メマツヨイグサ(雌待宵草)とは?
メマツヨイグサは夕方のサクラ草(Evening primrose)と呼ばれています。マツヨイグサ属の数種は鑑賞用として、江戸後期から明治中期に日本に入ってきた植物です。太宰治『富嶽百景』には「富士には月見草がよく似合ふ」の名句があり、「月見草」は黄色のマツヨイグサ属の仲間だと言われています。待宵草と月見草の和名どちらも、文学作品がよく似合うすてきな名前です。
基本情報
学名 | Oenothera biennis |
英名 | Common evening primrose |
和名 | 雌待宵草 |
科名 | アカバナ科 |
属名 | マツヨイグサ属 |
原産地 | 北アメリカ |
月見草と待宵草の違い
月見草と待宵草はどちらも風情あるすてきな名前で、マツヨイグサ属は125種ある植物です。マツヨイグサ属は南北アメリカ大陸が原産地で、日本には持ち込まれ後に環境になじみ野草として広がりました。マツヨイグサ属の仲間は花の色により分かれ、黄花は「待宵草(マツヨイグサ)」白花は「月見草(ツキミソウ)」赤花を「夕化粧(ユウゲショウ)」と呼んでいます。
月見草の名前の由来
月見草は夕方に白い花が開花し、月の出る夜に咲き続け、翌朝には花色が薄い桃色に変わりしぼみます。この咲き方が名前の由来になりました。本来は咲く花の色で月見草と待宵草を分けれていますが、月見草は繫殖力が弱いため見かけることが少なくなり、同じ属で月のイメージを抱く待宵草のことも「月見草」とまとめて使われるようになったようです。
ハーブとしての月見草
月見草はイブニングプリムローズと呼ばれるハーブで、古くからアメリカ先住民が薬草として利用していました。その後17世紀にはイギリスに伝わり、しだいにヨーロッパ中に広がりました。「王様の万能薬」と呼ばれ、痛み止め、咳止めとして使用されていたようです。月見草油はメマツヨイグサの種から採取され、成分には「γ-リノレン酸」が含まれており、血行促進、月経前症候群、更年期症状の緩和に効果があるとされています。
花言葉
メマツヨイグサ単独の花言葉はありません。待宵草、月見草共通では「無言の愛情」「移り気」があり、待宵草として「浴後の美」「恋に恋するお年頃」「静かな恋」「協調」「和」「ほのかな恋」とたくさんあります。暑い季節の夜に花が咲くことや、花色が変化することに由来した花言葉になったようですね。
ボタニ子
次はメマツヨイグサの特徴について紹介します!