オウレン属植物とは
オウレン属は、キンポウゲ科に属する被子植物です。和名は「黄連」といい、本州や四国だけでなく、北海道の南西部にも自生しています。
木陰に自生
オウレン属は、山の木陰を好む特徴があります。比較的多く見られるのは針葉樹林ですが、杉の植林地でも木陰になっている場所には自生しています。
名前の由来
オウレン属の植物には中国産と日本産があります。日本産のオウレン属植物の名前は中国産のオウレン属植物に由来するといわれています。中国には「シナオウレン」と呼ばれる植物がありますが、シナオウレンは一般的に黄連(オウレン)と呼ぶため、日本に自生するオウレン属もそれにならって「オウレン」と呼ばれるようになりました。
根茎にひげ根がある
オウレン属の草丈は20cm~40cmしかありませんが、根茎は太く、土の中で斜めに広がります。しかも根茎にはひげ根が生えており、その量もかなり多いです。ちなみにオウレン属の植物は、根茎が黄色をしていることも特徴です。
オウレンの内部形態
オウレン属の植物は古くから生薬として使われてきたため、内部形態まで詳しく研究されています。なお研究によってオウレン属の内部形態は、ほかの植物にはみられない特徴があることがわかっています。
内部形態①栽培地で形が変わる
主に山林で自生しているオウレン属植物ですが、畑で栽培することもあります。しかも栽培する場所によって内部形態が変わるのが、オウレン属植物の特徴に挙げられます。
内部形態②部位で色が違う
根茎を切断し断面を顕微鏡で見てみると、コルク層、表皮、髄、木部によって色が異なることが確認できます。中心部分にある髄と表皮は黄および赤系の褐色ですが、コルク層は淡灰褐色、木部は黄色または赤黄色をしています。
内部形態③味
「良薬は口に苦し」といわれるように、生薬として古くから使われてきたオウレン属植物の味は苦いです。しかも苦み度はかなりきついため、まさに「口に苦し」です。