キンポウゲ科とは?
キンポウゲの仲間であるキンポウゲ科の学名は「Ranunculaceae」です。つまり、ラナンキュラスの仲間と言った方がわかりやすい人もいるかもしれませんね。キンポウゲ科は、キンポウゲ属やアネモネ属など60種ほどの属に分かれ、クリスマスローズやクレマチスなどの美しい花がたくさん含まれています。
キンポウゲ科の特徴
可憐で美しい野の花
キンポウゲ科のほとんどの原種は、野に咲く多年草です。花には上品な美しさがあり、観賞用に改良されて様々な園芸品種が生まれています。花びらは、花弁のあるものもありますが、萼片が花びらのように見える種類が多いのも、キンポウゲ科の特徴です。
毒性がある
キンポウゲ科には、アルカロイドやプロトアネモニンなどの毒性のある成分を含んでいる植物が多くみられます。成分の一部は医薬品として利用されてもいます。毒の強さは、手折った時に汁に触れると皮膚がかぶれるものから、口にすると死に至る危険なものまであります。毒のある植物と言えばトリカブトですが、トリカブトもキンポウゲ科で、美しい花を咲かせます。
キンポウゲ科の花・植物①キンポウゲ
名前 | キンポウゲ、金鳳花、ウマノアシガタ |
学名 | Ranunculus japonicus |
科/属名 | キンポウゲ科キンポウゲ属 |
原産地 | 中国、日本 |
開花時期 | 4月~6月 |
花色 | 黄色 |
キンポウゲの特徴
キンポウゲ科の名前になっているキンポウゲは、日本の草地に自生する一重または八重咲きの黄色い花です。デンプンを含んだ花びらには光沢があり、野に咲く姿が黄金の鳳凰のように輝いていることから、金鳳花(キンポウゲ)と名付けられました。一重咲きにはウマノアシガタという名もあります。黄金色の輝きから、栄光という花言葉があたえられています。
キンポウゲの花言葉
- 栄誉、栄光
- 子供らしさ
キンポウゲ科の花・植物②ラナンキュラス
名前 | ラナンキュラス |
学名 | Ranunculus asiaticus |
科/属名 | キンポウゲ科キンポウゲ属 |
原産地 | 南東ヨーロッパ~西アジア |
開花時期 | 3月~5月 |
花色 | ピンク、白、赤、オレンジ、紫他 |
ラナンキュラスの特徴
ラナンキュラスは、幾重にも重なった明るい花びらが魅力的な花で、ハナキンポウゲ(花金鳳花)という名もあります。ラナンキュラスのラナは、小さなカエルを意味し、原種は湿地に自生していました。十字軍がヨーロッパ各地に持ち帰って品種改良が進んだと伝えられています。八重咲きや万重咲きがあり、花色も豊富で人気があります。
ラナンキュラスの花言葉
- 晴れやかな魅力
- 名誉
- 白花:純潔
- ピンク:飾らない美しさ
キンポウゲ科の花・植物③クリスマスローズ
名前 | クリスマスローズ、ヘレボルス |
学名 | Helleborus niger L |
科/属名 | キンポウゲ科ヘレボルス属(クリスマスローズ属) |
原産地 | 東ヨーロッパ |
開花時期 | 1月~3月 |
花色 | 白、紫、ピンク、黄色、緑、茶色、他 |
クリスマスローズの特徴
冬に人気のクリスマスローズもキンポウゲ科の植物です。葉と花を一緒につける有茎系と、根茎から花柄と葉柄がそれぞれ伸びる無茎系があり、花びらのように見えるのは萼片です。
開花時期
クリスマスの頃に咲くのはヘレボルス・ニゲルという品種で、この名前が付きました。ですが、日本では多くの品種がクリスマスローズと呼ばれることが多く、それらのほとんどは1月頃から開花します。
癒しの香り
古代ギリシャの時代から、クリスマスローズの香りは、精神を安定させる香りとされてきました。香りがよいのはクリスマスローズ・リグリクスなどの種類で、柑橘系の香りがします。不安を和らげる香りは、花言葉にも反映されていますね。
クリスマスローズの花言葉
- いたわり
- 追憶
- 私の不安をやわらげて
キンポウゲ科の花・植物④クレマチス
名前 | クレマチス |
学名 | Clematis |
科/属名 | キンポウゲ科 クレマチス属(センニンソウ属) |
原産地 | 北半球の各地 |
開花時期 | 4月~10月 |
花色 | 青、紫、白、ピンク、他 |
クレマチスの特徴
つる性
クレマチスはキンポウゲ科の中では珍しいつる性で、つる性植物の女王と呼ばれています。一重咲きの他に、八重咲やチューリップ咲き、釣鐘型に咲く品種があります。有毒成分が含まれているので、汁に触れるとかぶれたり皮膚炎をおこしたりすることがあります。
ほのかな香り
香りのよいのはペトリエイやモンタナ系の品種です。ペトリエイは優しい香り、モンタナはバニラかアーモンドのようなほの甘い香りがします。
クレマチスの花言葉
- 美しい精神
- 旅人の喜び
キンポウゲ科の花・植物⑤デルフィニウム
名前 | デルフィニウム |
学名 | Delphinium elatum |
科/属名 | キンポウゲ科 オオヒエンソウ属 |
原産地 | ヨーロッパ、ロシア、中国 |
開花時期 | 5月~6月 |
花色 | 青、白、ピンク、紫、他 |
デルフィニウムの特徴
デルフィニウムは、まっすぐ伸びた花穂にたくさんの美しい花を咲かせるキンポウゲ科の植物です。清涼な地を好む多年草ですが、日本では夏越しが難しく、一年草扱いになっていることがあります。デルフィはギリシャ語でイルカを意味します。花の蕾がイルカのように見えることから付けられた名前です。
デルフィニウムの花言葉
- 清明
- 高貴
- あなたは幸福をふりまく
ボタニ子
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出典:写真AC