黄梅はどんな花?
黄梅は、ジャスミンの仲間です。黄梅の花は、乾燥させるとハーブティーになります。黄梅のハーブティーの効能は、解熱や利尿作用などです。また、葉は薬として、腫れものや切り傷に効きます。黄梅は観賞だけでなく、実用としても使うことができるのです。これから、黄梅について栽培方法などをご紹介します。
黄梅の基本情報
学名 | Jasminum nudiflorum |
別名 | ゲイシュンカ(迎春花) ウインタージャスミン キンバイ(金梅) オウシュバイ(黄春梅) |
科名 | モクセイ科 |
属名 | ソケイ属 |
原産地 | 中国 |
樹高 | 1~5m |
花色 | 黄 |
開花期 | 1~3月 |
花径 | 2~2.5cm |
花形 | 高杯形 |
学名、樹高
黄梅の学名は、「Jasminum nudiflorum」です。科名はモクセイ科で、属名はソケイ属です。ソケイ属は、ジャスミンの一種ですが、ジャスミンとは違い、ほとんど香りがありません。つる性落葉低木で、樹高は1m~5mほどです。
花の呼び名
和名は、「黄梅(オウバイ)」です。別名は、中国名「迎春花(ゲイシュンカ)」です。中国読みをすると「インチュンフヮ」と発音します。英名では、「ウインタージャスミン」です。他には「金梅(キンバイ)」と呼ばれたり、「黄春梅(オウシュンバイ)」と名付けられています。「金梅(キンバイ)」は、「金梅草(キンバイソウ)」の略です。
花名の由来
黄梅は、梅が開花する同じ時期に花が咲きます。また、花の形が梅の花に似て、黄色い花を咲かせることから「黄梅」と名付けられました。しかし、梅はバラ科のサクラ属なので、黄梅と梅は違う種類です。中国名のゲイシュンカ(迎春花)の由来は、中国の旧正月に咲くことからきています。
原産地
原産地は、中国の北部と中部です。1695年に伊藤三之丞(伊兵衛)が出版した「花壇地錦抄」の著書の中に、黄梅の育て方についての記載があるので、黄梅が日本へ渡来したのは元禄時代頃と考えられています。
開花時期
温暖地での開花時期は、2月下旬~3月頃です。寒冷地では4月頃になります。黄梅は、つる状の分枝した枝に直径2cmほどの黄色い花を咲かせます。花の形は高杯形で、花冠は先端で5~6裂に裂けます。
半つる性の枝
枝は、箒状に垂れ下がる「半つる性」です。枝が地面につくと、根が発生し、新たな株ができます。この特徴から、黄梅の増やし方は挿し木でも簡単にできます。
花後につく葉
黄梅の葉は、桜と同じように、花が咲き終わった後に枝につきます。葉は対生で、3つの小葉を持ちます。
ソケイ属の種類
姫黄梅(ヒメオウバイ)
学名は「Jasminum parkeri Dunn」で、原産地がインドです。花や葉が小さく、樹高は20cm~30㎝です。盆栽に使われます。戸外での開花は、5月頃です。場所は、高温多湿にならないように注意し、風通しをよくします。寒さに弱い種類なので、冬は室内の明るい場所に移します。
雲南黄梅(ウンナンオウバイ)
学名は「Jasminum mesnyi」で、原産地が中国です。日本へは、明治初期に伝わりました。常緑低木で、樹高は1m~2mです。雲南黄梅の開花の時期は3月~4月で、黄梅よりも少し遅めです。香りに関しては、黄梅と同じようにほとんど匂いません。雲南黄梅の花の大きさは5cmほどで、葉も黄梅よりもやや大きいです。また、雲南黄梅の特徴は、冬でも葉が落ちません。黄梅に似ているため、「黄梅擬(オウバイモドキ)」と呼ばれていますが、葉の特徴から簡単に種類を見分けることができます。
キソケイ
学名は「Jasminum humile var. revolutum」で、原産地がヒマラヤです。「ヒマラヤジャスミン」「イエロージャスミン」という別名があります。常緑低木で、樹高が1m~1.5mほどです。開花時期は5月~6月中旬で、5弁の小さな黄色い花が咲きます。花は、芳香の弱い種類です。枝は、広い範囲まで延びます。耐暑性と耐寒性に強いです。ただし、冬場は霜よけ対策が必要です。
ヒマラヤソケイ
学名は「Jasminum humilevar. humile」で、原産地が中国南西部、チベット自治区、アフガニスタン、インド、タジキスタンです。標高1100m~3500mの高地に自生しています。常緑の半つる性低木で、樹高が2mです。開花時期は5月~6月で、1.5cm~2cmの黄色い花を咲かせます。花は筒状で、先端が5裂し、平らに開きます。花は、芳香のない種類です。葉は2cm~3cmの先が尖った卵形で、小葉が3枚~7枚の奇数羽状複葉で互生しています。キソケイに似ていますが、花や葉がキソケイよりも小型です。耐熱性と耐寒性に強いですが、冬場は霜が被らないように注意が必要です。
ボルネオソケイ
学名は「Jasminum multiflorum」で、原産地が本種の原産地は東南アジア、南アジアです。別名は「ジャスミナム」「マルチフロルム」、英名は「スタージャスミン」「ダウニージャスミン」です。インドネシアの国花でもあります。常緑のつる性低木で、樹高が1m~3mです。開花時期は10月~5月くらいで、白い花を咲かせます。甘い香りがする種類です。実は熟すと、果皮が自然に裂けて種子を放出します。
リュウキュウソケイ(琉球黄梅)
学名は「Jasminum floridum」で、原産地が中国西部です。沖縄に入り、古くから栽培されています。別名は、「キイモッコウ(黄木香)」「モッコウカ(木香花)」です。常緑低木ですが、ときに冬期落葉することがあります。枝は、つる性か弓状です。花は頂生の集散花序につき、2cmほどの白や黄色い花を咲かせます。まれに紅色もあります。葉は羽状複葉で互生し、3枚~5枚の小葉が生えます。
似ている種類
ロウバイ(蝋梅)
科名はロウバイ科、属名はロウバイ属です。学名が「Chimonanthus praecox」で、別名「カラウメ」「ナンキンウメ」と呼ばれています。原産地が中国で、日本には江戸時代頃に入ってきました。落葉広葉樹で、樹高が2m~4mです。開花時期は12月~2月で、1.5cm~4㎝ほどの花を一輪か二輪ずつ咲かせます。花弁は15枚~21枚で、蝋細工のように透き通った黄色です。甘い香りがします。
レンギョウ
科名はモクセイ科、属名はレンギョウ属です。学名は「Forsythia suspensa」で、別名「レンギョウウツギ(連翹空木)」と呼ばれています。英名は、「Golden bells」です。樹高は、1.5m~3mです。原産地は中国で、日本には300年ほど前に薬用として伝わりました。開花時期は3月~4月で、黄色い花が下向きに咲きます。実が熟すと下部が裂け、種子が散布されます。
出典:写真AC