ダンドボロギクってどんな植物?名前の由来やノボロギクとの見分け方も解説

ダンドボロギクってどんな植物?名前の由来やノボロギクとの見分け方も解説

ダンドボロギクは北アメリカが原産の帰化植物で、日本全国に広く自生している一年草です。花後に真っ白な綿毛をつけるのが特徴で、葉は食用としても利用できます。そんなダンドボロギクの特徴や、よく似た「ノボロギク」や「ベニバナボロギク」との違いをみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.ダンドボロギクとは
  2. 2.ダンドボロギクの特徴
  3. 3.ダンドボロギクとよく似た植物との見分け方
  4. 4.ダンドボロギクの食べ方
  5. 5.ダンドボロギクを探してみよう

ダンドボロギクとは

出典:写真AC

ダンドボロギクは北アメリカが原産の帰化植物で、夏〜秋にかけて白色や緑色、黄色の花を咲かせる一年草です。ダンドボロギクの葉は食用にできるのが魅力で、シュンギクによく似た味と香りが楽しめます。日本の住宅地や公園でも気軽に見つけられる植物で、花後に真っ白な綿毛をつけるのが特徴です。

基本情報

出典:写真AC

園芸部類 草花、野草
形態 一年草
樹高・草丈 50cm〜150cm
科名・属名 キク科・タケダグサ属
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
開花時期 8月〜10月
花の色 黄、緑、白

名前の由来

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ダンドボロギクの原産地は北アメリカですが、1933年に「帰化植物」として、愛知県の段戸山で発見された植物です。花後につける綿毛がボサボサにつくため、その様子を「ボロ布」という意味をもつ「襤褸(ボロ)」に例え、発見された場所と合わせて「段戸襤褸菊(ダンドボロギク)」と名付けられました。

英名は「fireweed」

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ダンドボロギクの英名は「fireweed」です。ダンドボロギクは、山火事が起きた後の焼け野原に多く生える性質があり「山火事などで地面が焼けたあと、ほかの植物よりも早く生えて群れを成す雑草」という意味をもつ「fireweed」という英名がつけられました。ダンドボロギクが生えるとほかの植物が育ちやすくなり、生き物が生息する手助けにもなります。

花言葉

ダンドボロギクには「強い心」という花言葉がついています。生息場所を選ばず、荒地や道端など、どのような環境でも生息できるため「強い心」という花言葉がつけられました。また、山火事などが起きたあと、山を再生させるためにいち早く咲き始める性質から「強い心」という花言葉がついたという説もあります。

ダンドボロギクの特徴

出典:写真AC

ダンドボロギクは、別名「大襤褸菊(オオボロギク)」とも呼ばれています。名前の由来になっているのは、発見地の「段戸山」ですが、現在では北海道〜九州まで日本全国に広く分布している植物です。ダンドボロギクは山地や野原だけでなく、空き地や道端、住宅地などにも多く自生しています。

特徴①花

ダンドボロギクの開花時期は8月〜10月で、茎の先端に黄色や白色の「筒状花」をつけるのが特徴です。筒状花とはキク科の花に多くみられる咲き姿で、花弁が重なり合って筒状に花を咲かせる性質をさします。筒状花は「苞(ほう)」という葉が変形した部分に包まれており、花全体は1cm〜1.5cmほどの大きさです。

特徴②葉

ダンドボロギクの葉は「線状披針形(せんじょうひしんけい)」という形をしています。細長い楕円形状の葉で、先端が尖っているのが特徴です。葉は対生しており、葉の外側にギザギザの鋸歯がいくつもついています。葉は10cm〜20cmほどの長さで、幅は2cm〜4cmほどの大きさです。葉の裏側は葉脈が目立ち、薄くて細い毛が生えています。

若葉は食用にできる

ダンドボロギクの若葉は、シュンギクのような味や食感が楽しめます。アク抜きをしてから、おひたしにしたり天ぷらにしたりと、アレンジ方法もさまざまです。秋が近づくと、葉が硬くなり茶色く変色し始めるため食用には向きません。葉が黄緑色をしている若葉の時期だけ、食用として使用しましょう。

特徴③茎

ダンドボロギクの茎には、薄い縦筋が入っています。色は緑色や黄緑色で、毛はほとんど生えていません。茎の中にはたっぷりと汁が入っています。茎を折ったり切ったりすると中から汁がたくさん出てきます。まっすぐと上に伸びていきますが、茎がしなやかで柔らかさがあるため、大きく成長すると枝垂れるように曲がっていくのが特徴です。

特徴➃綿毛

ダンドボロギクは、花後に真っ白な綿毛をつけます。綿毛の付け根には2mmほどの果実がついており、綿毛の付け根が果実の先端から伸びているのが特徴です。綿毛の長さは1cm〜1.5cmほどで、毛が細くて長いため、絡まるようにボサボサの形をしています。ダンドボロギクの綿毛は、使い古したボロ布に例えられており、名前に由来にもなっています。

特徴⑤生息場所

ダンドボロギクは森林や野原だけでなく、住宅地や田んぼのあぜ道などさまざまな場所に生息しています。花後につける綿毛は、風が強いと洗濯物にくっついたり、雨に濡れるとみすぼらしく見えたりとあまり好かれる植物ではありません。成長すると150cmほどまで草丈が高くなり、次々と増えていくため雑草扱いされる場合がほとんどです。

「先駆種」に分類される

ダンドボロギクは「先駆種」に分類される植物です。先駆種とは、土砂崩れや森林の伐採などで地面が更地になったときに、真っ先に生えてくる雑草をさします。ダンドボロギクの英名の由来にもなっているとおり、山火事が起きた後にもすぐに生えてくるのが特徴です。ダンドボロギクは先駆種としていち早く生えてきて、地面を乾燥から守る大切な役割があります。

特徴⑥性質

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ダンドボロギクは、更地にどんどん増えていく性質がありますが、生命力自体はとても弱いのが特徴です。ダンドボロギクの周辺にほかの植物が生え始めると、次第と枯れて消えていきます。また、ダンドボロギクは夏〜秋にかけての開花が終わると、秋の終わり頃に綿毛をつけ、冬がくる前には枯れる一年草です。

ダンドボロギクとよく似た植物との見分け方

出典:写真AC

ダンドボロギクには、よく似た植物に「ノボロギク」や「ベニバナボロギク」があります。ノボロギクもベニバナボロギクも、ダンドボロギクと同じキク科に分類される植物で、咲き姿も同じ「筒状花」です。しかし、花や茎の色が違ったり、環境によっては一年中開花が楽しめたりとそれぞれに違いがあります。また「ノゲシ」や「ハルジオン」も筒状花を咲かせる植物です。

ノボロギクとの見分け方

出典:写真AC

ノボロギクは、漢字で「野襤褸菊」と表記され、名前のとおり野に咲くボロギクの品種です。花色はダンドボロギクよりも鮮やかな黄色で、温暖地では越年草に分類されています。基本的には5月〜8月にかけて花を咲かせますが、雪が降らない環境では一年中開花するのが特徴です。ダンドボロギクと比べると葉が肉厚で切れ込みが深いので、葉をよく見れば見分けられます。

「ピロリジジンアルカロイド」という毒成分が含まれている

ノボロギクには「ピロリジジンアルカロイド」という成分が含まれており、体内に入ると血栓症などを引き起こすリスクが高まるといわれています。古くはノボロギクに止血の効果があるとされ、鼻血が出た場合の応急処置として利用されていましたが、現在は薬用としては利用されていません。

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ベニバナボロギクとの見分け方

出典:写真AC

ベニバナボロギクは、頭花が紅色をしているため「紅花襤褸菊」と呼ばれています。ダンドボロギクやノボロギクと同じ「筒状花」を咲かせますが、苞がややふっくらとしており、茎まで紅色をしているのが特徴です。また、ベニバナボロギクは葉脈も紅色をしているため、株全体の色を見れば、ダンドボロギクと見分けられます。

花が咲く向きが違う

ダンドボロギクとベニバナボロギクは、花色や苞を見れば見分けがつきますが、花が咲く向きが違うのもポイントです。ダンドボロギクはまっすぐに上を向いて開花するのに対し、ベニバナボロギクはうつむくように下向きに花を咲かせます。

全草が薬用として利用されている

ベニバナボロギクは、全草を煎じたものが薬用として利用されています。乾燥させたベニバナボロギク5gに水を約600mL入れて、煮出してから服用してください。ベニバナボロギクには、利尿作用や乳腺炎の緩和、解熱効果や消化不良を助けるなど、さまざまな効果が期待できます。

ノゲシとの見分け方

出典:写真AC

ノゲシは「ハルノノゲシ」や「ケシアザミ」とも呼ばれているキク科の植物です。ダンドボロギクに似た黄色い花を咲かせますが、ノゲシは開花時期になると、花びらが外側に大きく開くため、簡単に見分けられます。また、ノゲシのつぼみは、先端が尖ったような円すい状をしているのが特徴です。

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ハルジオンとの見分け方

出典:写真AC

ハルジオンも北アメリカが原産の帰化植物で、ダンドボロギクと同じです。キク科に分類される多年草で、白色や薄ピンク色の花を咲かせます。ダンドボロギクの開花時期は8月〜9月ですが、ハルジオンは4月〜6月にかけて花を咲かせる春咲きの植物です。ハルジオンは細い舌状花を咲かせますが、ダンドボロギクには舌状花がありません。

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ボタニ子

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次のページでは、ダンドボロギクのおすすめの食べ方をご紹介します。

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ダンドボロギクの食べ方

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