葉牡丹とは
一見キャベツのような葉牡丹ですが、野菜ではありません。色鮮やかな葉牡丹がどのような植物なのか、詳しくご紹介していきます。
葉牡丹の基本情報
形態 | 多年草 |
原産地 | ヨーロッパ地域 |
草丈 | 5~100cm |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
見ごろの季節 | 11~3月 |
葉牡丹はアブラナ科の植物です。もともとは葉っぱが球のように重なる状態(結球)にならない品種のキャベツや、観賞用として栽培されるようになったケールを品種改良したことで生まれたとされています。花を咲かせる季節は春で、基本は冬に美しい葉っぱを観賞します。
ケールとはどのような野菜
ケールという野菜の名前を聞いたことはありませんか?ケールとはキャベツと同じアブラナ科の野菜です。キャベツのように結球していません。日本に伝わったのは意外にも古く江戸時代です。青汁などのジュースにして飲むイメージが強いですが、近年はサラダに入れて食されることも多くなっています。
葉牡丹の名前の由来
和名である葉牡丹の名前は、その名の通り葉の集まった姿が牡丹の花に似ていることが由来しています。英名は日本語訳をすると「花のようなケール」「花のようなキャベツ」「観賞用キャベツ」です。海外ではキャベツに似ている点を強調しているようです。
葉牡丹の花言葉
葉牡丹の花言葉は「物事に動じない」「利益」「祝福」です。縁起のよい花言葉のため、お祝いをする場面の寄せ植えなどにも用いられています。色別の花言葉は特にありません。
葉牡丹の花言葉と歴史
葉牡丹の花言葉に「利益」というものがあります。これは、三国時代の蜀漢の軍師である諸葛亮(諸葛孔明)が葉牡丹(キャベツ)を戦場で栽培し食料としていたという故事が由来します。キャベツも葉牡丹と同じように花言葉は「利益」です。
ケールの花言葉
ケールの花言葉は、キャベツや葉牡丹とは異なり「愛をつつむ」です。ケールはアブラナ科ということもあり、菜の花のような黄色でかわいらしい花を咲かせます。そのような花の姿が優し気な花言葉につながっているのかもしれません。
葉牡丹の種類
葉牡丹の種類は大きく分けて4つあります。それぞれどのような特徴があるかをご紹介します。
東京丸葉系
東京丸葉系の葉牡丹は、江戸時代から栽培されている種類です。葉がキャベツのように結球しているところが、特徴として挙げられます。耐寒性・耐暑性もあり、栽培しやすく寄せ植えにも使用しやすい種類です。別名「江戸葉牡丹」とも呼ばれています。
名古屋ちりめん系
名古屋ちりめん系の葉牡丹は、明治時代以降に名古屋で生まれました。葉っぱの1枚1枚が細かくフリル状になっているのが特徴です。根の成長がほかの葉牡丹よりも弱いため、1つずつ個別で育てることをおすすめします。繊細なフリルの葉は、冬の季節に華を添えてくれるでしょう。
大阪丸葉系
大阪丸葉系は、戦後大阪で生まれた種類です。東京丸葉系と名古屋ちりめん系を掛け合わせて生まれました。丸葉系のように葉っぱがややまとまり、ちりめん系のようにフリルがかっているのが特徴です。東京丸葉系よりも大きいため、より華やかさを感じられるでしょう。
さんご系
さんご系は、別名切れ葉系とも呼ばれます。昭和50年代に丸葉系とロシアより入ってきた切葉ケールとの交雑で生まれました。寒い地域から入ってきたため、耐寒性に優れているのも特徴です。葉っぱには深く切れこみが入っており、ケールによく似ています。さんご系には「孔雀」という品種もあり、葉がまるで孔雀の羽根のようで抜群の美しさを誇っています。
葉牡丹と正月
お正月が近づくと、葉牡丹は切り花として花屋で見かけることが増えます。また、松竹梅などと一緒に門松風の寄せ植えに使われていることもあります。なぜお正月の頃になると、葉牡丹を見かけるのでしょうか。
葉牡丹と寄せ植え
花の種類が少ない冬の時期には、葉牡丹の寄せ植えはぴったりです。紅白の色鮮やかな葉っぱに加えて背丈も低く、かわいらしい寄せ植えができあがります。好きな葉の形の葉牡丹と、冬に出回るパンジーを組み合わせれば、春に負けない華やかな寄せ植えも作れるでしょう。
葉牡丹の花言葉といけばな
お正月を彩る生け花にも、葉牡丹はよく使われます。葉牡丹の葉っぱが紅と白でおめでたく、花言葉も縁起がよいからです。東京丸葉系の葉牡丹は花材としてよく使用され、一緒に千両や松などと活けられます。葉牡丹は主張が強くないため合わせる花材を選ばず、花に比べて日持ちするのも嬉しいポイントです。
まとめ
縁起のよい花言葉をもつ葉牡丹は、キャベツに似てはいますが、キャベツにはない華やかさを持ち合わせています。葉牡丹は丈夫であることも特徴のため、初心者でも安心して育てられます。冬の季節には、育てた葉牡丹で玄関先をパッと華やかにしてくれるような寄せ植え作りにもチャレンジしてみましょう。
出典:写真AC