クヌギはどんな樹木?
クヌギはブナ科コナラ属の落葉広葉樹です。直立した幹は高さ15mにもなります。クヌギは、どんぐりの出来る樹木のひとつで、カブトムシ・クワガタといったたくさんの昆虫も集まってきます。樹液には匂いがあり、その匂いは強烈で遠くまで匂いがとどくだけでなく、クヌギのある雑木林や里山ではまるで、お酒のような発酵した匂いがすることがあります。
基本情報
学名 | Quercus acutissima |
分類 | ブナ科コナラ属の落葉高木 |
古名 | つるばみ |
分布 | 岩手県、山形県以南 |
花期 | 4月~5月 |
葉っぱの特徴
葉っぱが交互にはえているので、互生ということがわかりますね。
葉っぱの先の鋸歯の先の色が緑色ではないのがわかります。クリは、この先まで緑色をしています。
離層とは?
離層とは、葉っぱを枝から落とす働きをする細胞層のことです。葉っぱは、日が短くなり、気温が低下してくると光合成をする力が弱まってきます。そのさいに、葉っぱに残っている栄養素を幹へと回収させますが、これと同時に離層を作り出します。クヌギはこの離層が不完全なため、枯れ葉になっていても枝に葉っぱがついていることがあるのです。
枯れ葉が枝に残ったまま落ちています。クヌギが離層が発達していないのがわかりますね。
花の特徴
クヌギの花は、雄雌別の風媒花です。4月~5月に葉っぱの展開と合わせて、花を咲かせます。雄花序は前年枝から10cmほど葉っぱが開ききる前に花序が垂れ下がります。花序には軟毛がはえています。雌花は、新しい枝の葉腋につくのが特徴です。因みに、花の匂いはいい匂いではありません。
樹皮・幹の特徴
クヌギの幹はまっすぐと直立し、高さ15mほどに達します。樹皮は、灰褐色の厚いコルク状で、やや深めに不揃いに割れています。クヌギのコルク層は、古いコルク層の上に、新しいコルク層を作っていきます。そのため、樹皮や幹は年々分厚くなっていきます。成長するたびに、コルク層は分厚くなっていくので、幹の上部はコルク層が薄く、幹の下部はコルク層が分厚くなっています。
幹がまっすぐ高く直立するのもクヌギの特徴です。
果実の特徴
クヌギの果実は、どんぐりです。花が咲いてから、翌年の秋に熟します。果実をつけたころは緑色をしていますが、熟すころには茶色になっています。
クヌギとアベマキ
クヌギと同じブナ科であるアベマキですが、クヌギと非常によく似ています。樹高の高さ(アベマキの高さも15mくらいです)もほぼ同じであり、両種ともどんぐりをつけます。この二種は交雑することもあります。交雑したものは、アベクヌギと呼ばれ、アベマキとクヌギ両方の特徴を併せ持ちます。アベマキとクヌギの見分け方は、クヌギよりアベマキの方がコルク層が発達していること、葉っぱが広幅であることなどで見分けられます。また、アベマキはクヌギより個体数が少なく、西日本での分布が多いです。
クヌギと他のどんぐりの見分け方
どんぐりとは、ブナ科に実る果実の総称です。どんぐりは、果実のタイプでは堅果というタイプのものになります。堅果とは、果実の外側が非常に硬くなっている果実のタイプで、種子ではありません。ヤシの果実も堅果の一種ですが、どんぐりについているぼうしがありません。このぼうしは、殻斗(かくと)というものです。ここでは、クヌギと他のどんぐりの見分け方を紹介します。
アベマキのどんぐり
どんぐりの中で、一番クヌギのどんぐりとよく似ています。殻斗はクヌギと同じトゲトゲしていて、どんぐりの形も丸いです。クヌギとアベマキを見分ける方法は、どんぐりで見分けるより、葉っぱで見分ける方が確実に見分けられます。
コナラのどんぐり
コナラの殻斗は、うろこ状の模様をしています。どんぐりの形もクヌギとは違い、丸くはないので見分けることは容易です。コナラのどんぐりは、どんぐりの形が左右対称で、おしり(殻斗が被っていたほうです)がへこまないという特徴があります。
カシワのどんぐり
カシワのどんぐりの、殻斗もクヌギと同じくトゲトゲしています。ですが、クヌギと違うところはどんぐりの形が丸くなく、先が長いというところです。殻斗もクヌギは分厚いのにたいして、カシワはそこまで分厚くありません。なので、クヌギとの見分け方はどんぐりの形を見れば見分けられます。
続いて、シリブカガシのどんぐりとの見分け方を紹介!
クヌギの葉っぱは互生で、長楕円形の形をしています。葉っぱのまわりは、鋭い鋸歯があり、薄い葉っぱですが触ると硬く、表面につやがあるのも特徴です。