クレマチスの種類・品種
クレマチス モンタナ
旧枝咲きクレマチスの代表的系統
クレマチス・モンタナは旧枝咲き品種の代表系統で、中国の高山地帯やヒマラヤ地域に自生している原種と、その原種を元にして誕生した品種の総称です。「モンタナ系」とも呼ばれています。開花時期は4月~5月で非常に花つきがよく、花色はピンクや白といった優しい色合いが多いのが特徴です。よい香りを放つ品種もあります。丈夫ですが高温多湿な環境に弱いため、日本では寒冷地で育てるほうがよいでしょう。
クレマチス アーマンディー
中国やミャンマー、ベトナムに自生する原種と、それを元にした品種の総称です。「アーマンディ」と表記されることもあります。常緑性のつる性植物で、開花時期は4月~5月です。花色は白が基本で、強い芳香を持つ品種が多い特徴があります。強健でつるの伸長力も高いので、地植えにして大きく育てるのがおすすめです。
クレマチス アンスンエンシス
常緑性冬咲きクレマチスの代表的品種
クレマチス・アンスンエンシスは中国の高山地帯を原産とする原種です。12月~1月にかけて咲く常緑のつる性植物で、ベルのような形をした白い花を咲かせます。生育旺盛ですが、耐暑性が低いので夏越し対策が欠かせません。読み方が統一されておらず、アンスンエンシス以外にも、アンシュネンシス、アンスネンシスと表記されることがあります。
アンスンエンシスは冬に咲くことと、ベルみたいな花形から「ウインター・ベル」とも呼ばれているよ。
アンスンエンシスの白いベルのような花がぶら下がって咲く姿は、とても愛らしいですよ。冬に咲く花は貴重ですから、大切にしましょうね。
クレマチス シルホサ
落葉性冬咲きクレマチスの代表的系統
地中海沿岸~小アジア地域にかけて自生する原種・シルホサと、シルホサを元にして誕生した品種の総称です。夏の間は休眠し、秋から生育し始めるという変わった特徴があります。同じ冬咲きのアンスンエンシスは常緑性ですが、シルホサは落葉性です。モンタナ系などと比べると花つきはよくありませんが、開花期間が長く10月から咲き始め、5月まで乳白色の花を咲かせます。
アンスンエンシスもシルホサも白色が基本で、派手さはありません。ですがその分清楚で品のよい花姿が魅力的です。
何よりも真冬に咲く花というのが貴重でありがたいよね。清楚な魅力を最大限に活かせるように仕立てて、素敵な冬の庭にしようね!
鉄線(テッセン)
本来は中国産の原種の名称
鉄線は中国に自生する原種の1つですが、日本では大輪種のクレマチスの総称として使うことがあります。乳白色の花弁と、花弁化した紫色の雄しべが特徴です。最近は品種改良の進化によって、白やピンクといった花色を持つ品種も誕生しています。春から初夏にかけて開花しますが、見頃は5月~7月です。
鉄線は「鉄仙」と表記することもあります。どちらの書き方でもOKですよ。
風車(カザグルマ)
日本に自生している原種の1つ
風車は日本に自生している原種の1つです。主に本州・四国・九州北部に分布しています。名前の由来は花の形が風車に似ているからです。5月~6月にかけて開花します。近年は野生種の減少が危惧されており、奈良県宇陀市にある「カザグルマ自生地」は、1948年(昭和23年)に国の天然記念物に指定されました。
アンドロメダ
大きな花が魅力の園芸品種
アンドロメダは、クレマチスの一季咲き性の系統・パテンス系に分類されている園芸品種です。名前の由来は、ギリシャ神話に登場するアンドロメダ王女でしょう。新旧両枝咲きで、5月~10月にかけて開花します。白地にピンクの筋が入る、直径20cmほどの大きな花が特徴です。一重咲きの品種ですが、成長して株が充実してくると、半八重または八重咲きの花をつけることがあります。
アンドロメダ王女はギリシャ神話に登場する人物の1人で、エチオピア王の娘です。母親が海神の怒りをかったことが原因で、怪物の生贄にされてしまいます。
絶体絶命の危機を迎えたアンドロメダ王女だったけど、すんでのところで英雄ペルセウスに救われるんだ。ギリシャ神話の中でも人気が高い場面だよ。
母の日の贈り物として人気
アンドロメダは母の日の贈り物としても人気です。これはアンドロメダが豪華で見栄えのよい大輪種の上に、花色も女性好みであることと、開花時期が5月~10月で母の日がちょうど見頃の時期にあたることが大きく関係しています。しかもアンドロメダは株が充実すると、さらに豪華な八重咲きの花をつけます。この点も、数多いクレマチスの品種の中でアンドロメダが選ばれる理由でしょう。
出典:写真AC