ノゲシの特徴
ノゲシはたんぽぽに形がとても似ています。見間違えて花を摘んだり、インスタにあげたりする方は少なくありません。どの程度似ているかは花の形、色がそっくりで、葉っぱもとてもよく似ています。しかし、よく見ると違いもあります。それぞれの特徴を比較して知ることで、ノゲシについて理解を深めてみましょう。
ノゲシの花についてたんぽぽと比べて特徴を知ろう!
たんぽぽと同じ花の構造であるノゲシ
ノゲシはキク科のノゲシ属で、学名がノゲシという草花です。たんぽぽみたいに放射状に花がついて、黄色のきれいな色です。これを舌状花といいます。花びらのひとつひとつが花本体です。また、同じ舌状花のたんぽぽとほぼ同じ形で黄色い花をしているためにたんぽぽと間違われやすい草花です。写真で見る限りはまるでたんぽぽのようですね。
たんぽぽとノゲシの同じ特徴の冬場のロゼット
冬場の葉っぱの様子はとてもよく似ていて、葉を地表面に放射状に広げぺったりと土の上にくっついているたんぽぽと同じ姿をしています。この葉っぱの形をロゼットといいます。ロゼットは太陽の光をたくさん浴びて、低い状態にすることで冷たい風を受けずに済むようにしています。地上にぴったりとくっついている状態では、茎はほのかにピンクのような色をしています。
葉っぱの形をたんぽぽと比べると?
葉っぱの形もたんぽぽによく似ていますが、大きさはまちまちです。大きさはたんぽぽよりも細長く、形は葉っぱの先が尖っているのが特徴です。ノゲシの葉っぱを触ると棘は全然痛みはありません。
ノゲシの名前の由来
ノゲシはたんぽぽにとても似ている花であることはわかりましたね。では、名前の由来はどこからきているのでしょうか?ノゲシというのでケシに似ているのでしょうか?
ノゲシの名前の由来
ケシに似ているから付けられた?ノゲシの名前の由来
ノゲシとは名前にケシが入っているのは葉っぱがケシに似ているため、名づけられました。しかし、ケシの仲間ではありません。別名ハルノゲシともいわれ、キク科ノゲシ属の草花で花が咲く時期は4月から7月です。ハルジオンに似ている名前ですが、ハルジオンはピンクの薄い花なので全く違う植物です。
舌状花のノゲシの花の色とケシの花の色の種類が違う
何よりも花の色がオレンジやピンクや黄色と多く存在するケシとは違ってノゲシは黄色のみ。ひとつひとつの花弁のようなものが実際の花です。その花がノゲシには80くらいついていて、ひとつの花のように見えます。それを舌状花といっています。
ひとつの花が何十もついて集合体になっているノゲシに対して、ケシは花びらの大きさはノゲシよりも何倍もあって花弁の数も違います。また、オニノゲシという草花にとても似ていますが、特徴が少しだけ違います。ふたつの違いについては後ほどご説明いたしますね。ノゲシは葉を食べられる野草としてたんぽぽのように食することができます。食べると幻覚作用があるケシとは大きな違いがありますね(ケシは実が食べられる種があります)。
ノゲシの生息地
ノゲシの咲く場所はどこでしょう
ノゲシは人里に多く見られる植物です。道路の脇や田んぼ、空き地などいろいろな場所で生息しています。もともとはヨーロッパ原産の植物でしたが、世界中に広がっており、どこでも見られるような雑草の一種です。日本に渡ってきたのはかなり昔と考えられており、外来種としての扱いはありません。たんぽぽみたいに茎を切ると白い液体が出てきます。根から摘んで花瓶に入れるとしばらく咲いている生命力の強い花でもあります。
ノゲシは簡単に見つけられる花です
たんぽぽの種類によって花の大きさはいろいろありますが、普通に咲いている西洋たんぽぽよりかはノゲシのほうが花の大きさは小さいことが多いです。ノゲシはたんぽぽ以上に繁殖している場所もあり、空き地のような場所ではよく咲いている草花です。歩いたときに道端など見てください。若干ピンク色が混ざっている茎もたんぽぽとの違いですので、見つけるときの参考にしてください。
ノゲシの花言葉
ノゲシには花言葉があります。
1.旅人
2.幼き友人
3.悠久
4.見間違っては嫌
5.憎まれっ子世にはばかる
これら5つの花言葉がありますが旅人のように綿毛を空中に飛ばし、昔からなじみのあることで幼き友人のようであるということでしょうか。見違っては嫌というのはたんぽぽのことでしょうか、とてもよく似ているオニノゲシのことでしょうか。不思議な花言葉ですね。次はオニノゲシと比較してその特徴に迫っていきます。
ノゲシとオニノゲシの違いとは
ノゲシはオニノゲシという植物に非常に類似してます。花はとても似ていて、舌状花であることでは同じですし、遠くから見る限りは同じ草花かと勘違いするくらいです。オニノゲシの学名はキク科ノゲシ属オニノゲシです。「オニ」という単語が違うだけでどういった違いがあるのでしょうか。
葉っぱの形が違うノゲシとオニノゲシ
違いが一番わかる点は葉が全く違うことです。色つやはオニノゲシのほうがつやつやしていて光沢感があります。しかし、ふたつ並べないとわからない程度です。葉っぱを触るとはっきりと違いがわかります。ノゲシもオニノゲシも尖っています。しかし、オニノゲシの葉の先の尖って部分を触るととても固く、まさに、棘とおなじく痛みを伴います。
ノゲシとオニノゲシの葉っぱの付き方
葉っぱの付き方にもノゲシとオニノゲシの違いがあります。オ二ノゲシは葉っぱが茎から突き出ているように付いています。ノゲシはオニノゲシほど突き出てはいなく茎の周りは丸い葉の形をしています。微妙な違いですが、両者を区別する際には重要な差です。
突き出して葉が生えていないノゲシの葉っぱ
一方のノゲシは茎に対して張り出している部分はオニノゲシよりは少なく、丸い葉っぱが茎の周りについているような形をしています。刺々しく張り出しているオニノゲシとの違いを写真でよく見るとおわかりになると思います。
まとめ
以上、たんぽぽやオニノゲシに似ているノゲシですが、身近な植物でもあり、私たちの生活圏に咲く代表的な花でもあります。ノゲシは食べられると記載しましたが、うさぎの好物でもあります(うさぎはたんぽぽの葉っぱも好物です)。興味のある方はよく花と茎と葉っぱの特徴を見てから、チャレンジしてみてください。毒草にはくれぐれもお気をつけて。
出典:写真AC