11月に咲く花といえば?
11月といえば、秋が終わり冬へと向かう時期です。紅葉が最盛期を迎えるため、全国各地の紅葉の名所では、さまざまなイベントが行われます。11月下旬に入ると、もうクリスマスムードが漂い始めますよね。12月の本格的なクリスマスを祝うために、クリスマスケーキやパーティーの予約を入れる方もいるでしょう。そんな時期に咲く花には、どんな種類があるでしょうか。
11月の花はガーデニングでも貴重な種類
寒さが次第に厳しくなっていく時期ですので、どうしても花を咲かせる植物の種類が限られてきます。赤、黄、ピンク、オレンジなどといった鮮やかな色彩が減ってしまうので、お庭の風景が寂しくなってしまうのは否めません。ゆえに、この時期に咲く植物たちは、ガーデニングの観点から見ても貴重で重要な種類となるのです。
11月に咲く花10選
ここからは、11月に咲く花たちを紹介します。晩秋の風景に、鮮やかな色彩を与えてくれる美しい花たちをご覧ください。
11月に咲く花①:山茶花(サザンカ)
晩秋の花の代表格
山茶花は日本を原産とする植物で、晩秋の花の代表格としても有名です。山茶花といえば、童謡の「たきび」を思い出す方もいるでしょう。江戸時代から庭木として広く利用されていたこともあって園芸品種も非常に多く、300種類を超えています。開花時期は10月から2月です。その中でも最盛期は11月から1月と、もっとも花が少ない時期になります。
晩秋から冬の季節、11月、12月、1月と、もっとも花が少ない時期に彩りを与えてくれる山茶花は、本当にありがたい存在ですね。
3種類の園芸品種群
山茶花は園芸品種が非常に多いため、以下の3種類の園芸品種群に大別されています。
- サザンカ群:山茶花の野生種から作出された品種群。一重咲きや二重咲きの品種が多いのが特徴である。代表的品種は「雪山(セツザン)」「千代鶴(チヨヅル)」など。
- カンツバキ群:寒椿「獅子頭(シシガシラ)」から作出された品種群。花びらの数が多く、華やかで見応えのある咲き方をする品種が多い。代表的品種は「昭和の栄(ショウワノサカエ)」など。
- ハルサザンカ群:山茶花と椿との交雑により誕生した品種群。3種類の品種群の中では、もっとも遅い時期に開花する。花の大きさも咲き方もバラエティに富んでいるのが特徴。代表的品種は「鎌倉絞(カマクラシボリ)」「飛竜(ヒリュウ)」など。
山茶花の基本データ
学名 | Camellia sasanqua |
科名 | ツバキ科 |
属名 | ツバキ属 |
開花時期 | 10月~12月(サザンカ群)、11月~3月(カンツバキ群)、12月~4月(ハルサザンカ群) |
花色 | 赤、白、ピンク、複色 |
誕生花 | 11/16(赤限定)、12/4 |
山茶花の花言葉
山茶花全般の花言葉は「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」「理想の恋」です。寒さが厳しくなる時期にもめげず、美しい花を咲かせる姿に由来しています。色別の花言葉もあります。赤い山茶花の花言葉は「謙譲」「あなたがもっとも美しい」、白い山茶花の花言葉は「あなたは私の愛を退ける」「愛嬌」、ピンクの山茶花の花言葉は「永遠の愛」です。
山茶花の花言葉まとめ
- 全般の花言葉:「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」「理想の恋」
- 赤い山茶花の花言葉:「謙譲」「あなたがもっとも美しい」
- 白い山茶花の花言葉:「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」
- ピンクの山茶花の花言葉:「永遠の愛」
11月に咲く花②:皇帝ダリア(コウテイダリア)
ダリア界の王様と呼ばれる代表的人気品種
ダリア属の植物は27種類存在しますが、その中で茎が木質化する特性を持つ3種類を「ツリーダリア」と呼びます。皇帝ダリアはその1つです。高く伸びた頂上に、大きく華やかな花を咲かせる様子は、まさに「ダリア界の王様」でしょう。ただし、日が短くならないと花芽をつけない性質を持つため、11月下旬にならないと開花しません。
近くに街灯や電灯など明るい光があると、「日が長い」と勘違いして、花芽をつけないから注意しようね。
皇帝ダリアの基本データ
学名 | Dahlia imperialis |
科名 | キク科 |
属名 | テンジクボタン属(ダリア属) |
開花時期 | 11月下旬~12月上旬(照明が当たる環境では開花しない場合あり) |
花色 | ピンク、紫 |
誕生花 | 11/14 |
皇帝ダリアの花言葉
皇帝ダリアの花言葉は「乙女の純潔」「乙女の真心」です。華麗で堂々とした花姿からは少し想像しにくいかもしれませんね。可憐な花言葉の由来は、きれいなピンクや淡い紫など、優しい花色が多いことからきています。色別の花言葉はありません。
皇帝ダリアの花言葉まとめ
- 皇帝ダリアの花言葉:「乙女の純潔」「乙女の真心」
- 色別の花言葉はなし
続いて、11月に咲く花③:エリカ
11月に咲く花③:エリカ
有名な文学作品にも登場する花
エリカは南アフリカやヨーロッパを原産地とする常緑性の植物です。700種類を超える野生種があり、園芸品種も多く作られています。ヨーロッパでは荒野に自生する植物として知られており、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」、フランシス・ホジソン・バーネットの「秘密の花園」などといった有名な文学作品にも登場しました。開花時期が品種によって大きく異なるという特徴があることでも有名です。
エリカが日本に伝来したのは大正時代のことです。多くの種類が持ち込まれましたが、定着したのはジャノメエリカなどほんの数種でした。
ジャノメエリカは中心部にある黒い葯(やく)が、蛇の目みたいに見えるのが名前の由来だよ。11月から3月頃にかけて開花するんだ。
エリカの基本データ
学名 | Erica |
科名 | ツツジ科 |
属名 | エリカ属 |
開花時期 | 品種によって異なる |
花色 | 赤、白、ピンク、黄、オレンジ、紫 |
誕生花 | 8/5、9/17(白限定) |
エリカの花言葉
エリカの花言葉は「孤独」「寂しさ」です。可憐な花姿にそぐわない物悲しい花言葉は、エリカがヨーロッパでは荒野に自生していることに由来しています。色別の花言葉はありません。
エリカの花言葉まとめ
- エリカ全般の花言葉:「孤独」「寂しさ」
- 色別の花言葉はなし
出典:写真AC