オオハナウドとは
オオハナウドはセリ科の多年草で、アイヌ文化の中では古くより親しまれてきた山野草です。アイヌ語で「ピットク」と呼ばれ、食事や薬に活用されました。ウドに似ているため、日本においては名前に「ウド」がついていますが、ウドはウコギ科であり全く異なる植物です。
オオハナウドの基本情報
学名 | Heracleum lanatum |
和名 | オオハナウド(大花独活) |
目 | セリ目 |
科 | セリ科 |
属 | ハナウド属 |
開花期 | 5~9月(地域により異なる) |
オオハナウドの特徴
オオハナウドの花
オオハナウドは、分岐した茎の先端に小さな白い花をたくさん咲かせます。1つの花は5枚の花弁からなります。花の集合体のうち、外側の花の花弁は中心部の花に比べて大きくなっているのが特徴です。なお、開花期は地域によっても異なりますが5~9月です。
オオハナウドの茎
オオハナウドの茎は1.5m~2mと人の背丈かそれ以上まで成長します。茎の中は空洞になっていて、茎の節には毛がびっしり生えています。
オオハナウドの葉
オオハナウドの葉は、1つの軸に3枚の小葉がつく3出複葉です。小葉一枚一枚は20~30cmと大きく、葉の淵はギザギザになっています。
オオハナウドの分布
オオハナウドは、近畿地方よりも北に分布しており、北海道でもよく見られます。山あいの湿っている場所に生えていることが多く、北海道に至っては海沿いでも見ることができます。群生していることもあります。
オオハナウドの見分け方
オオハナウドとハナウドはとてもよく似た植物ですが、細部に違いがあります。見分け方のポイントをご紹介します。
ハナウド
ハナウドはオオハナウドにとてもよく似ている山野草です。花の形状はほぼ同一であり、茎も0.5m~2mまで成長します。見分け方は、葉の大きさと形がポイントです。オオハナウドの葉が3出複葉で1枚20~30cmと大きいのに対して、ハナウドの葉は3~5出複葉で、10~20cmと小ぶりな印象を受けます。なお、ハナウドが生育している地域は関東以西であり、分布地域も見分け方のポイントです。
オオハナウドの活用
オオハナウドは、若芽を食用として活用することができます。多くの山菜と同様、天ぷらや佃煮などの食べ方が一般的です。大きく育ったものはアクが強く食用には向いていません。なお、ハナウドの若芽も同様に食することが可能で、岡山県などにおいて「うど菜」の愛称で親しまれています。
まとめ
山野草の特徴ひとつひとつを覚えると、山菜狩りや登山がもっと楽しくなります。近畿地方以北で夏季に山登りをする際は、ぜひオオハナウドを探してみてください。
出典:写真AC