水色の花といえば
水色や淡い青色の花は、優しく落ち着いた印象やときに涼やかな印象を与えると好まれています。ほかの花色と組み合わせる花束や寄せ植えでも、差し色として利用されることも多いですね。また「青に近い濃いめの水色」「白に近い淡い水色」と表現されることがあるように、意外に種類の多い色です。水色の花は珍しいと思われがちですが、春夏秋冬で見ることができますよ。
春に咲く水色の花4選
花が一斉に咲く春、水色の花も穏やかな日差しの中で咲き誇ります。赤や黄色と目が覚める花色が目立ちますが、水色の花は優しく可憐な雰囲気を漂わせていますよ。
春の水色の花①ネモフィラ
基本情報
学名 | Nemophila |
科名 | ムラサキ科(ハゼリソウ科) |
属名 | ネモフィラ属 |
原産地 | 北アメリカ |
草丈・樹高 | 10cm~20cm |
開花時期 | 3月~5月 |
花色 | 青、水色、白、紫、複色 |
ネモフィラの特徴
早春にかわいらしい水色や青色の花を咲かせるネモフィラの花は、可憐な見た目に反して生命力が強い草花です。環境があえば一株でもたくさんの花をつけるため、群生するとまさに「青い絨毯」と呼ぶにふさわしい光景を見せます。あまりの美しさから観光名所になっている場所もあるほどです。ガーデニングでは横にはう性質を活かして、グランドカバーやハンギングバスケットなどに利用されています。
ネモフィラの原種が、森の周辺の明るい陽だまりによく自生していたことに由来しているんだよ。
ネモフィラの花言葉
ネモフィラ全般の花言葉は、「どこでも成功」「あなたを許す」「可憐」です。「どこでも成功」は、生命力が強く環境があえばどんどん繁殖していく性質に由来します。「可憐」は、小さくて愛らしい花姿が由来です。「あなたを許す」という花言葉はフランスの花言葉ですが、由来ははっきりしていません。
ネモフィラの花言葉まとめ
- 全般的な花言葉:「どこでも成功」「可憐」「あなたを許す」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
春の水色の花②ワスレナグサ
基本情報
学名 | Myosotis |
科名 | ムラサキ科 |
属名 | ワスレナグサ属 |
原産地 | 世界の温帯地域 |
草丈・樹高 | 10cm~50cm |
開花時期 | 3月下旬~6月上旬 |
花色 | 青、水色、紫、白、ピンク、黄 |
ワスレナグサの特徴
ワスレナグサはアジアやヨーロッパの温帯地域に分布している草花です。春から夏にかけて咲く花の美しさから、多くの人たちに愛されてきました。花色は薄い青や水色が一般的ですが、白、ピンク、紫の花を咲かせる品種も存在します。本来は多年草ですが暑さに弱く、日本では夏に枯れてしまうため一年草として扱われています。
ワスレナグサの名前の由来
ワスレナグサの名前の由来は、ドイツに伝わる伝説にあります。その昔、恋人にドナウ川の岸辺に咲く美しい花を贈ろうとした騎士がいました。ところがその花を摘み取った際、川に流されてしまいます。騎士は「私を忘れないで」という言葉と共に恋人へ花を渡し、力尽きたということです。この伝説から「勿忘草(ワスレナグサ)」という名前がつけられました。
残された恋人は、騎士が最期に贈った花を生涯身に着けていたと伝えられています。
ワスレナグサの花言葉
ワスレナグサ全般の花言葉は「私を忘れないで」「真実の愛」「真実の友情」です。「私を忘れないで」「真実の愛」は、名前の由来にもなったドイツの悲恋伝説から生まれました。「真実の友情」はワスレナグサ独特の澄んだ青い花色が、真実、誠実さをイメージさせることに由来します。種類別・色別の明確な花言葉はありません。
ワスレナグサの花言葉まとめ
- ワスレナグサ全般の花言葉:「私を忘れないで」「真実の愛」「真実の友情」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
春の水色の花③ブルンネラ
基本情報
学名 | Brunnera macrophylla |
科名 | ムラサキ科 |
属名 | ブルンネラ属 |
原産地 | 東ヨーロッパ、西アジア、西シベリア |
草丈・樹高 | 30cm~40cm |
開花時期 | 4月~5月(冷涼地では5月~6月) |
花色 | 青、白 |
ブルンネラの特徴
ブルンネラは東ヨーロッパ、西アジア、シベリア西部の森林に分布する多年草です。「ブルネラ」と呼ぶこともあります。名前はスイスの植物学者ブルナー氏の名前が由来です。花はワスレナグサとよく似ていますが、葉の形状はまったく異なります。ハート形の葉姿に加えて斑入りや銀色など観賞価値の高い葉を持つ品種があることと、半日陰を好む性質からシェードガーデンのカラーリーフとして栽培されることも多い植物です。
ムラサキ科の植物は、ワスレナグサに似た花を咲かせるものが多いんだ。
ブルンネラとワスレナグサとの見分け方は、葉を見れば一目瞭然ですが、開花時期もワスレナグサよりもやや遅めです。
春~初夏と季節的には似ていても、ワスレナグサよりもやや遅めなんだよね。冷涼地だと、もっと遅くなるんだ。
ブルンネラの花言葉
ブルンネラの花言葉は「清純」です。可憐な水色の花がまとう清らかな雰囲気にふさわしい花言葉ですね。種類別・色別の明確な花言葉はありません。葉の美しさからカラーリーフとして栽培されることが多い植物ですが、開花期である春は素朴で清らかな水色の花を楽しみましょう。
ブルンネラの花言葉
- ブルンネラ全般の花言葉:「清純」
- 種類別・色別の花言葉はなし
春の水色の花④シノグロッサム
基本情報
学名 | Cynoglossum amabile |
科名 | ムラサキ科 |
属名 | オオルリソウ属 |
原産地 | 中国南西部、チベット |
草丈・樹高 | 30cm~60cm |
開花時期 | 4月中旬~7月中旬 |
花色 | 水色、青、ピンク、白 |
シノグロッサムの特徴
シノグロッサムは世界中に約70種類が分布している草花です。別名をシナワスレナグサ(支那勿忘草)といい、晩春から初夏にかけて紫がかった水色の小さい花を咲かせます。名前のシノグロッサムは「犬の舌」という意味です。葉の形状が犬の舌に似ている品種があることに由来します。別名のシナワスレナグサは中国に分布していることと、花色や花姿がワスレナグサに似ていることからつけられました。
見た目はワスレナグサによく似ていますが、植物学上は別種類の植物です。間違えないように気をつけてくださいね。
開花時期も春~初夏と似てはいるけど、シノグロッサムのほうがやや遅めなんだよね。
シノグロッサムの花言葉
シノグロッサムの花言葉は「真の愛情」「真実の愛」です。ワスレナグサの花言葉によく似ています。見た目だけではなく、花言葉まで似ているというのは珍しいですね。種類別・色別の明確な花言葉はありません。
シノグロッサムの花言葉まとめ
- シノグロッサム全般の花言葉:「真の愛情」「真実の愛」
- 種類別・色別の花言葉はなし
ネモフィラ(Nemophila)という名前は、ギリシャ語の「nemos(小さな森)」と「phileo(愛する)」という2つの言葉が語源です。