ブラックベリーの育て方③水やり
ブラックベリーは乾燥に強い植物です。水をやり過ぎると根腐れを起こして枯れる原因になってしまうので注意しましょう。鉢植え・プランター栽培は、土の表面が白っぽく乾いたら、たっぷりと水やりするのが基本です。庭植えの場合は、根付いた後は、水やりの必要はありません。猛暑で雨が降らない日が続いた時など、乾燥のひどい時にだけ、朝か夕方に水やりします。
夏は水切れに注意
ただし、夏の時期は水切れに注意が必要です。夏は乾燥しやすい上に、ブラックベリーにとっては生育期にあたるので、水分を普段よりも多く消費します。しかも夏は乾燥しやすい時期なので、水切れする可能性がさらに高くなってしまう訳です。水切れが原因で枯れる恐れもあります。朝夕の2回、土の状態をチェックして、水切れを防ぎましょうね。
ブラックベリーの育て方④肥料
ブラックベリーは生長力が強いので、肥料をそれほど必要としません。鉢植えも庭植えも年3回の施肥でOKです。2月に元肥として油粕などの有機質肥料、もしくは即効性化成肥料を与えます。そして花が咲き終わる6月と、収穫期が終わる8月に追肥として元肥と同じ肥料を与えれば十分です。
ブラックベリーの育て方⑤剪定
基本の剪定
剪定の適期は12月から2月です。前年に伸びた枝を1/2から1/3の長さにまで剪定します。こうすると、脇枝が出て花つきがよくなるので、果実の収穫量も増えますよ。ただし、枝の本数が非常に多い場合は、整理して風通しを良くするために、細い枝や弱々しい枝を根元から切り落としましょう。
初夏から秋にかけて伸びた枝は、先が枯れていることがあるよ。枯れている部分を切り落として、脇枝の伸長を促してあげようね。
収穫後の剪定
ブラックベリーには、実をつけた枝は年内に枯れるという性質があります。収穫が終わったら、付け根から切り落としましょう。そして今年伸びた枝は、来年になれば果実をつけるので適切な管理を行い、大切に育てます。
ブラックベリーの育て方⑥誘引
つる性品種は5月頃から枝が伸びてくるので、早めにフェンスやトレリスなどに誘引します。紐かワイヤーでくくりつけるのが基本です。花つきをよくするためには日光が欠かせないので、日当たりのよいほうへ誘引してくださいね。誘引後も枝が伸びることを計算して、地面から最低50cm以上の高さがある位置へ誘引しましょう。あまり低い位置に誘引すると、実が地面について、泥はねなどで実が傷む原因になってしまいます。
ブラックベリーの育て方⑦病害虫
ブラックベリーは、ほぼ無農薬でも育てられるほど強健な植物です。仮に病気や害虫が発生しても、それが原因で枯れることはめったにありません。とはいえ、病気や害虫にかかれば生長が止まったり、果実の質が落ちたりと悪影響が出ます。予防・駆除をしっかりと行って、元気に育てましょうね。
要注意の病気は?
梅雨時のように雨が長く続いたり、過湿な環境だったりすると、灰色カビ病が発生することがあります。風通しをよくして湿気を防ぎ、雨が続く日は雨に当たらないように工夫しましょう。病気にかかった実や葉は、すぐに取り除きましょうね。
要注意の害虫は?
新芽や花を食べるバラゾウムシやコガネムシ、枝葉にくっついて養分を吸い取るカイガラムシなどがあげられます。基本的には発見次第捕殺です。なお、果実ができると小鳥が食べてしまうことがあります。心配ならネットで覆うなどといった対策を施しておきましょう。
カイガラムシは灰色カビ病と同じく、過湿な環境で発生しやすい害虫です。病気・害虫を防ぐためにも、栽培環境は良好な状態を維持しましょうね。
ブラックベリーの育て方⑧収穫
品種によって差はありますが、基本的な収穫期は実が黒くなる7月から8月頃です。雨に当たると傷みやすくなるので、晴れた日を選びましょう。生で食べても美味しいタイミングは、黒い実を触ると自然にポロリと落ちる時です。収穫期は黒い実を触って確認しましょう。
ブラックベリーの果実は早過ぎると茎から取れないし、遅過ぎると熟し過ぎて地面に落ちてしまうんだ。夏の朝は果実を触って確認してみてね。
ブラックベリーの増やし方
ここからはブラックベリーの増やし方を紹介します。植物の増やし方には、種まきや挿し木など、いろいろな方法がありますが、ブラックベリーを増やす方法は、下記の2つが主に用いられています。
増やし方①:挿し木
挿し木は植物を簡単に増やす方法として、最も一般的に用いられています。生命力の強いブラックベリーにも向いている方法です。挿し木には挿し木に使う部分によって、緑枝挿し、葉挿し、根挿しと、いろいろ種類があります。ブラックベリーの挿し木する方法としては、緑枝挿しが一般的です。
- 6月から7月頃が挿し木の適期です。この時期に新しく伸びた枝を10cmほど切り取り、挿し穂とします。
- 根が出てくるまで水に挿しておき、発根したら土に植え替えます。
増やし方②:株分け
株分けは大きくなった株の根を切り分けて増やす方法で、ブラックベリーの株分けは12月から2月が適期です。植え替えする時に一緒に行うと、効率的でおすすめですよ。
- 大きく育った株を土から掘り起こします。
- なるべく均等に芽がつくように、根をナイフで2つか3つに切り分けていきます。あまり細かく切り分けると、生育が悪くなるので注意しましょう。
- 切り分けた根を鉢や地面に植え付け、苗と同じように栽培します。
根を切り分けるナイフは、清潔で切れ味が鋭い物を選びましょう。でないと根を傷つけて、最悪枯れる原因になってしまいます。
株分けは一度に多くは増やせないから、増やし方というよりは、株を若返らせる方法と捉えたほうがいいかもしれないね。
まとめ
ブラックベリーは丈夫で無農薬栽培も可能な上に、栄養豊富で美味しい果実をつけます。サイズの大きい鉢があれば、鉢植えも可能です。ぜひお家で育てて、自然の恵みを堪能してくださいね。
花が咲く前に肥料を与えると、花つきが悪くなったり、病気や害虫が発生しやすくなったりするので注意しましょう。