手作り捕獲器が便利
マメコガネムシを手で捕獲するときは、捕獲器を用意しておくと便利です。間口が広いため、捕獲したマメコガネムシをスムーズに入れられます。中に入ったムシは、よほどのことがない限り脱出できません。ひもや針金を取り付ければ、捕獲時に両手が使えてさらに便利です。
捕獲器の作り方
- ペットボトルを上1/4のところで切り分ける
- 上部を逆さまにして重ねる
- はずれないようにテープなどで止める
- 紐や針金をつける
方法②農薬
マメコガネムシが大量発生した場合、捕殺だけでは間に合わないこともあります。そういった場合に有効なのが、農薬です。育てている植物・野菜にあわせて農薬を選ぶことがポイントです。
ダントツ水溶液
ダントツ水溶液
参考価格: 2,091円
ダントツ水溶剤は「クロチアニジン」を有効成分とする殺虫剤です。葉や茎から殺虫成分が吸収され、作物全体に浸透していきます。野菜、イネ、落葉果樹、花、茶など幅広い作物に使えます。顆粒タイプは粉立ちが少なく、作物を汚す心配も少ない薬剤です。マメコガネムシの被害が確認されたら、7日ごとの散布を継続しましょう。農作物に影響がないように、使用量を守って使うことが大切です。
方法③市販のトラップ
栽培作物への農薬使用をなるべく抑えるためには、トラップによる駆除が有効です。マメコガネムシを捕獲するトラップには、雄を引き寄せる性フェロモンと、両性を引き寄せる食物誘引剤が使用されています。マメコガネムシの被害がでる作物の近くで、地上から1.5mほどの高さに取り付けましょう。栽培作物への悪影響がなく、安心して使用できます。
方法④手作りトラップ
マメコガネムシの捕獲は手作りトラップでも可能です。2面に四角い窓を開けた牛乳パックに、手作りの誘引剤を入れておくと、マメコガネムシが集まってきます。標的にされる作物の近くで、1.5mほどの高い位置にかけられるように、針金や紐を付けると便利ですよ。トラップは、日当たりのよい複数の場所に仕掛けることで効果が高まります。エサ(誘引剤)は1カ月ごとに新しく作ったものと交換しましょう。
手作り誘引剤
誘引剤の材料
- きな粉:200g
- 酢:75g
- 砂: 100g
- 酒:100g
- 農薬:50g
ボタ爺
この誘引剤はコガネムシ防除に効果があるとぞ!たくさんの人が効果を実感しているのだよ
マメコガネムシの駆除方法【幼虫】
方法➀農薬
成虫と違い、マメコガネムシの幼虫は土の中で生活しています。土を掘り返して捕殺するのは、あまり現実的ではありません。そこで役立つのが幼虫用の農薬です。散布するだけで、広範囲で幼虫の駆除が可能です。
ダイアジノン粒剤
ダイアジノン粒剤
参考価格: 809円
ダイアジノン粒剤は、マメコガネムシを含むコガネムシ類の駆除に効果的な有機リン系の殺虫剤です。ダイアジノンには浸透移行性がありません。根から作物に吸収されることはなく、散布されたところに住みついている害虫に対して効果を発揮します。幼虫は地面の浅い位置に生息しているため、できるだけ浅めに混和しましょう。1~2週間ごとに1~2回使用します。
方法②生物農薬
生物農薬とは、有効成分として生きたままの微生物や昆虫を使用している農薬のことです。マメコガネムシの幼虫の天敵には線虫がおり、それを利用した生物農薬があります。天敵線虫が幼虫の体内に侵入すると、幼虫は敗血症をおこして致死します。天敵線虫は若齢幼虫より成熟した幼虫のほうが効果的のため、防除は8月下旬~9月下旬を中心に行いましょう。
ボタニ子
天敵線虫は乾燥に弱いので、定期的に散水しましょう。散布するときも散水してから行うと効果的ですよ!
マメコガネの予防方法
マメコガネムシは、育てている植物や野菜に多大な被害を与えます。見つけてから対処しても、作物が手遅れになることも少なくありません。大切なのは発生させないことです。適切な予防で、マメコガネムシから作物を守りましょう。
成虫の予防方法
カバーする
マメコガネムシの成虫は飛来してきて食害をおこします。飛来を遮断するには防虫ネットや寒冷紗などが効果的です。またトラップをサンプリングとして使用し、マメコガネの飛来状況を観察するのも予防につながります。一度の飛来でも摂食活動が旺盛なため、大変な被害を受けます。できるだけ予防や早期発見を徹底し、被害を最小限に食い止めましょう。
トラップを仕掛ける
トラップは駆除だけでなく予防にも効果的です。狙われやすい植物の周囲にトラップを仕掛けることで、栽培作物の被害を抑えられます。作物に悪影響を与えずに予防できるため、積極的に使用しましょう。
幼虫の予防方法
土の表面を覆う
マメコガネムシの幼虫を予防するには、成虫が卵を産み付けないように土をカバーすることが効果的です。畑ではシルバーマルチや寒冷紗など、植木鉢やプランターではココヤシファイバーやパームマットなどでカバーできます。マメコガネムシの産卵は初夏~盛夏で、気温も高く地温も上昇する時期です。防虫対策する際は、植物の栽培環境に十分考慮して行いましょう。
ボタニ子
成虫はたい肥にも産卵することがあります。手作りしている堆肥にもカバーをかけておくと安心です!
予防的に農薬を使用する
駆除の際に使うダイアジノンは、予防にも効果的です。マメコガネムシが産卵する芝地や畑などで、播種前や植付け前にあらかじめ混ぜ込んでおくと、被害を抑制できます。土壌の表層に薬剤を混ぜることによって飛来してくる成虫にも効果があり、予防効果が高まります。
ボタ爺
マメコガネムシを防除するとき、農薬は決められた量を守って使うことが大切じゃ。栽培作物を健康的に育てることが大事じゃよ
ボタニ子
ムシの駆除に必死になって、農薬に汚染された作物が育っては本末転倒ですね!
生態を知ってマメコガネムシの被害を抑えよう
マメコガネムシは栽培作物に多大な被害を与えますが、生態を知ることによって繁殖を抑制できます。飛来してくる成虫、産卵、土壌にいる幼虫、それぞれに適した方法で防除しましょう。何より、マメコガネムシの防除は栽培作物の健康的な生育のためであることを忘れてはなりません。栽培環境が悪化するような防除は避け、作物の良好な成長を促すような防除を心がけましょう。
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出典:著者撮影