オオイヌタデとは
オオイヌタデが多く見られるのは、道端や河原、畦道などです。田舎ではよく見られる雑草で、草丈は人の目の高さほどまで大きくなります。遠目でぷつぷつとした見た目に見えるのは、小さな花がたくさんついているからです。白や淡い赤の花が穂を垂らすようにして咲いている姿は、のどかな風景によく映えて美しいです。
オオイヌタデの特徴
オオイヌタデは夏から秋にかけて花を楽しむことができます。夏のころから咲きはじめ、花を楽しめるのは本格的に寒くなる前までです。一斉に開花していくと密集したオオイヌタデはよく目立ちます。葉は細長く尖ったような形です。また淡い色味もオオイヌタデの特徴のひとつです。白や淡い赤で、薄紅色ともいえる色づきを見せるのも、かわいらしい見た目に一役買っています。
オオイヌタデの基本情報
科名・属名 | タデ科・イヌタデ属 |
学名 | Persicaria lapathifolia |
分類 | 一年草 |
草丈 | 80cm〜200cm |
花期 | 6月〜10月 |
人の目の高さほどに草丈が大きいことがオオイヌタデを見分ける重要なポイントです。また節の部分が太くなることや、葉の根元に毛がないか、あっても短いことが、見た目が似ている植物と区別できるところとなります。葉そのものの大きさや草丈の大きさがオオイヌタデという名前の由来です。似ている植物が多いことは、「Persicaria」という学名のついた同じイヌタデ属がたくさんあることからもよくわかります。
オオイヌタデの花言葉
オオイヌタデの花言葉は「安全」「無事」です。調べたものの、この花言葉がつけられた由来などは見つけることができませんでした。とはいえ、昔から子どもの遊び場などで見ることができる植物ですから、田舎の畦道や河原、野原など馴染みの土地で花開くことへの親しみを感じさせます。安全などの花言葉を知ることで、よりいっそうオオイヌタデなどの咲く自然の地を大事にしたいと思わせてくれるといえますね。
オオイヌタデとイヌタデの違い
タデ科の植物は数多くありますが、同じイヌの名前を持つオオイヌタデとイヌタデも異なる植物です。イヌタデと比べ、オオイヌタデは花穂が長く垂れること、花色が白などで淡いこと、毛がないこと、葉や草丈が大きいことが、ふたつの植物の大きな違いとして挙げられます。
イヌタデとは
イヌタデもオオイヌタデと同じく一年草の植物です。蓼食う虫も好き好きという言葉で知られるタデの仲間でも、辛みがなく食用として使われないことが由来となりイヌタデと名づけられました。別名はアカマンマと呼ばれ、花が赤飯のように見えることが由来です。イヌタデは草丈が低いので、読んで字のごとく、オオイヌタデとは大きさで区別することができます。
サナエタデとの違い
イヌタデとオオイヌタデは名前がほぼ同じですが、見た目でいえばオオイヌタデとよく似ているといわれるのがサナエタデです。確かに見た目にはどこが違うのかとてもわかりづらいですが、茎の節のふくらみがオオイヌタデのほうが大きく、花穂の部分も長いとされています。また、草丈も同じくらいのものも多いようですが、オオイヌタデがより大きく成長するようです。
まとめ
オオイヌタデは夏から秋にかけて、のどかな環境で穂を垂らすように花を咲かせます。イヌタデが俳句で秋の季語として使われるように、オオイヌタデもまた季節を楽しむことができる植物といえるでしょう。これから先も長く、オオイヌタデが咲く姿を見て楽しんだり、子どもが遊びに使ったりするような、そんな穏やかな場所を守っていきたいですね。
出典:写真AC