「黄連(オウレン)」の効用と利用法
オウレンは3月下旬から4月にかけて開花する、日陰でも生育できる植物です。根や葉などは生薬として古くから人々の生活に有効利用されてきました。今回は生薬と観賞用など数種類のオウレンをご紹介します。
オウレンの基本情報
漢方に使われるオウレンの根は短期促成栽培でも5年、自然では15年くらいでの収穫が理想といわれています。2日ほど乾燥させ、ひげ根を火で炙って落とし再び乾燥させます。漢方は俗に「3年ものが最良」といわれていますが、それはアミノ酸が増えるピークの目安なのだそうです。
植物名 | 黄連(オウレン) |
起源 | キンポウゲ科 |
開花 | 6月頃 |
株 | 多年草(両性花・雄花あり) |
主な分布 | 北海道南部~本州、四国付近に分布 |
ちなみに俗にいう『オウレン』は「キクバオウレン」を指した呼び名です。漢方の生薬として使うときに、根が太くなりやすいということでよく栽培される主力品種です。
原産地と歴史
古くから日本の広域に自生しており、近縁種も多く存在します。植物の特徴で言えば、葉っぱのギザギザが菊に似ていることから「キクバオウレン」、芹(セリ)に似ていることから「セリバオウレン」と命名されています。
植物図鑑としてこのような「牧野植物図鑑」というものがあります。植物学的な更なる詳細はこちらでどうぞ。また牧野公園は、佐川町出身の植物学者・牧野富太郎博士ゆかりの植物公園です。薬草園も充実しています。
薬として利用され始めたのはいつか
漢方薬として利用され、流通し始めたのは中国産の乾燥黄連が輸入されるようになってからです。日本でも健胃消化の民間療法として、山間部を中心に乾燥根を煎じたものが飲まれていました。
ボタニ子
次はオウレンの効果や効能について紹介します。
出典:筆者撮影