フォックスフェイスとは
フォックスフェイスとは熱帯アメリカ原産のナス科の植物です。夏から秋にかけて緑色から黄色、オレンジ色になります。果実の付け根部分に突起ができ、形が狐の顔に似て見える特徴からフォックスフェイスと名づけられましたが、これは和製英語です。晩秋から冬にかけて観賞用に利用するために、栽培されたり売られたりしています。
基本情報
学名 | solanum mammosum(ソラナム マンモサム) |
原産国 | 熱帯アメリカ ブラジル |
科属 | ナス科 ナス属 |
形態 | 一年草 |
草丈 | 150~200cm |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
誕生花 | 10月29日 |
花言葉 | 私の想い 偽りの言葉 |
フォックスフェイスの特徴
フォックスフェイスは果実の形が特徴的です。半分はレモンのような楕円形ですが、茎に近い部分に複数の突起ができます。日本では越冬できないため一年草として扱われていますが、原産国や帰化した国では非耐寒性低木とされています。150cmを超えて大きく育つのも特徴で、たくさんついた果実を支えるために支柱が必要になります。
花
ナス科の植物に多い、薄紫色から紫色の可憐な花が咲きます。花弁は5枚でまんなかに黄色いおしべがあります。その中心にあるのがめしべです。花びらは反り返り星形になります。直径は3cmほどで開花時期は7月~9月です。花弁を支えるがくはやわらかい毛におおわれています。果実に比べて花は小さく地味で、きれいですが目立ちません。
葉
広楕円形で心臓形の葉は裂けめが複数入ります。やわらかい毛でおおわれていますが、葉脈や茎には鋭いトゲがあります。株の成長期には光合成をするために葉が必要です。しかし果実が大きく育つと、色づかせる太陽光をさえぎってしまうため全部おとされてしまいます。窒素が多い肥料を与えると葉ばかりがしげるので注意が必要です。
実
花が咲いた後にできる果実は茎から直接生えているように見えます。付け根部分に突起が複数でき、日本では狐の顔に見えることからフォックスフェイスと名前がつきましたが、西洋では乳首に見えるようです。nipple fruiteや、titty fruitと呼ばれるのはそのためです。最初は緑の果実ですが、夏から秋にかけて黄色やオレンジ色に時間をかけて色づきます。
利用方法
フォックスフェイスは持ちがとてもよい果実です。地植えでは霜が降りるまで楽しめますし、枝をカットすると水なしでも2カ月~3カ月楽しむことができます。果実だけ利用する場合は、色が十分について張りがあるうちに収穫するのがおすすめです。ハロウィーンのジャックオーランタンと一緒に飾ったり、クリスマスのリースに使ったりできます。
フォックスフェイスの果実は食べることはできる?
フォックスフェイスの果実は食べられません。果実には毒性の強いアルカロイド系のソラニンという成分が含まれます。ナス科の植物でアルカロイド系の毒素を持つものは複数あります。ジャガイモの皮が太陽に当たって緑色になった箇所や特に芽に多く含まれている成分です。ツルナス、イヌホオズキなどにも含まれます。栽培するときはペットやお子さんの誤食に注意しましょう。
フォックスフェイスを食べるとどうなる?
フォックスフェイスは全草にアルカロイド系のソラニンを含みます。アルカロイドとは植物が持つ毒の総称です。トリカブトの毒のアコチニンもアルカロイドです。フォックスフェイスの毒はソラニンですが、摂取すると腹痛や下痢、頭痛やめまい、吐き気や嘔吐などの症状があらわれるといわれています。フォックスフェイスの果実は飾って観賞するだけにしましょう。
フォックスフェイスの別名
フォックスフェイスは和製英語ですが、他にも和名など複数の別名があります。理由もまたそれぞれです。
- 「ツノナス」ナス科の植物で実もナスのようだがツノがある。和名。
- 「カナリアナス」(金糸雀茄子)植物に黄色いカナリアがとまっているように見える。
- 「イエローフォックス」フォックスフェイスと同じだが、黄色い狐の顔に見える。
まとめ
形がとてもユニークで熟成すると大変日持ちがよい、フォックスフェイスの特徴や利用方法をご紹介しました。夏から秋にかけて色づき、晩秋に熟すフォックスフェイスはおいしそうに見えますが、有毒ですので、食べるのは避けましょう。発芽率がとてもよいですし、1本からたくさんの果実がとれます。冬にかけてビタミンカラーから元気をもらうために栽培するのも楽しいですね。
出典:flickr