害虫の飛蝗とそうでない飛蝗の違い
蝗害は、「こうがい」と読みます。バッタは基本的に単独行動をしている種類が多く、それらのイネなどの農作物に甚大な被害を与えない種類は、蝗害には当てはまりません。先ほど挙げた種類のバッタが大量発生して大群を作り、ひこうしながら移動して農作物に甚大な被害を与えることを蝗害と呼びます。害をもたらすことのないバッタを、害があるものと勘違いしてしまうのはよくありません。蝗害をもたらす種類のバッタを数種類把握しておくことをおすすめします。
蝗害の特徴
大きな特徴は、やはり大群での移動です。群れが大きくなれば大きくなるほど、バッタの群れが降り立った農地への被害は大きくなってしまいます。種類にもよりますが、蝗害を与えてしまう種類のバッタは一匹が食べる量も少なくありません。バッタの群れが移動している様子は、晴れている空が暗く見えるほどの大群になることもあります。大群で押し寄せてきた場合、振り払うことが困難です。そのため、事前に対策を立てておく必要があります。
なぜ大群になってしまうの?
蝗害をもたらすバッタは、条件がそろえば大量に繁殖します。なぜ大量発生してしまうのでしょうか?その理由をまとめてみました。
- 雨が続き、バッタのエサとなる草が長い期間発生し続けている
- 単独行動を取りながら草を求めて移動していたバッタが、移動せずとも食事にありつけて子孫を残す
- 羽化したバッタも食事に困らず子孫を残し、やがて狭い範囲でバッタの数が増えてくる
- ある程度の数になるとバッタは群れを成して行動し、より飛びやすい体に進化する
- 最初は小さな集団で移動を開始し、途中で合流した小さな集団と合流を繰り返して大群となる
蝗害からイネや農作物を守るための駆除方法
蝗害からイネや農作物を守るためには、いくつかの駆除方法を知っておくことをおすすめします。なぜ複数の駆除方法を知っておくとよいかというと、自分の農地や作物が植えられている状況に応じた対策を練りやすくするためです。いろいろな対策手段を知ることで、迅速な対応を取れる可能性も高くなります。では、どのような対策方法があるのかを、確認していきましょう。
防虫ネットを設置
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防虫ネットを設置することは、バッタからの対策としては非常に有効です。バッタが侵入できないように、しっかりと設置しましょう。被せることができるものなら何でもいいというわけではなく、防虫ネットを購入することを強くおすすめします。
防虫ネットを使用するメリット
- 防虫ネットには、植物や農作物にとって必須の光や水を十分に取り入れる機能が備わっているため
- 歯が鋭いバッタ以外の害虫の侵入も、カットすることが可能であるため
- 農作物を畑に植えている方のみではなく、プランター栽培を行っている方も、防虫ネットでのバッタ対策は有効であるため
- 使用方法などが袋などに記載されており、初心者でも使い易いため
取り付けも難しすぎないので、長く園芸や農作物に携わるのであれば、持っていて損はありません。価格はさまざまあるので、自分が行っている園芸や農作物にぴったりのサイズのものを選びましょう。
バッタの天敵であるカマキリに助けてもらう
バッタにはいくつかの天敵がいますが、その中にカマキリが含まれています。カマキリは肉食で、バッタだけでなくアブラムシやイモムシも食べてくれます。できる限り農薬を使用せずに作物を健康に育てたいという方に、カマキリの放牧はおすすめです。カマキリは農作物を守る益虫としても有名な虫なので、庭や花木の近く、農作物の近くにいる場合は、むやみに駆除しない方がよいです。家庭菜園のよき助っ人として、カマキリを迎え入れてあげましょう。
カマキリ農法を試す場合の注意点
カマキリは行動範囲が広いわけではないため、数匹程度では侵入してきたバッタを駆除することは難しい可能性があります。カマキリに助けてもらうのであれば、ある程度の量が必要です。可能であればカマキリの卵を見つけたときに持ち帰り、時期を見て羽化させる方法がおすすめです。卵は温かい春を感じたら羽化しやすくなります。その習性を上手く活かして、カマキリ農法を試してみましょう。可能な限り農薬を使わず、安心安全な野菜作りが可能です。
殺虫剤を使用する
殺虫剤などを使用するのであれば、まず農作物や花や木に害がないものを選ぶことが重要です。害を及ぼす可能性のあるバッタの駆除に成功しても、草木や大切な農作物まで枯れてしまうと元も子もありません。食用の農作物によくない影響をもたらす成分を含んでいる殺虫剤を使用した場合、農作物を食した人間にも何らかの悪影響が出てしまうことも考えられます。
食用として美味しく調理する
戦前戦後の食べるものがなかった時期、バッタやイナゴは佃煮などの濃い味付けで調理されて食用としてふるまわせていた場所もあります。現代でもバッタやイナゴの佃煮は長野県などで食用として調理されている地域があり、見た目はグロテスクですが味は美味しいと評判です。中でもトノサマバッタはバッタの中でも大きな部類なので、食べ応えもあります。食べてみたいけれど不安という方は、食用として販売されているバッタを購入するのがおすすめとなります。
飛蝗とイナゴのちがい
バッタは食用としてあまり聞かないけれど、イナゴは聞いたことがあるという方もいるでしょう。実はバッタの仲間にイナゴが含まれています。イネを食べる種類にイナゴという名前が多くつけられていますが、バッタとイナゴには大きな違いはありません。バッタだから食べられなくてイナゴだから食べられるというわけではなく、毒がなくてある程度の大きさで美味しいものであれば食用として食べられます。
飛蝗の種類を把握して蝗害を防ぎましょう
バッタと一口に言っても、いろいろな種類が存在しています。蝗害を与えてしまう可能性のあるバッタを正しく把握し、駆除の必要があるかどうかを見極めて対応していきましょう。なぜ大群になるのかな、なぜの農作物に被害が出てしまうのかなどの素朴な「なぜ?」についての理由も知っておくことで、バッタへの対応も異なってきます。ラテン語や英語のバッタへの使い分けなども習得して、ちょっとした物知り博士になるのもおすすめです。
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出典:写真AC