世界の変な花を見てみよう
世界中で花を咲かせる植物の数は約20万種類あるといわれ、珍しい花や面白い花などその姿は多種多様です。なかにはなぜその姿になったのか生態が解明されていないものもあり、植物の世界は飽きることがありません。一風変わった花だからこそ惹きつけられる魅力があるのでしょう。
変な花【姿が変わった花】6選
①サイコトリア・ペピギアナ
科目 | アカネ科パリコウレア属 |
原産国 | 中央アメリカ、南アメリカ |
草丈 | 約3~4m |
開花時期 | 12~3月 |
学名 | palicourea elata |
別名 | 娼婦の唇、ホットリップス |
サイコトリア・ペピギアナは南米付近の熱帯雨林に自生し、開花時期になるとハチドリなどを誘うために赤く色づきます。情熱的な真っ赤な唇のような姿が特徴的ですが、これは苞(ホウ)と呼ばれるものです。本当の花は中心部にごく小さく咲いている、珍しい植物です。
②トケイソウ
科目 | トケイソウ科トケイソウ属 |
原産国 | 中央アメリカ、南アメリカ |
草丈 | 約2m |
開花時期 | 5~10月 |
学名 | Passiflora caerulea |
別名 | パッションフラワー |
トケイソウは、花の中心部が時計の針に似ていることから名づけられました。欧米では「パッションフラワー」と呼ばれることがあります。「パッション」は英語で「情熱」のほかに「受難」という意味をもちます。これは花の中心部を十字架に、葉やめしべを槍や釘に見立ててキリストが処刑された姿に似ているとして、イエズス会がキリスト教を布教したことがきっかけです。
③ラフレシア
科目 | ラフレシア科ラフレシア属 |
原産国 | 東南アジア |
花の大きさ | 約90cm |
開花時期 | 2年に1回 |
学名 | Rafflesia |
別名 | 死体の花、悪臭のユリなど |
ラフレシアは根や葉を持たない寄生植物です。花の大きさは約90cmあり、世界最大の花ともいわれています。花の香りは死臭や腐敗臭に例えられることがあり、人間には耐えがたい香りですが、受粉してくれるハエが好む香りです。エキゾチックなフォルムも印象的な、変わった花ですね。
④ヤグルマテンニンギク
科目 | キク科テンニンギク属 |
原産国 | 北アメリカ、中央アメリカ |
草丈 | 約30~50cm |
開花時期 | 6~9月 |
学名 | Gaillardia pulchella |
別名 | トッコウバナ |
ヤグルマテンニンギクは、天女を思わせるような美しい姿が名前の由来です。開花してから、時間の経過とともに花びらに隙間ができます。これが鯉のぼりに取り付ける「矢車」に似ていることも名前の由来です。また、第二次世界大戦中に特攻隊に送ったことから「トッコウバナ」とも呼ばれています。
⑤モンキーオーキッド
科目 | ラン科ドラキュラ属 |
原産国 | 南アメリカ |
草丈 | 約15~25cm |
開花時期 | 1~12月 |
学名 | Dracula gigas |
困ったサルの顔のような模様が特徴的なモンキーオーキッドは、南米の雲霧林(うんむりん)に生息するラン科の植物です。管理方法は洋ランと同様で日本の環境でも栽培しやすいため、面白い花や珍しい花を育ててみたい人におすすめです。
ボタニ子
ボタ爺
雲霧林とは、熱帯地域の霧が多くて湿度が高い場所のことをいうんじゃ。ジャングルと表現されることもあるよ。
⑥ショクダイオオコンニャク
科目 | サトイモ科コンニャク属 |
原産国 | インドネシア |
草丈 | 約2~3m |
開花時期 | 2年に1回 |
学名 | Amorphophallus titanum |
別名 | スマトラオオコンニャク |
ショクダイオオコンニャクは、インドネシアの熱帯雨林に生息しているサトイモ科の植物です。草丈は最大で3mを超えることがあり、世界で一番大きな花としてギネス記録を持っています。花は2年に1回しか咲かず、何月頃に咲くのかは予測できません。開花と同時に強烈な悪臭を放つため「死体の花」とも呼ばれている非常に珍しい花です。
変な花【葉の形が変わった花】4選
①ストレリチア・ユンケア
科目 | バショウ科ストレリチア属 |
原産国 | 南アフリカ |
草丈 | 約1~10m |
開花時期 | 5~9月 |
学名 | Strelitzia juncea |
別名 | ノンリーフ、極楽鳥花 |
ストレリチアは観葉植物として人気が高く、「ユンケア」のほかにも「レギネ」や「オーガスタ」などの種類があります。草丈が10m近くなることもあり観葉植物としては大型の部類ですが、ユンケアは成長とともに何故か葉が小さくなるのが特徴的です。5月頃に極彩色の珍しい花を咲かせるので、花と葉両方を楽しんでみてください。
②コノフィツム・ブルゲリ
科目 | メセン科コノフィツム属 |
原産国 | 南アフリカ |
草丈 | 約3cm |
開花時期 | 9~11月 |
学名 | Conophytum burgeri |
コノフィツム・ブルゲリは、ゼリーのように透明な葉が特徴的な多肉植物です。独特なフォルムは、宝石に例えられることがあります。コノフィツム・ブルゲリは晩夏~晩秋にかけて小さな花を咲かせますが、特徴的な葉は一年をとおして見られるため、観葉植物として楽しむのもよいですね。
③ハエトリグサ
科目 | モウセンゴケ科ハエトリグサ属 |
原産国 | 北アメリカ |
草丈 | 約5~10cm |
開花時期 | 5~7月 |
学名 | Dionaea muscipula |
別名 | ハエジゴク |
ハエトリグサは、名前のとおりハエを主食とする食虫植物です。二枚貝のような葉の中心部から花茎を伸ばして花を咲かせますが、葉が閉じたままになったり、捕食した虫の消化に失敗したりするとすぐに枯れてしまうため、慣れないうちは栽培管理が難しいかもしれません。
④モニラリア・オブコニカ
科目 | ハマミズナ科モニラリア属 |
原産国 | 南アフリカ |
草丈 | 約15cm |
開花時期 | 10~3月 |
学名 | Monilaria obconica |
別名 | 緑のスパゲッティ |
モニラリア・オブコニカは多肉植物のひとつで、ウサギの耳のように長く葉を伸ばす姿が特徴的です。小さいうちはかわいらしいウサギの耳の姿ですが、成長していくと思いもかけない姿に変貌します。ぜひ、その姿の違いを観察してみてください。
ボタ爺
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雲霧林って、どんなところなの?