ニセアカシアとは?
基本情報
名前 | ニセアカシア |
和名 | ハリエンジュ(針槐) |
学名 | Robinia Pseudoacasia |
分類 | マメ科ハリエンジュ属 |
分布 | 日本全国 |
街中でよく見かける木
実は私たちの生活の中にとても親しまれている木なんですよ。公園や道路の街路樹として多く使われていて花が咲けばよい香りがします。また防砂林としての役割を持った木です。
成長がとてもはやい木
外来種植物であるニセアカシアは痩せ地や砂地でも自生できて成長スピードがとてもはやくあっという間にニセアカシア林を作れるメリットがある反面、元々日本に植生している木ををしのいでしまうほどなので要注意外来生物リストに登録されています。
ニセアカシアの花言葉
ニセアカシアにはいくつか花言葉があります。慕情、親睦、友情、優雅、頼られる人、死に勝る愛情、真実の愛、甘い誘惑です。国産はちみつの約半数はニセアカシアのみつで作られていますので、まさに花言葉どおりミツバチが「甘い誘惑」に引き寄せられているんですね。「頼られる人」という花言葉はニセアカシアの木が丈夫なことに由来しています。
ニセアカシアの名前の由来
なぜ”ニセ”がつくの?
元々ニセアカシアが先に日本に入ってきていました。名前も「アカシア」と呼ばれていました。しかし本来のアカシア(ミモザ)が日本に入ってくると区別をするために「ニセアカシア」と名前がつけられたようです。
和名ハリエンジュ(針槐)の由来
アカシアとニセアカシアは名前が似ていても見た目が全然違いますがエンジュとニセアカシア(ハリエンジュ)は見た目がよく似ています。エンジュにはないハリをもっていることからハリエンジュの名がつけられました。
ニセアカシアの特徴
花
5~6月に白い蝶のような小花をたくさん咲かせ、周囲にあまい香りを漂わせます。この花のみつははちみつに利用されています。近年、伐採がすすめられており養蜂家の方は困っているそうです。また食用にも利用されていて天ぷらやアカシア酒として楽しめますよ。
葉
楕円の葉で葉の先端が少しくぼんでいるのが特徴です。かわいらしい見た目ですが有毒性のある葉になります。葉は互生していて奇数羽状複葉です。しっかり対になってはえているので見た目がとてもきれいですね。
樹皮
きれいな花や葉をつけるニセアカシアですが幹は見た目がとてもごついですね。縦に深く切り込みのようになっているのが特徴です。樹皮は有毒性があり口にすると中毒症状を引き起こします。消化器系と神経系に異常をきたしますので注意しましょうね。
とげ
ハリエンジュの名の由来にもなったハリのようなこのとげ、自転車のタイヤをパンクさせてしまうほどの鋭さなんです。ニセアカシアの木の枝は折れやすく地面に落ちていたりするので素手で触らないように気を付けてくださいね。ニセアカシアのとげがない木、トゲナシニセアカシア(トゲナシハリエンジュ)もあるんですよ。
果実
果実にも有毒性があるので注意しなければなりません。果実はやがて種子を作りますが、風や水によりはこばれます。たとえ土の中で長年眠っていても発芽機能を失わない種子もあるそうです。凄まじい生命力ですね。
ニセアカシアの見分け方
ニセアカシアとアカシアの違いは?
花の違い
上の写真の白い花がニセアカシア、下の写真の黄色い花がアカシアです。名前は似ていても姿はまったく違いますね。開花時期もニセアカシアは5~6月なのに対し、アカシアは3~4月と違います。共通点はどちらの花もとてもよい香りがすることですね。
終わりに
今回はニセアカシアの特徴やアカシアとの見分け方を紹介してきました。成長がはやく強い木でありはちみつ作りに活用され便利である反面、有毒性があり増えすぎて生態系に影響を及ぼす植物として懸念されている木でした。白い花も観賞用としても食用としても楽しめることがわかりましたね。ニセアカシアは街中によくありますので観察してみてくださいね。
出典:写真AC