イタチハギとは
派手な花が特徴のイタチハギは、日本全国に分布している樹木です。戦後に多く植えられましたが、要注意外来生物に指定されてから植えることは推奨されておらず、地域によっては駆除の対象になっています。まずは、基本情報から紹介していきます。
基本情報
名前 | イタチハギ |
別名 | クロバナエンジュ |
学名 | Amorpha fruitcosa |
分類 | マメ科イタチハギ属 |
分布 | 日本全国 |
要注意外来生物
もともと砂防や緑化に利用するため国外から輸入されたイタチハギですが、在来種の生育を阻害したり、イタチハギマメゾウムシという外来生物の侵入のきっかけになったりと問題視されています。要注意外来生物は特定外来生物と違って、法律による規制はありません。
イタチハギの特徴
特徴①落葉低木
落葉低木であり、木の高さは5mより大きくならず、冬は落葉します。直立する力が弱く、垂れ下がってくるので定期的な剪定が必要です。
特徴②花
濃いむらさき色の花びらに黄色いおしべが目立つ派手な花です。花言葉は「前向きな恋」で、5月~7月が開花時期です。
ボタニ子
特徴③葉
イタチハギの葉の1番の特徴は、葉の裏に腺点(せんてん)があることです。腺点とは、粒状の粘液や蜜を分泌する器官です。
ボタニ子
腺点は、受粉のために虫を引き寄せる役割をもっているよ。
イタチハギの見分け方
花が咲いていれば見分けることは簡単ですが、葉だけの状態だとニセアカシア(ハリエンジュ)に似ています。見分け方は、枝に鋭いトゲがあるかないかをみることです。トゲがなければイタチハギです。
イタチハギの利用法
利用法①緑化
イタチハギは悪条件の生育環境でも問題なく育つことができるため、法面(のりめん)の緑化に使われてきました。また、マメ科であるイタチハギは植えておくと土の状態を改善してくれるため、積極的に植えられていました。
ボタニ子
法面は、盛り土などで人工的につくられた斜面のことだよ。
ボタ爺
マメ科の木は肥料木になるんじゃよ。
利用法②ハチミツ
ミツバチはイタチハギの蜜を好んでとり、ハチミツとして商品化されています。イタチハギのハチミツは、他のハチミツよりピンクがかっているのが特徴です。
まとめ
利用法が複数ある反面、在来種の生育を阻んでしまったり、外来種生物の侵入の原因になったりと問題もかかえた植物でした。今後は積極的に植えられていく植物ではなく、駆除の対象にされることもあるので見かけることは減っていくでしょう。
外国の花らしい派手さだね!