冬の花の特徴
落葉した寂しい庭の中で冬に咲く花は、ひときわ鮮やかで印象的です。冬の花には、暖かな花盛りの時期とは違った魅力がたくさんあります。気温が低いため花もちがよく、比較的長い期間元気な花の姿を観賞できます。また土も乾きにくいため、水やりの回数も少なくてすみ、お手入れも簡単です。
色鮮やかである
冬の花といえば思い浮かべられがちな、クリスマスカラーのポインセチア以外にも、冬は色鮮やかな花が目白押しです。暖かな室内で育てるコチョウランやシンビジウムは、トロピカルな花色が艶やかで寒さも忘れそうですね。ビオラやガーデンシクラメンも、雪の時期にも寒さに負けず、目を引く鮮やかさで咲き続けます。秋の庭作りでは、冬を越し春まで楽しめる草花を活用するのがおすすめです。
寄せ植え向きである
寒い冬の間は、植物の生育が旺盛でなく、植え付け後のシルエットを保ちやすいメリットがあります。寄せ植えは、草花の高低差や全体のバランスが肝心ですが、冬は成長による乱れがほぼありません。ハンギングも多くの株を植え付けますが、冬の間はボリュームが出すぎるのを避けられます。冬も元気なシルバーリーフやアイビーなどとあわせても素敵ですね。
冬の花(ガーデニング)ランキング【10位〜6位】
10位:アリッサム
アリッサム(スイートアリッサム)は、ピンク、紫、白などの可憐な小さい花がこんもりと咲き、寄せ植えやグラウンドカバーに活躍します。耐寒性はあるものの、霜で枯れることもあります。冬は日当たりのよいところで管理しましょう。ほぼ一年中開花しますが、夏の暑さで枯れてしまうことが多いようです。花が終わり茎が伸びたら花がらを摘むと、繰り返し咲き続けますよ。
9位:チェッカーベリー
ツツジ科のチェッカーベリーは寒さに強く、11月~3月に赤色の実を観賞できます。冬の実ものは他にマンリョウやヤブコウジなどがありますが、チェッカーベリーは草丈が低く寄せ植えに扱いやすいのが特徴です。鉢から垂れるかわいらしい赤色の実は、シルバーリーフやハボタンなどとの相性もよく、秋冬のイベントの和風、洋風の玄関飾りに活躍します。
8位:カルーナ
ツツジ科のカルーナは小さな木のようなシルエットです。白、ピンク、紫などの小さい花をいっぱいに咲かせます。和、洋、どちらの寄せ植えにも便利です。日本で流通しているのはほぼ冬咲きの品種で、-20℃まで耐寒します。病気にかかりにくく丈夫ですが、乾燥には気をつけましょう。また花が終わったら早めに切り戻すのが、開花を繰り返すコツです。
7位:ネメシア
開花期間が長いので肥料が必要です。
ネメシアは、赤、青、淡いピンクやクリーム色などの花を、秋から初夏にかけて咲かせます。花色も形も種類が多く、ネメシアアロマンスのような香りのよい品種もあります。「ピンクレモネード」や「グレープタルト」など、ツートンやグラデーションが美しい種類も人気です。冬の花には珍しい淡い色合いも多く、手入れも簡単です。花がらが散らかりやすいため、こまめに掃除しましょう。
6位:プリムラジュリアン
霜で弱るので注意しましょう!
ヨーロッパ原産のプリムラジュリアンは日の当たる場所を好み、11月~4月が開花期です。近年はバラ咲きやシックな色合いのものも増え、人気急上昇中です。プリムラジュリアンはパンジーやビオラのように、植え付け後に株が広がることはありません。成長しても形がほぼ変わらない特徴があり、株間が広いと土が見えてしまうため、工夫して植え付けましょう。
冬の花(ガーデニング)ランキング【5位〜1位】
5位:スイセン
ヨーロッパのスイセンは春に開花しますが、芳香のある日本ズイセンやキブサスイセン、フサザキスイセンは、冬から春にかけて咲く花です。日本の気候に適していて、手入れも難しくありません。中国では、2月の旧正月を飾る花として、スイセンが人気です。球根は10月にいくつかまとめて植えた方が生育がよく、また見ばえもします。可憐なスイセンは和の庭にも、洋風ガーデンにも素敵です。
4位:クリスマスローズ
ブローチのような花形で人気のクリスマスローズは、白のニゲルが11月~1月、オリエンタリスは2月~4月に開花します。ヨーロッパではニゲルがクリスマスローズ、オリエンタリスはレンテンローズという名前です。花のように見える部分は実はガクです。シングルやダブル、斑点の入ったブロッチやスポット、花びらに縁取りのあるピコティなどがあります。
3位:ガーデンシクラメン
おなじみのシクラメンが小ぶりになったようなガーデンシクラメンですが、意外なほど存在感があり人気です。伸びた茎の先に蝶がとまったような鮮やかな色の花をつけます。アクセントとして寄せ植えに1つか2つ入れるのがおすすめです。耐寒性はありますが、霜や雪がつくと萎れたように枯れることがあるため、天気により鉢ごと移動させるなどの工夫が必要です。
2位:ハボタン
ハボタンは、パンジーやビオラに少し遅れて市場に出回ります。白や緑、黒、紫、ピンクなどで形や大きさもさまざま、観賞期は11月~3月です。見た目どおりにじょうぶで耐寒性があり、イベントの多い12月や1月の玄関飾りにも活躍します。和の趣のようでいながら、洋風にもアレンジ可能です。暖かくなると茎が伸び、踊りハボタンとして楽しむこともできます。
1位:パンジー・ビオラ
冬のガーデニングの定番であるパンジーやビオラは、色も花びらの形状もさまざまです。開花は10月~5月と長く、同系色のみで、またハボタンやアリッサムと寄せ植えにするなど楽しみ方も豊富です。華奢な見た目ですが丈夫で、雪に埋もれても春にいっそう咲き出します。株が広がるため、全体のボリュームが2〜3倍になるのを想定しての植え付けが必要です。
出典:筆者撮影