アベマキとは?その特徴や育て方をご紹介!クヌギとの見分け方は?

アベマキとは?その特徴や育て方をご紹介!クヌギとの見分け方は?

夏にはカブトムシやクワガタ採集に、秋にはどんぐり拾いにと大人気のクヌギの木。このクヌギによく似たアベマキという木をご存じですか?葉も花もクヌギによく似ていてどんぐりもつけるアベマキの木。そんなアベマキの特徴や育て方、クヌギとの違いについて解説します。

記事の目次

  1. 1.アベマキとは
  2. 2.アベマキの特徴
  3. 3.アベマキの育て方
  4. 4.アベマキとクヌギの違い
  5. 5.まとめ

アベマキとは

どんぐりでよく知られるクヌギと同じブナ科の落葉樹であるアベマキ。30m近く伸びる高木で、成長スピードも早く庭木ではあまり見かけませんが、森や林、山でよく目にすることがあります。アベマキもクヌギ、コナラに次いで樹液を出す木なのでクワガタやカブトムシが集まっていることもあります。

アベマキの別名

コルククヌギやワタクヌギという別名を持つアベマキ。その名がしめすようにアベマキの灰褐色の幹(ミキ)は深い溝が走りコルク層が発達しています。老木になるほどミキのでこぼこは深くなっていきます。

コルク層とは

コルク層は樹皮の内側にあるコルク質の細胞の集まりのことです。木のミキは表面の樹皮とコルク層から構成されます。コルク層は細胞壁が厚く弾力があるため、発達すると木のミキに深い割れ目ができます。

アベマキの名前の由来

アベマキという名前は「アベ」と「マキ」の二つの単語から由来しています。「アベ」はアベマキが多く生育する岡山県の方言であばたを意味する言葉です。あばたは皮膚のでこぼこのことで、アベマキの幹がごつごつしていることから連想されたのでしょう。「マキ」はアベマキが薪木として使われていたことに由来します。

コルク栓に使われていたことも

Photo byGadini

コルク質が発達したアベマキの幹は戦前にコルク栓として利用されていました。しかし、ヨーロッパのコルクガシに質で劣るため、次第に使われなくなってしまいました。現在ではきのこの原木として利用されています。

アベマキの分布

アベマキは中国を中心とするアジア大陸に多く分布しています。日本では西日本を中心に分布していて、関西では雑木林でよく見かけます。特に瀬戸内海地方でよく生育していて、前述したアベマキのアベは岡山の方言です。東日本ではクヌギのほうが多く、アベマキはあまり見かけません。本州の中部地方で分布が分かれています。

アベマキの特徴

花期は春

Photo by harum.koh

写真:アベマキのオス花

アベマキの花はクリーム色をしていて、高い木の上に花をつけます。5月ごろに花を咲かせますが、一本の木にメスの花とオスの花をつけるのが特徴です。メスの花は新しく伸びた枝の上のほうに一つずつ付き、オスの花は葉の根元から垂れ下がって咲きます。

アベマキの葉の特徴

アベマキの葉は楕円形でふちに浅いぎざぎざがあり、裏には毛がたくさんついています。裏返すと全体的に白っぽく見えるのはこの毛があるためです。アベマキの葉は秋には紅葉し、黄色く染まります。

アベマキのどんぐりの特徴

アベマキはクヌギと同じように丸いどんぐりをつけます。10月ごろに実をつけるアベマキのどんぐりは、クヌギと比べると殻が浅いのが特徴です。ただ、どんぐりだけではアベマキとクヌギを見分けはつきにくいです。どんぐりは二年果のため、前年の花が結実して実を熟します。

アベマキの育て方

育て方は簡単

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アベマキは非常に病害虫に強く、成長も早いので育てやすい樹木です。日当たりと水はけが良い場所で管理します。植え付けたときだけ有機肥料をまきますが、それ以降の肥料や水やりの必要はありません。冬と夏の二回、剪定を行います。木の形を保つために強い剪定は避けましょう。

植え替えは冬

あまり植え替える必要のないアベマキですが、移植する場合は11月から3月の休眠期に行いましょう。

どんぐりから育てることも可能

Photo byNellyBelly

アベマキをどんぐりから育てることもできます。アベマキのどんぐりを水に入れて沈んだどんぐりを選んで植えましょう。どんぐりは半日ほど水につけてから植えます。最初は植木鉢に園芸用土を入れ、有機肥料や油かすを混ぜ込みましょう。どんぐりを植える時は横向きに寝かせるのがポイントです。日当たりの良い場所で管理します。

落葉高木なので場所に注意

Photo by Masaru Kamikura

成長スピードの速いアベマキ。家や駐車場の近くに植えると高く伸びて日陰を作ってしまいます。また、落葉樹なので秋の落ち葉に苦労することもあります。しっかり場所を選んで植えましょう。

アベマキとクヌギの違い

葉っぱの見分け方

形も大きさもよく似たアベマキとクヌギの葉っぱ。裏返すと特徴に少しだけ違いがあります。アベマキの葉は白っぽい毛がまんべんなく生えているのに対して、クヌギの葉は葉脈以外はつるつるした緑色です。アベマキとクヌギの見分け方は、葉っぱを比べるのが一番わかりやすいでしょう。

幹の見分け方

アベマキの幹はでこぼこしていて弾力がある

アベマキの幹はコルク質の影響で少し弾力があります。また、非常にでこぼこしているのが特徴です。対してクヌギの木は、縦に割れ目がはいっていますがアベマキほどでこぼこしてはいません。幹の色にも違いがあり、クヌギが黒褐色なのに対してアベマキは灰色がかっています。

アベクヌギが存在する

アベマキとクヌギは同じブナ科コナラ属に所属するので交雑することがあります。アベマキとクヌギの子供はアベクヌギと言われ、葉っぱの裏の白い毛がまばらに生えているなど、中間的な特徴をもっています。日本に分布しているのはクヌギに次いでアベクヌギが多く、純粋なアベマキを見つけるのはなかなか難しいのです。

アベマキとクヌギの見分け方

  • 葉っぱの裏が白いのがアベマキ(クヌギは緑)
  • アベマキは幹に弾力がありでこぼこが激しい
  • どんぐりの殻が浅い(クヌギのどんぐりと見比べないと難しい)

まとめ

Photo by "KIUKO"

アベマキとクヌギはその特徴がとても似ている樹木ですが、西日本と東日本でうまくすみわけされているのがおもしろいですね。自分が住んでいる場所と違う里山では、今まで見たこともない木を見ることができます。そういった新しい発見をするのも山歩きの魅力のひとつですね。育て方も簡単なアベマキを庭木として植えてみるのも珍しくておすすめですよ。

あき
ライター

あき

4歳1歳を育児しています。中古住宅の庭へ何を植えようか日々模索中です。今年の春はイチゴに挑戦!

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