ツユクサ(露草)とは?
ツユクサ(露草)とは日本全国に広く分布している、ツユクサ目ツユクサ科の植物です。開花時間が短く、朝に開花して昼すぎにはしぼんでしまうのです。特に植え付けをして手をかけて育てなくても、道路の隅にこっそりと咲いていることもあります。ツユクサの花弁は、上部に2枚、下部に1枚付いています。下部の花弁はおしべとめしべに隠れているため、目立ちにくいのもツユクサの特徴です。
ツユクサの名前の由来とは
ツユクサの名前の由来は、ツユクサが開花する時間帯と深くかかわっています。ツユクサの開花時間は朝から昼にかけてと短時間です。朝に開花する点や花の短命さが、はかない朝露になぞらえられ「ツユクサ」と名付けられました。
古くは鴨頭草と呼ばれていた
鴨頭草(つきくさ)は、ツユクサの古い名前です。また、染め物の下絵で使用された青花紙の濃厚な青色も、鴨頭草と呼びます。この名は、ツユクサの花弁から抽出される濃い青色から名づけられたとされています。花弁から採取した青色を染めたい布に移すため、移し色ともいわれていたようです。褐色しやすい様子を人の心の移り変わりになぞらえ、昔の人たちの詠んだ和歌にも使われていました。
ツユクサの別名
ツユクサには、鴨頭草以外にもいくつかの別名があります。
- 蛍草
- 帽子花
- 月草
- 青花
- 移草
- 藍花
ツユクサの特徴にぴったりの漢字が当てられており、どの名前もツユクサの風貌によく合っているといえるでしょう。
ツユクサの特徴
ここからは、ツユクサの特徴を詳しく紹介していきます。栽培方法や開花時期、実は食べられるという点にも触れていきましょう。ツユクサを食べるときの注意点もチェックしていきます。
ツユクサは非常に強い植物
ツユクサは、害虫などに負けない、強い種類の花です。開花の季節に向けて、着々と自らのコンディションを整え、季節が来ると青くかわいらしい花を咲かせます。野生で自生できる花で、多少の天候の変化などにも強く、枯れにくい傾向があります。特に手をかけずとも成長してくれるため、ガーデニング初心者の方も気負わずに育てられる植物です。
ツユクサは雑草なのか?
ツユクサは、野生の状態で繁殖できる花です。大きく括ってしまえば、雑草に入ります。茎は地面を這うように成長し、少し踏まれてしまったとしても自らの力で立ち直ることも可能です。かわいらしい花ですが、生命力や繁殖力などの点から見ると雑草の特徴を持っている植物です。
ツユクサの栽培方法
ツユクサは、特別に手をかけなくてもぐんぐん育つ植物です。種から育てる場合は、4月~5月にポットに植え付けを行いましょう。地面の状態は少し湿っているくらいを好みますが、猛暑が何日も続いて地面が乾ききってしまわない限り、特別水やりを行わなくても育ちます。生命力が高いため、肥料は不要です。地面に植えてしまうと隣の植物の養分を吸い取ってしまうため、プランター栽培がおすすめです。
ツユクサは食べることができる
道端に咲いているツユクサは、なんと食べることが可能です。驚く人も多いかもしれませんが、上手に調理すると美味しく食べられます。ここでは、ツユクサに含まれている効果や採取時期、調理法について詳しくご紹介します。
ツユクサの薬効
ツユクサは、以下の薬効を持っているといわれています。
- 解毒作用
- 利尿作用
- 解熱効果
- 下痢止め効果
解毒作用や利尿作用は、ダイエット中の女性や健康志向の方に期待される薬効ではないでしょうか?また、ツユクサにはダイエットの天敵である炭水化物を体内に吸収させることを防ぐ効果もあるとされています。このほか、湿疹やかぶれの塗り薬としての使用や、脳血栓などの予防効果にも期待がもたれているようです。
薬効を期待する場合の採取時期
ツユクサの薬効を期待するのであれば、ツユクサが開花してから採取することをおすすめします。開花中の時期が、ツユクサは最も生命力が旺盛な時期であるとされているからです。しかし花が咲いている場合、少し葉や茎の部分が固くなってしまっている可能性があります。このような場合は、少し調理法を工夫することによって、ツユクサの味を堪能できます。
食べやすさを優先した採取時期
効能も大切ですが、植物を採取して食べるなら、食べやすさも重要といえます。ツユクサの効能そのものは少し落ちてしまいますが、食べやすい時期に採取したい場合は、花を咲かせる前の状態がベストです。若葉は柔らかく、美味しく食べるためのいろいろな調理法を試せます。旬な季節の前に採取したとしても、旬を過ぎてからの採取よりも薬効は期待できるでしょう。
ツユクサの調理法
採取して時間の経っていない新鮮なツユクサは栄養満点で、いろいろな調理法を試せます。開花前と開花後、それぞれのおすすめの食べ方は、以下の通りです。
- 開花前…サラダ・お浸し・野菜炒め・お味噌汁の具・酢の物など
- 開花後…天ぷら・かき揚げなど
基本的に、ツユクサはほかの野菜と同じような調理方法で調理して食べることが可能です。開花後は葉が固くなる傾向があるため、においや食感で違和感のない調理方法がおすすめです。
出典:BOTANICA