コナギとは?水田雑草としての特徴やコナギに効果的な除草剤を解説!

コナギとは?水田雑草としての特徴やコナギに効果的な除草剤を解説!

水田雑草として田んぼにはびこるコナギ。どのような葉や、花の植物なのでしょうか?コナギの特徴はもちろん、葉が似ている他の植物との見分け方や、コナギに効くおすすめの除草剤についてもご紹介します。コナギの生態を理解することで除草の適正な時期や防除方法を学びましょう。

記事の目次

  1. 1.コナギとは
  2. 2.コナギの特徴
  3. 3.他の植物との見分け方
  4. 4.除草剤での防除が一番簡単
  5. 5.おすすめの効果的な除草剤2選
  6. 6.除草剤を使わない方法
  7. 7.まとめ

他の植物との見分け方

水田雑草には見た目が似た植物が多く、見分け方が難しいものがいくつかあります。除草する前に、どんな植物なのか判断するためにも詳しく見分け方を学びましょう。コナギに似た主な水田雑草について、表と写真で解説します。

雑草の種類 葉の形 その他
コナギ 生育初期は線形  
後期はハート型
薄青で房状につく 種子で増える
アメリカコナギ 長卵形 薄青、白もある 1個 葉の幅や花びらはコナギよりひかえめ
ミズアオイ ハート型の葉 赤紫 高く咲く 草丈はコナギより大きい
オモダカ 生育初期は線形 矢じり型 白く3枚の花びら 塊茎で増える

アメリカコナギとの見分け方

アメリカコナギはミズアオイ科の水田雑草です。葉は長卵形で、コナギの生育初期の線形の葉とやや似ているため注意が必要です。見分け方は、花のついた茎がコナギよりもやや長く、花が1個であること。葉の幅や花びらはコナギよりもひかえめです。

ミズアオイとの見分け方

ミズアオイはミズアオイ科の水田雑草です。地域によってはコナギが増えたことで姿を見られないところもあります。花が赤紫色で草丈もコナギより大きめです。葉の上に花のついた茎がまっすぐに出て高く咲きます。見分け方は、コナギは葉のつけね部分から花を咲かせるため、区別できます。

オモダカとの見分け方

オモダカはオモダカ科の植物で、近年では農薬の抵抗性をもち、防除が難しい水田雑草です。発生初期はコナギと同じ、線形の葉をもつため、注意が必要です。見分け方はコナギは種子から育つのにくらべ、オモダカは地中にある塊茎から主に芽が出るため、根っこごと引き抜いてみるとわかります。

ボタニ子

ボタニ子

コナギは発芽したての時に線形の葉の先端に種の殻をつけていることもあります。

除草剤での防除が一番簡単

                                <a href="https://www.photo-ac.com/profile/748114">chappy</a>さんによる<a href="https://www.photo-ac.com/">写真AC</a>からの写真

コナギは除草剤には比較的よく効く植物で、一般的な農薬である程度、簡単に駆除できます。しかし除草剤を散布する時期をまちがえたり、散布後の水管理をおこたると、また残ったものから、はびこってしまいます。除草剤のラベルをよく読み、使用基準や注意事項をよく守り防除してくださいね。

初期剤と後期剤の組み合わせがポイント

除草剤では、水稲用の初期剤、または中期剤を使用するのがおすすめです。さらにコナギが駆除しきれず、残った場合については、ホルモン系除草剤が効くため、後期剤を組み合わせると効果的です。種子は熟すのが比較的おそいため、後期剤で翌年の繁殖源を断ちきることができます。

おすすめの効果的な除草剤2選

コナギに効くおすすめの除草剤で、初期剤と後期剤をそれぞれご紹介します。田んぼの稲の成長具合に合わせたり、コナギが出てきた時期をねらって農薬や除草剤を使用し防除しましょう。ポイントをつかめば簡単に駆除でき、そして稲の収穫量も増やすことができます。

おすすめ除草剤(初期)①ソルネット

ソルネットとは

ソルネットは初期剤として効く除草剤です。コナギに効くだけでなく、多くの一年生雑草やマツバイ、ホタルイ、オモダカ、ミズガヤツリなど幅広い雑草に効果があります。特に雑草の発芽前から、まだ雑草が小さい時期によく効くので、はやめに散布するのをこころがけましょう。

ボタニ子

ボタニ子

ソルネットは天気や、稲の植え付け条件に左右されることが少ないため、稲の苗にやさしい農薬です。

ソルネットの使用時ポイント①散布場所の水量はたっぷりと

ソルネットは、さらさらした砂っぽい土質の場所や、水の抜けが激しい場所、また浅すぎる場所では濃度が濃すぎたりして、薬害がでる可能性があります。散布する場所の面積や水量、水深などをよく確認して、適切な量を散布しましょう。

ソルネットの使用時ポイント②魚類を飼っているときは使用NG

ソルネットは魚類への毒性があるので、メダカなどを飼っているビオトープなどでは、使用することができません。そのためそばに河川があったり、魚の養殖池などがある場合は、風の影響で農薬が飛んでしまったり、誤って入ってしまわないように気をつけてくださいね。

おすすめ除草剤(中期・後期)②バサグラン

バサグランは中期・後期に効く除草剤です。コナギはもちろん、イネ科以外の一年生雑草や、クログワイ、オモダカ、ミズガヤツリにも効果的。稲に対して薬害が少ないため、田んぼで一般的に使用されています。初期剤でコナギが駆除しきれなかった時に使用するといいでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

イネ科の雑草には効果がないため、コナギだけでなくイネ科雑草の除草も考えている場合、他の農薬と組み合わせて使用しましょう。
 

バサグランの使用時ポイント①散布後の天気は晴れ続きがおすすめ

バサグランは散布後の天気に、効果が左右されがちです。散布後に、曇りや雨が長く続くと、除草の効果がはっきりでないことがあります。散布後に晴れが続くことで、よく効くだけでなく、効き目がはやくでます。なるべく晴れの日が続くような時をみはからって、散布してくださいね。

バサグランの使用時ポイント②肌が弱い人は十分に気をつけて

バサグランは眼や皮膚に対して弱い刺激性があります。薬剤が肌に直接ついてしまわないように、気をつけてくださいね。特に肌が弱い方やかぶれやすい体質の場合、使用するときには十分に注意しましょう。眼に入った場合にはすぐに水洗し、なるべくはやめに眼科医の手当てを受けましょう。

除草剤を使わない方法

深水管理と手で防除

コナギは水面に葉が出ていなければ育つことができないため、水深を深くする深水管理がおすすめです。また水深を深くすることで発芽する種子を浮かせ、その後根付いてしまうのを阻止させることができます。すでに育っているコナギについては、根っこごと手などで引き抜き、駆除しましょう。

米ぬか除草はコナギには有利になる場合も

農薬や除草剤を使用しない、稲の有機栽培では米ぬかを水田に散布する駆除方法がありますが、時と場合によってはコナギが増えやすい条件を整えてしまうことになります。これは米ぬかを散布したあとに米ぬかが腐敗し、土や水中の酸素がなくなってコナギの発芽をうながしてしまうためです。

まとめ

大昔にはわざわざ、食用として育てられていたコナギ。昔から日本の水田では、なじみのある雑草だったことがわかりましたね。除草剤で比較的簡単に除草できますが、周囲の環境をよく確認し、適切な量を散布しましょう。駆除がてら収穫して調理してみるのもおすすめです。

青木昭子
ライター

青木昭子

イタリア野菜などちょっと変わった野菜やカラフルで美味しい野菜づくりが大好きです。よろしくお願いします!

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