がすすで覆われたようになるのが特徴で、葉の光合成が妨げられてリプサリスが枯れる原因になります。すす病は、カイガラムシの排泄部が原因で発症する恐れもあるため、水やりのときなどにカイガラムシが寄生していないか、こまめに観察しながら育てましょう。
リプサリスの増やし方
リプサリスには「種まき」「株分け」「挿し木」の3つの増やし方があります。株分けと挿し木は成功率が高いですが、種まきは発芽率が低く初心者には難しい増やし方です。しかし、リプサリスの新芽はプニプニとしてかわいらしいので、種まきでの増やし方にもぜひ挑戦してみてください。
増やし方①種まき
リプサリスは12月〜1月にかけて、葉の先端に白色の実をつけるのが特徴です。白色の実がしぼんできたら、葉から取り外してください。実の中に黒い胡麻のような種が入っているので、乾かないうちにすぐ種まきをします。発芽するまでは水切れに注意しながら、風通しのよい場所で管理しましょう。
種まきでの増やし方のコツは?
リプサリスの種はとても小さいので、黒い胡麻のような種を扱うときは、ピンセットなどを使用するのがおすすめです。また、種まき後の水やりで種が流れてしまわないように、あらかじめ用土を濡らしておきましょう。種をまいたら、種や用土が乾燥しないようにラップをかぶせてください。リプサリスは、やや湿った環境のほうが発芽率が高くなります。
増やし方②株分け
リプサリスの株分けは4月〜5月に行います。株が大きく成長している部分を選び、優しく掘り起こしてください。根についている古い用土を落としてから、根を手でほぐして簡単に分かれる部分で株分けしていきます。強い力を加えると、根がちぎれたり傷んだりするため、なるべく自然に分かれる部分で株分けするのがポイントです。
増やし方③挿し木
リプサリスの挿し木に適した時期は4月〜5月か9月〜10月のため、剪定で切り落とした茎を使用しても構いません。若くて健康に育っている部分を選び、先端から5cm〜10cmほどの長さで切り取ってください。栄養分が分散するのを防ぐために、下の方についている余分な葉は取り除いておきましょう。
挿し木を成功させるコツは?
リプサリスの挿し木を成功させるには、挿し穂を作るときに節の部分で切り取り、切り口をしっかりと乾燥させておくのがコツです。また、用土にすぐ植え付けずに、2日〜3日ほど自然乾燥させて、切り口から発根したのを確認してから植え付けましょう。植え付け後はたっぷりと水を与えて、風通しのよい場所で管理してください。
増やし方④水挿し
リプサリスを茎の継ぎ目部分で切り取ると、白色の根っこが長く伸びてくるのが特徴です。リプサリスの茎に見える部分は「葉状茎」と呼ばれています。手で継ぎ目部分をプチっと切って、水に挿しておくだけでも簡単に増やせるのが魅力です。手入れのときに茎が折れてしまった場合でも、水に挿しておけば気軽に増やせます。
リプサリスの飾り方
リプサリスには耐陰性があるため、室内向けの植物として人気があります。全く日光が当たらない場所で育てると葉が黄色く変色する恐れがあるため、適度に日光のあたる場所で育てましょう。また、浴室などの湿度が高い場所で育てると、株が傷んだり弱ったりするので避けてください。
飾り方①ハンギングバスケット
リプサリスの茎が長く伸びる性質を利用して、枝垂れるように楽しむのが人気です。水やりのときに霧吹きなどを使用して定期的に葉水を行うと、葉がみずみずしく保てます。ハンギング仕立てにする場合は重量を抑えるために、腐葉土などの軽い用土を使用するのがおすすめです。ホームセンターなどでも、ハンギング用に軽い用土が販売されています。
飾り方②鉢植え
室内のインテリアにあわせて、陶器などの和風の鉢や、おしゃれな洋風の鉢を使用して鉢植えで育てても素敵です。茎が伸びてくると、鉢が倒れやすくなるので、重みのある鉢を使用して育てましょう。
イルミネーションにも利用できる
リプサリスは、茎をいくつも伸ばすボリューミーな草姿が特徴です。リプサリスの茎に電飾を巻きつければ、小さなイルミネーションが楽しめます。冬には、一味違ったクリスマスツリーとしても利用できるのが魅力です。
室内でリプサリスを育ててみよう
リプサリスは耐陰性があり「日陰を好むサボテン」ともいわれています。室内でも美しい葉を楽しめるため、インテリアグリーンや観葉植物として育てるのもおすすめです。ヘゴやコルクを使用してハンギング仕立てにすると、おしゃれなインテリアとしても利用できます。育て方が簡単で、挿し木で簡単に増やせるので、自分好みの方法でリプサリスを育ててみてください。
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出典:写真AC